2018年2月 8日 (木)

映画「フューリアス 双剣の戦士」

フューリアス 双剣の戦士 [DVD]

Furius

2017年ロシア
監督:ジャニク・ファイジエフ/イヴァン・シュルホヴェツキー
キャスト:
エフパーチー・コロヴラート…イリヤー・マラコフ
バトゥ=ハン…アレクサンドル・ツォイ
カルクン…小アレクサンドル・イリイン
ラーダ…ユリヤ・フルィニナ
ナースチャ…ポリーナ・チェルヌィショーヴァ
リャザン公ユーリィ…アレクセイ・セレブリャコフ
ネストル…アレクセイ・ヴェルトコフ
スブダイ…ダウレト・アブドィガパロフ

 こっわ~。
 バトゥ恐わわわ。怒らせちゃいかんヤツを怒らせちまった感がよく出てる。……って喜んでいる場合じゃないわ!
 スブダイ(スベエテイ)には思い入れがあるのでちょっとかわいそうだったなぁ。最初に出てきたところでいやな予感はしてたんだ。だって最初の場面で主人公を殺しかけるってある意味高々と掲げられたフラグじゃん!(演じている役者さんは、「オルド」や「マルコ・ポーロ」「レッド・ウォリアー」「ダイダロス 希望の大地」にも出ているらしい……もう一度見てみるか)。

 バトゥは黄龍の刺繍されたガウンを引っかけてると皇帝みたいだよ。または、映画「300〈スリーハンドレッド〉」のペルシャ皇帝・クセルクセス?
 やっぱり、すごく偉そうなんだよね。何で偉そうなんだろうかね。大ハーンじゃないのに、大ハーンより威張ってそう。

 でも、トレーラーやパンフにあるアオリの「極悪非道で知られる」って感じじゃなかった。

 ステレオタイプで描かれるモンゴルのハーンのように、酒食にふけってるわけでもなし。マンジャニーク(投石機=catapult)の模型を使って戦術でも研究してるのか書き物してたり、お忍びで軍団内の様子を見て回ってたり、戦争に真摯に取り組んでいるように見えた!
 「マルコ・ポーロ」のフビライよりよほどストイックだよ。それに、あのアメリカのドラマのように「皇帝がそんなことするか?」ってなことはしないから、ある意味ホッとした。アメリカ人には、「皇帝」についての皮膚感覚がないのかもねぇ。

……とバトゥの事ばっかり書いて、感想が終わってしまった。

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

 リャザン公国のユーリィ公(クニャージ)の守備隊長、コロブラートは13歳の時、モンゴルの部隊に遭遇して殺されかけ、命は助かったものの記憶に障害が残っている。いったん眠ると、13歳の時まで記憶が戻ってしまうのだ。

 1237年の冬、バトゥ率いるモンゴルの軍勢がリャザンに接近しているとの報を受ける。リャザンはどう対応するか迫られる。戦争か降伏か。交渉の余地があるかどうかを探るため、ユーリィ公は息子フョードルを使者としてバトゥの本営に遣ることにした。その護衛には、最強の戦士コロブラートを付けた。しかし、この一行、フョードルはじめ、みな血の気が多い。バトゥと交渉するどころか、喧嘩を売ってしまい、乱闘の中でフョードルは殺されてしまう。

 生き残った者たちは、ロシア人もびっくりの猛吹雪に遭遇。隠遁している聖者ネストルと大熊の導きでなんとか彼の洞窟に避難することができた。吹雪が過ぎるのを待って帰り着いてみると、リャザンは完全に破壊し尽くされた後だった……。

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

 「ロシア人は大砲を偏愛している」なんて言われるけど、カタパルトで砲撃しまくるシーンが多いこの映画を見ると納得せざるを得ない(笑)。

 ラストシーンはわかりにくかったけど、5年後って言ってたから、アレクサンドル・ネフスキーの「氷上の戦い」だな。ドイツ騎士団を前にしてコロヴラートを回想して
「あの時は……」
って言ってるんだよね。なぜかモンゴルにはやられたけど、ドイツには勝つ!って〆になるパターンが多いような気がする。不思議に思ってたけど、モンゴルとの戦いは内政問題だととらえられているからなんだろうか。まぁね、今やロシアの国防相もトゥバ人(旧称ウリャンハイ)なことだし……。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年2月 6日 (火)

映画「ザ・ウェイブ」

「ザ・ウェイブ」オフィシャルトレーラー

2015年ノルウェイ
監督:ローアル・ユートハウグ
キャスト:
クリスティアン・エイキョルド…クリストッフェル・ヨーネル
イドゥン・カールセン…アーネ・ダール・トルプ
ソンドレ…ヨナス・ホッフ・オフテブロ
ユリア…イディス・ハーゲンラッド=サンデ
アルヴィド・オヴェルボ…フリチョフ・ソーハイム
マーゴット・ヴァルダイ…ライラ・グッデイ

 ノルウェイのフィヨルドは相変わらず美しい。
 でも、U字型にえぐれた地形は、確かに、崩落したら即海だ。切り立った山を真っ二つに引き割くかのように稜線に走るクラックが恐ろしい。山半分の土砂が一気にフィヨルドになだれ込んだら……。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 ノルウェイには、崩落の危険性がある山が300ある。そんな山の一つがある、ガイランゲル(ノルウェイに実在する村)の観測所に勤めていたクリスティアンは、石油会社に転職することになった。

 ところが、観測所へ行く最後の日に、気になる地下水の変化が観測された。
 クリスティアンの家族……妻のイドゥンと息子ソンドレ、娘のユリアは今の家に愛着がある。それなのに、引っ越しの荷造りは彼ら任せ。あの観測結果がどうしても気になって、クリスティアンは上の空だ。結局、観測所に舞い戻って(子供たちを放り出して!)アルヴィドやマーゴットたち同僚に危険をまくし立てる始末。

 アルヴィドたちになだめられ、子供たちのもとに戻ったものの、子供たちは待ちくたびれて母の勤めるホテルに行ってしまっていた。ますます、イドゥンと険悪になるクリスティアン。
 その日は出発できずに、もう一日ガイランゲルに留まることになったのだが、その晩、遂に山が崩落する……。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 クラックの観測は今も行われているそうだし、まだ起こっていない津波だけれど、これこそ本当の「実話に基づく」映画だよな。
 泡だち逆巻く津波が恐ろしい。土砂が「流れ込む」なんてもんじゃない。バケツをひっくり返したようとはまさにあのこと。落ち込んだ土砂あのまんまが滝のような壁になって押し寄せてくる。津波に魅入られたようにマリアが立ち尽くしているのは、ディザスター映画のお約束で、画面のこっちから見ていると、
「ばかばかぁ、見てる暇あるか! 逃げろぉ!」
とイライラするけど、ああなっちゃうのはわかるなぁ。自分もそうなるかもしれんし。あんなの目の前に来たら足がすくむ。

 しかし、警報が鳴ってから10分じゃ、逃げる暇ないんじゃないの?
 この映画みたいに警報聞いて何だろうと外へ出てみたり、ホテルの客室を回って全員を起こしてたり、ぐずぐず言う客と口論してたりしたら、その間にバス手配して急いで乗って避難しても、出発するまでに10分くらいかかっちゃうよね?
 聞いた瞬間に脊髄反射で走り出せたとしても、海抜80mまでなめる津波だよ? きつくないか?

 あの気の毒な夫婦は、同情とか義侠心とか、平時の道徳なんてかなぐり捨てて逃げろ、という教訓なのかもしれないな。まさに「津波てんでんこ」。

 山が崩れて津波、というのはノルウェイの人たちにとっては、最も身近に迫った災害に感じられるんだろうか。チケットの売り上げは80万枚を越え、これはノルウェイ国民の6人に1人がこの映画を見た計算になるんだとか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月 1日 (木)

ドラマ「マンハント: ユナボマー」

ドラマ「マンハント: ユナボマー」オフィシャルトレーラー

2017年アメリカ
原作・製作:アンドリュー・ソドロスキー/ジム・クレメンテ/トニー・ギッテルソン
キャスト:
ジム・フィッツジェラルド(フィッツ)…サム・ワーシントン
テッド・カジンスキー(ユナボマー)…ポール・ベタニー
スタン・コール…ジェレミー・ボブ
フランク・マカルパイン…ブライアン・F・オバーン
ドン・アッカーマン…クリス・ノース
ナタリー…リン・コリンズ
デーヴィッド・カジンスキー…マーク・デュプラス

 いやはや、ユナボマーの事件が担当したプロファイラーが精神汚染(エヴァンゲリオン的に言えば)されちゃうようなケースだったとは知らなかったなー。何年も捕まらない爆弾魔、捕まえたら解決のように思ってたけど、終わりじゃなかった。プロファイラーの方が壊れちゃってる所から始まるんだからびっくりよ。
 しかも、ユナボマーのあの似顔絵は印象的だったから、覚えているけど、それが「歪められた」というか、記憶のイタズラの産物で犯人とは似ていなかったとは。


これ。似てないんだってよ。

 それにしても、フィッツのユナボマーへの執着は異常だよね。特にテッドの手紙を内緒で見せてもらったあたりの興奮ぶりにはどん引き。
 この辺で、子供を放り出して妻に見捨てられ、せっかく力を貸してくれた同僚をクビ(降格?)に追い込み、デーヴィッドの家に強引に押しかける。ユナボマーの文章を読みすぎてその気持ちにより添いすぎている匂いもする。
 ここのフィッツの暴走が裁判の鍵になり、フィッツが冒頭で森の中に一人でいる理由にも繋がるから、ことさらに印象的にという演出なんだろうが、まじイッチャッタ人みたいで怖い。

 このドラマで興味深かったのは、言葉が犯人特定に重要な役割を演じた初めてのケースだったというところ。「個人言語」とか言ってたかな? 個人によって使う単語や単語の並べ方、綴りの間違いのクセ、文章の書式などなどを分析して、指紋のように個人の刻印をあぶり出すっていうの。経験的には、「あの人の書いたもんだ」って文章の癖はわかるけど、それを犯罪捜査に使って犯人を見つけ出すには、刑事の「勘」では証拠にならないからねぇ。
 今だと、FBIとかNSAあたりでコンピューターで瞬時に分析してそう。

 この手法を歴史的文献に使ったら、『集史』イスタンブル写本のテヘラン写本より増補されているところが、ラシード本人の物かどうかわかるんじゃない?とか思ったりして。でも、『集史』自体が何人かで書いたんだろうから、無理なのかな。とりあえず、FBIとかで使ってるコンピューターにかけてどんな答えが出るか見てみたいもんだ。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 1995年のユナボマー逮捕時と1997年の裁判時の二つの時間が交互に進む。
 1995年、6年間活動を停止していてもう死んだと思われていた連続爆弾魔・通称ユナボマーが再び爆弾を送り始めた。17年間にも渡って爆弾を大学(UNiversity)や航空会社(Airline)に送りつけていたのでユナボマーという名が付いた。全く進展しない捜査に、新しい視点をとり入れようと年はいっているけど新人のプロファイラー・フィッツジェラルド(フィッツ)が配属されてきた。

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

 最後は、テッドが哀れに思えるくらいだったから、あの判決は正解なんだろう。死刑にしろってむやみに言う輩がいるけど、テッドの場合は死刑より酷い刑だってのがわかる。死刑にならないって気付いて自殺しようとするくらい嫌ってた刑だもん、これなら被害者も納得だと思う。
 テッドは世間に変人扱いされてても、子供の頃から好きだった森の中の小屋で、例の声明文の理想通りの生活をしていた。ある意味、彼が新聞掲載させた論文(?)の理想通りの生活ができていたんだから。テッドは「こんなはずじゃなかった」って言ってるけど、充分理想の隠遁生活に見えるんだけど? 自然の中の暮らしはむしろうらやましいくらい。それほど恨みが深くて爆弾を送らずにはいられなかったって事だろうけどねぇ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月23日 (火)

ハザールの「旧約的」歴史観は『集史』に影響を与えたのだろうか?

 ふぅ、ようやく『集史』の総序に当たる部分の翻訳できた。

 今かよ! おせーよ! 冬コミ間に合わなかったじゃん!……というツッコミは自分でしとくとして。

 なんか、まだ、「???」って箇所があるんだけどねぇ。とりあえずは出来た!!!

 あんまりぐだぐだやっててもしかたないんで、なんとか『モンゴル史』「部族編1」の改訂にくっつけて夏までには出したいもんだ。なぜか「部族篇1」が一番出るんだよなぁ。なんで?

01hana1
千葉県花なので(?)もう咲いてるよん

「部族編1」は、イスラム教的世界史の中に、モンゴルをどうやって位置づけるかってことでオグズ説話が出てくる章だ。

 なので、『集史』にも言及している『普遍史の変貌―ペルシア語文化圏における形成と展開―』を読み始めた。

 ところで最近、別件でハザール可汗国のことを調べていて、ハザールの可汗ヨセフがアンダルス(後ウマイヤ朝)のハスダイに出した返書をじっくり読んだ。そしたら、ヨセフが物語るハザールの位置づけが「部族篇1」に出てるオグズの位置づけによく似てるじゃあーりませんか!

 ハザールはオグズじゃないしムスリムでもないから、オグズ説話は出てこないんだけど、ハザール族の祖とされるハザールを、やはりノアの子ヤペテの曾孫の位置に入れているんだよね。オグズ(グズ)とも兄弟になってるし、よく似てるなーと思って。ひょっとして、ハザールの歴史観が『集史』に継承されているんじゃね?

01umi1
ハザールの海……ではない

 ラシードも、参考にした書物にユダヤの五書を挙げてるから、元ネタは同じなのかもしれない。そもそも、ラシードはユダヤの書物に詳しいかもしれないし。それにしても似た感じがするんだよなぁ。『王書』だと、テュルクの祖はフェリドゥーンの息子から出てるはずだから、全然ペルシャ的ではなさそう。

「普遍史」にテュルクを組み込む試みってのは、イスラム世界の世界観に先行して、ハザールのユダヤ教的世界観があったのかもしれないなー、なんて考えたりして。

『普遍史の変貌』には、その辺、書いてあるかなー? 目を皿のようにして読みますぞー。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月 5日 (金)

バトゥの映画が来るー! 今年の「未体験ゾーンの映画たち」は見どころいっぱい

今年の「未体験ゾーンの映画たち」はなんかすごい!

草原者としては何と言っても「フューリアス 双剣の戦士」でしょう!

バトゥが出てきますよ!

しかし、説明文の「13世紀半ば、悪逆非道な暴君として知られる総司令官バトゥ率いる強大なモンゴル軍の……」にはフイター!

いやいや、一応、「サイン(良い)ハン」って呼ばれてるんですが、バトゥ……。

(先日のコミケでお隣のS-MIXさんと、「バトゥって大魔王……」って話し合っていたのはヒミツ。)

歴史モノでは、以前、ここでも紹介した「バイキング 誇り高き戦士たち」がロシア・リューリク朝時代の歴史モノ。

これも捨てがたいけど、なんとなく「アレクサンドル~ネヴァ大戦~」に似た匂いがするので、一つ選ばなければならないのなら、やっぱり「双剣の……」の方を選びたいですね。

あとは、ツィオルコフスキーやコロリョフのことを調べたところなので、「サリュート7」も捨てがたいです。

ワールドカップ効果ですかね? ロシア映画3本とは超豪華で目移りしちゃう!

歴史モノとしては、明時代の倭寇の話「ゴッド・オブ・ウォー」、ハンガリーの映画ですが、第二次世界大戦ものの「ウォーキング・ウィズ・エネミー / ナチスになりすました男」なんかも金と暇があれば、劇場でみてみたいものですが……。


↑バトゥに興味ある人はここにも出てまっせ!(CM)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月 1日 (月)

あけましておめでとうございます

Akeome1

今年はもっとバリバリ書くぞー!!!

戌年なので犬画像を貼っておきますぞ……蠱毒の話だけど(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月31日 (日)

2017年最後のイベント

 今年は、突厥の新しい碑文が発見されたりして、突厥ものを盛り上げなくてはいけなかったのに、仕事に追われて何もできず……。

Comi

※コミケってこんな吹きっさらしでやってるんですよ。寒かったよ。

 『モンゴル史』部族篇1の改訂版を出そうと頑張っては見たものの間に合いませんでした。
 あと2ページ半だったんですが……。とはいえ、たぶんここがラシード序文の一番言いたいところのような気がする(今まで悪戦苦闘してきた箇所は美辞麗句を抜いたら要点は少なそうだけど)ので、夏までにはなんとかしたい……なんて考えているうちに、部族篇3も売り切れてしまいました。せっかく増刷するなら見直したいんですが……。

 でも、歴史の話できて良かったです。

Soba

 しかも、みんなと年越しそばも食べられて、すごく良い締めくくりになりました。来年もよろしくお願いします!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 8日 (金)

映画「ラスト・サマーウォーズ」

ラスト・サマーウォーズ [DVD]

2015年ロシア
監督:アレクセイ・ブィストリツキー
キャスト:
イヴァン・ザベーリン…ロマン・ポリャンスキー
アレクサンドル・アンドレーエフ…アレクサンドル・アレシキン
セルゲイ・マカロフ…ヴァレーリィ・オショムコフ
アリベルト・シーリン…デニス・ポポフ
秦彦三郎…ゲン・セト
オゾヒトシ…山本修夢
オゾの妻…中村しおん

 玉音放送の前後の満州国の話かー。この辺よく知らないので、どの程度史実に合っているかわからないんだよね。日本人はそんなに悪く描かれているわけではないが、時代考証がユルユルな気がする。横書きを左から右に書いてるとことか、オゾ(どんな字を当てるか不明)が
「中国人、韓国人、ロシア人、彼らは皆、日本人が大嫌いです!」
とか言ってるとことか。韓国ができたのは戦後だろ。でもまぁ、かなり頑張った。日本人役者がたくさん出てるからかな?

 あと、関東軍の戦車の張りぼて感がすごかったが、本当に張りぼてだったかもしれないしなー。
 この頃ソ連も日本もダグラス社製の飛行機を使ってて、形では見分けがつかないからハルビンまで飛行機で潜入するって作戦なんだけど、これ本当? 教えて!ぐのたの人!

 日本だとたぶんアウトなチャンコロとか台詞に入ってるのも、ロシア映画ならではかもな。当時の雰囲気を生々しく伝えるには、聞くに堪えない汚い言葉もバンバン入ってしかるべきだろう。映画と現実の見分けのつかないアホが日本人は大陸では、常に礼儀正しく振る舞ったとか勘違いしても困るし。

 それにしてもロシアの見方がわかってなかなかおもしろかった。日本側からの見方だと、日ソ不可侵条約を破ってソ連が一方的に侵攻って見方しかされてないけど、ドイツとの戦争が終わって故郷に帰れるって喜んでる兵士にしたら、やりたくない戦争だよなぁ。しかも、天皇が無条件降伏を受け入れるって放送したあとだし。ソ連的には、世界の共産主義の盟主だから、お上の決定に逆らって満州から絶対に撤退しない覚悟の(とソ連は見ている)日本の軍隊を駆逐して、中国の独立を助けなきゃならないわなぁ。もちろん、スターリン(最後にちょっと出てくる)の意図は別にあるにしてもだ。

☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;:*

 1944年にカレリア戦線で無意味な作戦で多くの部下を死なせたザベーリン。死んだと思ったマカロフとアンドレーエフはドイツ軍に捕まったあと逃げて生きていた。捕虜になったら敵国のスパイ扱いされていた時代。ドイツが降伏したあとも、彼らは名誉回復のために満州に来て死力を尽くす。これに嫌な上官や戦場で恋愛、裏切り、中国拳法ありのTVドラマっぽいストーリィ。原題は「勲章」。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 5日 (火)

ドキュメンタリー「ザ・スレッド」

「ザ・スレッド」オフィシャルトレーラー

2015年アメリカ
監督:グレッグ・バーカー

 2013年4月15日、ボストン、ボイルストン通り。
 多くの人が現場にいて、また、中継を通じて目撃したボストンマラソン爆弾テロ事件。
目撃しただけでなく、観客やマラソン参加者の多くが、スマートフォンなどであらゆる角度から爆発の一部始終を動画・写真に撮っていて、即座にインターネットに投稿した。

 既存のメディアが、おそらくウラ取りしていたからだろうが、「最新情報」がなかなか更新されない間に、当事者からの直の情報が続々と書き込まれるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に、多くの人のアクセスが殺到した。

 その中でも、翌日には犯人探しのスレッドの立ったことが確認されるソーシャル・ニュース・サイト、レディットでの出来事を中心に話が進むドキュメンタリー。

 レディットのスレには、既存のマスメディアよりも早く死傷者情報が流れていた。そんなことから、「既存のマスメディアの時代は終わった」と息巻くレディットの住人たちが、警察やマスメディアより先に犯人を見つけようと犯人探しに血眼になって、ネット探偵たちが自分たちの推理を顔写真、実名入りで書き込み、「犯人」と名指された人物(もちろん無関係)が、自殺死体で発見されるという最悪の結果に……。

:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

 なんだか日本でも見たような光景だよね、これ。

 既存のマスメディアを「マスゴミ」呼ばわりしてる連中が、しょっちゅう犯人探しして住所氏名晒す「魔女狩り」をやってるような気がする。つい最近も、ぜんぜん関係のない会社に嫌がらせ電話が掛かりまくって仕事にならないっていうニュースを聞いたばかり。まさにゲスの勘ぐり。このドキュメンタリーの中で、スレの管理人が
ここで容疑者にされた人々はほぼ確実に無実だ。無実の人間を犯罪者扱いするな。」
と警告してることが的中ってところ。まぁ、この事件は犯人扱いされた人物が、事件の起こった時には既に自殺していたってことだが、スレでの犯人捜しで自殺まで追い込まれる人だって出そうな勢いだ。どっちにしろ、この事件でも残された家族は二重に苦しめられたってことだもんな。実に無責任で酷い話だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 1日 (金)

映画「カリキュレーター」

カリキュレーター [DVD]

2014年ロシア
監督:
ドミートリィ・グラチェフ
キャスト:
エルヴィン・カン…エヴゲーニィ・ミロノフ
アンナ・クリスティーナ…アンナ・チポフスカヤ
ユスト・ボルグ…ヴィニー・ジョーンズ
マティアス…ニキータ・パンフィーロフ
大尉…キリル・コザコフ

 計算機っていうか、計算づくの男エルヴィンと、直感で彼について行く事に決めたクリスティーの逃避行。ロシアらしいブラックユーモアあふれるSF。飛行機?宇宙船?が折り紙っぽいツクリしてるところが目を引く。

 最後にネタバレ書いちゃうので、まだ見てない人はスクロールしないように(笑)。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 人類が宇宙に進出し、天の川銀河外の惑星にも移住するようになって千年。一応、人の住める惑星とされるXT-59惑星は、危険な生物がうじゃうじゃの沼に覆われている。そのため、人の住む都市は超管理社会で、人の職場や結婚まで全てシステムが決定している。
 そんな息苦しい社会に嫌気がさしたクリスティーナ(クリスティー)は、システムによって犯罪者と認定され、都市の外、沼を渡った300km先にある希望の島へ追放されることになってしまった。クリスティーは、これはむしろ自由になれるチャンスだと喜んだが、沼には人を食う動植物が満ち、「追放」は「死刑」にも等しい極刑だった。

 前科もあるワル、北極オオカミの二つ名を持つユストが、追放される人たちを仕切り、希望の島を目指そうとするが、クリスティーは一目見て自信たっぷりのエルヴィンに付いて行く事に決めた。
 実はエルヴィンは、システムにとって重要な人物だった。システムに反逆したので追放されたのだ……。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 ヴィニー・ジョーンズは旧ソ連諸国で人気あるのか? 前にカザフスタンの映画でも見たぞ。ロシア語は全然話せない割には主要人物でセリフ多いんだよな。というわけでアテレコになってる。ヴォイスオーバーじゃないところが今風か(笑)。

 自由のない超管理社会に反発して、苦労して苦労してその体制を倒しては見たものの、一新した社会は、以前より完璧に人間を管理するひどい体勢になっちゃったというお話。

 それって帝政ロシアからソ連へ、もしくはソ連から現在のロシアへの痛みを伴う変革を皮肉ってるんだろうな。ソ連時代のSFみたいだナ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«映画「13デイズ」