2018年7月22日 (日)

「部族篇」1、3入稿しました@土西う29a

 既に数日前の話ですが、欠品していた『モンゴル史』「部族篇1」、「部族篇3」ともに入稿しました!
これでコミケにも間に合うでしょう。めでたしめでたし。

 1、3ともに、第3版なのでいつもより少なめの部数しか刷らないそうで、ご入り用の方はお早めに。なにしろ第3版とは言っても、「部族篇1」はなぜか倍以上の分厚さになってますからな!

 そして、「部族篇1」は裏表紙も新しくなっている! 2や3は版を重ねても裏表紙は同じなのに……。

部族篇1裏表紙の変遷

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第1版(ペトリ版)

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第2版

1v3ura
第3版(まだないしょ……というかまだ出来ていない)

「部族篇3」は1ほどは変わってないけど、このくらいは直しましたぞ。

Buzoku3
直せば直すほど、直すべき箇所が出てくるる~

 これでこの夏は、また1~4一揃えで『モンゴル史』が並べられるでしょう。ほっ。

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2018年6月16日 (土)

コミケット94に参加します

コミケット94 「群雄」は土曜日 西地区“う”ブロック-29a です。

お近くにおいでの際は、ぜひお立ち寄り下さい。

夏はこれ↓の増補版を出す予定です。さぁ、頑張って、最後の追いこみしなければ~。

紙の方も、「ラノベのようにすらすら読めるシリーズ」くらいの訳文にした方が良いのかのぉ……うーんうーん(ご意見承り中)

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2018年6月 1日 (金)

ドラマ「復活:エルトゥールル」日本でも放送しないかなぁー

 今はまってるテレビドラマ「復活:エルトゥールル(直訳)」。

 13世紀アナトリアで、オスマン一世の父にあたるエルトゥールルが、テンプル騎士団やモンゴル人と戦ったりする。オグズのカイ部族を率いてアナトリアに入るとかそういう辺りの話らしく、「おっ、そのオグズの話、今『部族篇1』でやってるぜ! 良いタイミング」と盛り上がってるわけ(自分だけ)。

 トルコのドラマなんで言ってることは全然わからないんだけど、半分くらいソード&アックスアクションなんで、それやら衣装やら馬乗ってるところやら見てるだけでもいいんだな。


サムネがバイジュ=ノヤンじゃん(たぶんあってる)
「私が小アジアを降したのだ!」とか言ってそう

 最近YouTubeに配信始まった第120話(!)はこれなんだけど、どうやらバイジュ=ノヤンの幕営にオゴデイ崩御の知らせが到着して、モンゴル軍がみんなで嘆き悲しむところらしい。

Ertugrul
主人公はこっち。バイジュ=ノヤンの本営に連れて来られたエルトゥールル

 2014年から続いている人気TVシリーズで、旧ソ連や旧ユーゴスラビアでも放送してたらしい。それも、テュルク系のアゼルバイジャンやカザフスタンだけでなくロシアとかマケドニアとかでも。日本でもやらないかなぁ? ホラ、「エルトゥールル」って名前だけはよく知られてるでしょ?

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2018年5月17日 (木)

映画「1944 独ソ・エストニア戦線」

1944 独ソ・エストニア戦線 [DVD]

2015年エストニア/フィンランド
監督:エルモ・ヌガネン
キャスト:
カール・タミク…カスパル・フェルベルク
ユーリ・ヨギ…クリスティアン・ウクスクラ
アイノ・タミク…マイケン・シュミット

 1991年、ソ連崩壊にともない、「再独立」を果たしたエストニア。
バルト三国の一番北に位置し、フィンランド湾を隔てたすぐ隣のフィンランドと民族的にも言語的にも近く、今ではすっかり北欧の国の一員に。
 「再独立」から四半世紀しかたっていないのに、今や日本を遥かにしのぐIT先進国。例えば、スカイプを生み出したり、シリコンバレーで採用されるような先進的ロボット宅配用UGVを生み出したり。

 こういった新しいモノを生み出し、素早く世界に送り出すスピード感も、お役所のIT化がめちゃくちゃ進んでいることに起因しているらしい。
 日本の役所が因循姑息なやり方で、改革を先延ばしにしているうちにすっかり追い抜かれた。
 「エストニアは小国だからドラスティックな改革ができた」って言う人もいるかもしれないけど、それはおかしいでしょ。人口が多く経済の大きな国ほど規模のメリットが効いてくるんだから、大きな国の役所ほど電子化効率化しなけりゃあかんやん。

 エストニアが古いシステムを惜しげもなく捨て、先進システムに一新することができたのは、ソ連に押しつけられたシステムなんて、むしろ一刻も早く捨て去りたかったからだろ、と思っていた。
 でも、どうやらソ連に対する思いは、ちょっとやそっとの生やさしいことじゃなかったみたい。

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 1944年、タンネンベルグで戦うドイツのエストニア人部隊。うねうねと迷路のように掘り込まれた塹壕の中で、カールたちの部隊は赤軍と戦っていた。
 カールは、おじさんの忠告を軽視して、摘発があることを家族に知らせずにいたために、彼らがシベリア送りになったとの自責の念から、ドイツ軍に志願したのだ。激しい戦闘や戦闘の合間のわずかな気のゆるみから、次々と戦友たちが死んでいく。ドイツ軍が劣勢になるにしたがい、エストニア人の部隊も撤退することになった。タルトゥに向かう途中、塹壕を掘って赤軍を待ち受けていると、やってきたのは赤軍のエストニア人部隊だった……。

 赤軍兵士として戦闘に参加していたユーリ。「君は前途有望だから」とか何とかで、政治将校に目を付けられてしまった。まぁ、要するに部隊内のスパイになれってわけだ。ドイツ軍を追って森の中を進むうちに、ドイツ軍の制服を着た16、7歳の少年たちを発見。ドイツ軍に無理矢理に徴兵されたので家に帰りたいと懇願する少年たちを射殺するよう、政治将校はユーリに命じる……。

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 なんかいろいろダメだよね。両軍の兵士にハムだのパンだのを提供していた農民の夫婦もあれきっとシベリア送りか銃殺かろくでもないことになるんだよ。

 信念を持ってと言うか、宗教のように盲目的に信じ切ってコミュニストなり、ナチスになりになってるなら、敵に殺されても本望かもしれんけど、普通の人はただ幸せに暮らしたいだけだもんなー。これじゃあ、うまく立ち回ろうとしてもしなくても、無理だよな。下手すると、最初にシベリアに送られた家族が一番幸福だったってことになりかねん。

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2018年5月 8日 (火)

「部族篇1」増補改訂版できました

 こっこっこっこっこけっこー! 校正終わったぁ!
『モンゴル史』「部族篇1」の増補改訂版の校正ができましたぞ。

 どの辺が増補なのかっていうと、今までの「部族篇」へ向けての序の前に、ラシードの『集史』全体への序文……ガーザーンに捧げた序文に加えて、オルジェイトゥとの対話が入っている……を新たに訳したところが『増補』なのです。ちなみに、分量は2倍以上に増えました(にゃー)。

 増えた文の半分くらいはガーザーンを讃える文? あとの半分はオルジェイトゥを持ち上げるフダーバンダ(意味不明)?
 これ需要あんの??? と思わなくもないですが、「部族篇1」はどういうわけか、すぐなくなっちゃうので、どちらにしろ増刷はしなくちゃならなかったわけです。

 まぁ、どういう経緯で、どんな目的で『集史』全体ができあがったのかっていう説明が書かれているので、資料の性格を知る上では知っておいた方がいいかもです。
 あと、全体の目次が付いているので、「部族篇」訳し終わってもうやるべきことは終わったような顔をしている人がいるけど、そんなの『集史』全体のほんの一部だってことがバレますな(笑)。でもまぁ、漢文史料が読めないので、「チンギス=ハン紀」とか「クビライ=カァン紀」とかできる訳ない。そもそもロシア語版だって『集史』全体でなく『モンゴル史』部分しかないので、充分がんばったと思う。

 ベーシックインカムでも導入されれば、働かずにこの続きをやって暮らすのだけれど、生きているうちには間に合いそうもないですな。

 というわけで、完成記念に「ラノベのようにすらすら読める集史」シリーズも「部族篇1」をアップしました。ただし、こちらは今回増補した分は入っていません。夏まで待てないという方は、こちらをぱらぱらめくってお待ちくださいましまし。

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2018年5月 7日 (月)

映画「クローズ・デイ」

クローズ・デイ [DVD]

2013年ロシア
監督:オレーク・アサドゥリン
キャスト:
ダーシャ…マリヤ・ピロゴヴァ
サム(イェゴール)…パーヴェル・プリルチヌィ
ミーシャ…マカール・ザポロジスキー
魔法使い…ピョートル・セマク
リリー…パウリーナ・アンドレーヴァ
タマーラ…アリサ・ハザロヴァ

ダーク・ワールド」の続編だが、あまり繋がっていない。 共通しているのは闇の世界の住人の戦いを描いているって点だけ。こっちの世界を守ろうとしている特殊能力の持ち主たちは、全く別のチームって感じで、ぜんぜん前作と関係ないんだよね。あの太古の森の中のような雰囲気がよかったのに、今度のは全くの学園ものになっていてチープに感じた。これ絶対ロケの予算とかケチっただろって思ったけど、制作費は大幅に増えてるみたい……? どこに金使ったんだろ? ……CG? 大学の地下のセット?……謎だよな。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 ダーシャは子供の頃、不思議な体験をした。スクールバスが奇怪なモノに襲われ、彼女だけ川に転落。溺れそうになりながら、知らない男の人からペンダントをもらったのだ。

 大学生になったダーシャは、教習所で車の運転をしているときに、またもや不思議な体験をする。無茶振りしてくる教官のせいで、対向車に激突。
……したかに思えたが、はっと気づくと公園で車のおもちゃで遊んでいた。でもそのリアルすぎる感触に戸惑い、自室に帰ってからもどうしても納得できずにいる。ふと気づくと、子供の頃からもっていたあのペンダントをなくしていることに気づく。

 ペンダントを探していると、教官が道端に立っている。
「このペンダントは全能の目だ」
と言ってペンダントを返してくれた。いつ拾ったのだろう? やっぱり、今日は教習に行ってて、事故に遭ったのか? 不思議に思いながらも、ペンダントを受け取ると、ダーシャに何か不思議な感覚が目覚めた。どうやら、人間の生気を吸う闇のバケモノが見えるようになったようだった。

 その闇の者の行く先に、そいつらと女性が立ちはだかる。実は、教官も闇のものと戦う人間の一人だったのだ。そして、ダーシャは闇の世界の入り口の一つが、彼女の通っている大学にあることを知らされる……。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 モスクワに闇の世界を現出させるために使われる「七つの高層建築」って、例のスターリン・ゴシックの七つの建物だね。と、いうことは舞台になっているのはモスクワ大学? 名前出てこなくても明白だよね。
 モスクワ大学って、もっと格式高い所かと思ってたけど、こんなちゃらい学生ばっかりなのかー、とちょっと拍子抜けした。

 この映画で大学の地下にある闇の世界の扉を守っているのが、スターリン時代にこの大学の建設に携わっていた建築労働者のおっちゃんたち。これはたぶん、「モスクワ大学の地下には、建設に当たった囚人たちが埋まっている」っていう都市伝説(あくまで都市伝説で本当ではない)をパロっているんだろう。

 お気楽にながら見するにはちょうどいい娯楽作品でござんした。

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2018年3月11日 (日)

映画「惑星ソラリス」

惑星ソラリス Blu-ray 新装版

1972年ソ連
監督:アンドレイ・タルコフスキー
キャスト:
ハリー…ナターリヤ・ボンダルチュク
クリス…ドナータス・バニオニス
スナウト…ユーリィ・ヤルヴェト
サルトリウス…アナトーリィ・ソロニーツィン
ギバリャン…ソス・サルグシャン

 ソラリスはSF映画の金字塔と言われてるけど、見てると寝ちゃうんだよねー。
 これは家で見てはダメだと思い、上映会があったので見に行ってみた。これならさすがに寝ないで最後までいけるだろ。

(ちなみに、日本語字幕はないが英語やトルコ語の字幕付きのがモスフィルムの公式サイトにやけに良い画質であがってる

 その結果、今までは30分もしないうちに寝ていたことが判明……。ナニソレほとんど見てないじゃん!
  言い訳になるんだけどさ、上映会では隣のオッチャンも10分もしないうちに寝息をたててた。私だけじゃない!

 というわけで、ようやくソラリスの全容がわかった。

 昔の東京(たぶん首都高速)のシーンが想像してたよりずっと長かった(←開始30分なのに見てなかった)。トンネルかアンダーパスの壁のタイルとか、異様な道幅の狭さとか。町の様子も昭和なので、懐かしいばっかりで頑張っても未来都市に見えないのがやや難点……。

 それで内容は、ホラーを見過ぎたせいかホラーに見えちゃった。

 意志を持つ惑星ソラリスが、自分に近づいてきた人類に興味を持って、その頭の中を探り、その人がもっとも気にしているモノを物質化してついてくる。

 それが心にわだかまっている罪の意識だから、人によっては堪えられなくなっちゃう。で、人によっては無視したり、自殺したり。

 ちなみに、自殺したギバリャンってアルメニア人だよね。アルメニア正教会っぽい建物の写真集持ってた。ギバリャンが、過去にどんな過失を犯したのかわからないが、許しを請うても許されない何かをしたんだろうね。過失で子供を死なせたとかかな? キリスト教的罪と罰の話をロシア正教でやると検閲に引っかかるから、アルメニアに託したのかな? 形式において民族主義的ならいいだろってことかも。

 最後には、もっと大がかりな仕掛け(島)まで作り出して、人間側がもっとも欲しがってる「許し」を与え、自分から逃げていかないように捉えちゃうんだもん、「ITイット)」のペニーワイズとあんまし変わらん。まぁ、補食シーンはないし、「食うんだろうナー」と思っちゃうあたりがホラー見過ぎな人間の妄想なんだけどね。

 でもさ、食わないにしても興味を持った人間が逃げないように虜にしておくんだから、十分ホラーだと思うんだけどなぁ?

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2018年2月 8日 (木)

映画「フューリアス 双剣の戦士」

フューリアス 双剣の戦士 [DVD]

Furius

2017年ロシア
監督:ジャニク・ファイジエフ/イヴァン・シュルホヴェツキー
キャスト:
エフパーチー・コロヴラート…イリヤー・マラコフ
バトゥ=ハン…アレクサンドル・ツォイ
カルクン…小アレクサンドル・イリイン
ラーダ…ユリヤ・フルィニナ
ナースチャ…ポリーナ・チェルヌィショーヴァ
リャザン公ユーリィ…アレクセイ・セレブリャコフ
ネストル…アレクセイ・ヴェルトコフ
スブダイ…ダウレト・アブドィガパロフ

 こっわ~。
 バトゥ恐わわわ。怒らせちゃいかんヤツを怒らせちまった感がよく出てる。……って喜んでいる場合じゃないわ!
 スブダイ(スベエテイ)には思い入れがあるのでちょっとかわいそうだったなぁ。最初に出てきたところでいやな予感はしてたんだ。だって最初の場面で主人公を殺しかけるってある意味高々と掲げられたフラグじゃん!(演じている役者さんは、「オルド」や「マルコ・ポーロ」「レッド・ウォリアー」「ダイダロス 希望の大地」にも出ているらしい……もう一度見てみるか)。

 バトゥは黄龍の刺繍されたガウンを引っかけてると皇帝みたいだよ。または、映画「300〈スリーハンドレッド〉」のペルシャ皇帝・クセルクセス?
 やっぱり、すごく偉そうなんだよね。何で偉そうなんだろうかね。大ハーンじゃないのに、大ハーンより威張ってそう。

 でも、トレーラーやパンフにあるアオリの「極悪非道で知られる」って感じじゃなかった。

 ステレオタイプで描かれるモンゴルのハーンのように、酒食にふけってるわけでもなし。マンジャニーク(投石機=catapult)の模型を使って戦術でも研究してるのか書き物してたり、お忍びで軍団内の様子を見て回ってたり、戦争に真摯に取り組んでいるように見えた!
 「マルコ・ポーロ」のフビライよりよほどストイックだよ。それに、あのアメリカのドラマのように「皇帝がそんなことするか?」ってなことはしないから、ある意味ホッとした。アメリカ人には、「皇帝」についての皮膚感覚がないのかもねぇ。

……とバトゥの事ばっかり書いて、感想が終わってしまった。

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 リャザン公国のユーリィ公(クニャージ)の守備隊長、コロブラートは13歳の時、モンゴルの部隊に遭遇して殺されかけ、命は助かったものの記憶に障害が残っている。いったん眠ると、13歳の時まで記憶が戻ってしまうのだ。

 1237年の冬、バトゥ率いるモンゴルの軍勢がリャザンに接近しているとの報を受ける。リャザンはどう対応するか迫られる。戦争か降伏か。交渉の余地があるかどうかを探るため、ユーリィ公は息子フョードルを使者としてバトゥの本営に遣ることにした。その護衛には、最強の戦士コロブラートを付けた。しかし、この一行、フョードルはじめ、みな血の気が多い。バトゥと交渉するどころか、喧嘩を売ってしまい、乱闘の中でフョードルは殺されてしまう。

 生き残った者たちは、ロシア人もびっくりの猛吹雪に遭遇。隠遁している聖者ネストルと大熊の導きでなんとか彼の洞窟に避難することができた。吹雪が過ぎるのを待って帰り着いてみると、リャザンは完全に破壊し尽くされた後だった……。

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 「ロシア人は大砲を偏愛している」なんて言われるけど、カタパルトで砲撃しまくるシーンが多いこの映画を見ると納得せざるを得ない(笑)。

 ラストシーンはわかりにくかったけど、5年後って言ってたから、アレクサンドル・ネフスキーの「氷上の戦い」だな。ドイツ騎士団を前にしてコロヴラートを回想して
「あの時は……」
って言ってるんだよね。なぜかモンゴルにはやられたけど、ドイツには勝つ!って〆になるパターンが多いような気がする。不思議に思ってたけど、モンゴルとの戦いは内政問題だととらえられているからなんだろうか。まぁね、今やロシアの国防相もトゥバ人(旧称ウリャンハイ)なことだし……。

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2018年2月 6日 (火)

映画「ザ・ウェイブ」

「ザ・ウェイブ」オフィシャルトレーラー

2015年ノルウェイ
監督:ローアル・ユートハウグ
キャスト:
クリスティアン・エイキョルド…クリストッフェル・ヨーネル
イドゥン・カールセン…アーネ・ダール・トルプ
ソンドレ…ヨナス・ホッフ・オフテブロ
ユリア…イディス・ハーゲンラッド=サンデ
アルヴィド・オヴェルボ…フリチョフ・ソーハイム
マーゴット・ヴァルダイ…ライラ・グッデイ

 ノルウェイのフィヨルドは相変わらず美しい。
 でも、U字型にえぐれた地形は、確かに、崩落したら即海だ。切り立った山を真っ二つに引き割くかのように稜線に走るクラックが恐ろしい。山半分の土砂が一気にフィヨルドになだれ込んだら……。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 ノルウェイには、崩落の危険性がある山が300ある。そんな山の一つがある、ガイランゲル(ノルウェイに実在する村)の観測所に勤めていたクリスティアンは、石油会社に転職することになった。

 ところが、観測所へ行く最後の日に、気になる地下水の変化が観測された。
 クリスティアンの家族……妻のイドゥンと息子ソンドレ、娘のユリアは今の家に愛着がある。それなのに、引っ越しの荷造りは彼ら任せ。あの観測結果がどうしても気になって、クリスティアンは上の空だ。結局、観測所に舞い戻って(子供たちを放り出して!)アルヴィドやマーゴットたち同僚に危険をまくし立てる始末。

 アルヴィドたちになだめられ、子供たちのもとに戻ったものの、子供たちは待ちくたびれて母の勤めるホテルに行ってしまっていた。ますます、イドゥンと険悪になるクリスティアン。
 その日は出発できずに、もう一日ガイランゲルに留まることになったのだが、その晩、遂に山が崩落する……。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 クラックの観測は今も行われているそうだし、まだ起こっていない津波だけれど、これこそ本当の「実話に基づく」映画だよな。
 泡だち逆巻く津波が恐ろしい。土砂が「流れ込む」なんてもんじゃない。バケツをひっくり返したようとはまさにあのこと。落ち込んだ土砂あのまんまが滝のような壁になって押し寄せてくる。津波に魅入られたようにマリアが立ち尽くしているのは、ディザスター映画のお約束で、画面のこっちから見ていると、
「ばかばかぁ、見てる暇あるか! 逃げろぉ!」
とイライラするけど、ああなっちゃうのはわかるなぁ。自分もそうなるかもしれんし。あんなの目の前に来たら足がすくむ。

 しかし、警報が鳴ってから10分じゃ、逃げる暇ないんじゃないの?
 この映画みたいに警報聞いて何だろうと外へ出てみたり、ホテルの客室を回って全員を起こしてたり、ぐずぐず言う客と口論してたりしたら、その間にバス手配して急いで乗って避難しても、出発するまでに10分くらいかかっちゃうよね?
 聞いた瞬間に脊髄反射で走り出せたとしても、海抜80mまでなめる津波だよ? きつくないか?

 あの気の毒な夫婦は、同情とか義侠心とか、平時の道徳なんてかなぐり捨てて逃げろ、という教訓なのかもしれないな。まさに「津波てんでんこ」。

 山が崩れて津波、というのはノルウェイの人たちにとっては、最も身近に迫った災害に感じられるんだろうか。チケットの売り上げは80万枚を越え、これはノルウェイ国民の6人に1人がこの映画を見た計算になるんだとか。

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2018年2月 1日 (木)

ドラマ「マンハント: ユナボマー」

ドラマ「マンハント: ユナボマー」オフィシャルトレーラー

2017年アメリカ
原作・製作:アンドリュー・ソドロスキー/ジム・クレメンテ/トニー・ギッテルソン
キャスト:
ジム・フィッツジェラルド(フィッツ)…サム・ワーシントン
テッド・カジンスキー(ユナボマー)…ポール・ベタニー
スタン・コール…ジェレミー・ボブ
フランク・マカルパイン…ブライアン・F・オバーン
ドン・アッカーマン…クリス・ノース
ナタリー…リン・コリンズ
デーヴィッド・カジンスキー…マーク・デュプラス

 いやはや、ユナボマーの事件が担当したプロファイラーが精神汚染(エヴァンゲリオン的に言えば)されちゃうようなケースだったとは知らなかったなー。何年も捕まらない爆弾魔、捕まえたら解決のように思ってたけど、終わりじゃなかった。プロファイラーの方が壊れちゃってる所から始まるんだからびっくりよ。
 しかも、ユナボマーのあの似顔絵は印象的だったから、覚えているけど、それが「歪められた」というか、記憶のイタズラの産物で犯人とは似ていなかったとは。


これ。似てないんだってよ。

 それにしても、フィッツのユナボマーへの執着は異常だよね。特にテッドの手紙を内緒で見せてもらったあたりの興奮ぶりにはどん引き。
 この辺で、子供を放り出して妻に見捨てられ、せっかく力を貸してくれた同僚をクビ(降格?)に追い込み、デーヴィッドの家に強引に押しかける。ユナボマーの文章を読みすぎてその気持ちにより添いすぎている匂いもする。
 ここのフィッツの暴走が裁判の鍵になり、フィッツが冒頭で森の中に一人でいる理由にも繋がるから、ことさらに印象的にという演出なんだろうが、まじイッチャッタ人みたいで怖い。

 このドラマで興味深かったのは、言葉が犯人特定に重要な役割を演じた初めてのケースだったというところ。「個人言語」とか言ってたかな? 個人によって使う単語や単語の並べ方、綴りの間違いのクセ、文章の書式などなどを分析して、指紋のように個人の刻印をあぶり出すっていうの。経験的には、「あの人の書いたもんだ」って文章の癖はわかるけど、それを犯罪捜査に使って犯人を見つけ出すには、刑事の「勘」では証拠にならないからねぇ。
 今だと、FBIとかNSAあたりでコンピューターで瞬時に分析してそう。

 この手法を歴史的文献に使ったら、『集史』イスタンブル写本のテヘラン写本より増補されているところが、ラシード本人の物かどうかわかるんじゃない?とか思ったりして。でも、『集史』自体が何人かで書いたんだろうから、無理なのかな。とりあえず、FBIとかで使ってるコンピューターにかけてどんな答えが出るか見てみたいもんだ。

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 1995年のユナボマー逮捕時と1997年の裁判時の二つの時間が交互に進む。
 1995年、6年間活動を停止していてもう死んだと思われていた連続爆弾魔・通称ユナボマーが再び爆弾を送り始めた。17年間にも渡って爆弾を大学(UNiversity)や航空会社(Airline)に送りつけていたのでユナボマーという名が付いた。全く進展しない捜査に、新しい視点をとり入れようと年はいっているけど新人のプロファイラー・フィッツジェラルド(フィッツ)が配属されてきた。

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 最後は、テッドが哀れに思えるくらいだったから、あの判決は正解なんだろう。死刑にしろってむやみに言う輩がいるけど、テッドの場合は死刑より酷い刑だってのがわかる。死刑にならないって気付いて自殺しようとするくらい嫌ってた刑だもん、これなら被害者も納得だと思う。
 テッドは世間に変人扱いされてても、子供の頃から好きだった森の中の小屋で、例の声明文の理想通りの生活をしていた。ある意味、彼が新聞掲載させた論文(?)の理想通りの生活ができていたんだから。テッドは「こんなはずじゃなかった」って言ってるけど、充分理想の隠遁生活に見えるんだけど? 自然の中の暮らしはむしろうらやましいくらい。それほど恨みが深くて爆弾を送らずにはいられなかったって事だろうけどねぇ。

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