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2006年12月31日 (日)

映画「ヘブン・アンド・アース 天地英雄」

ヘブン・アンド・アース 天地英雄Heaven

2005年中国
監督:フー・ピン
キャスト:
来栖…中井貴一
李隊長…チアン・ウェン
文殊…ヴィッキー・チャオ

西暦700年。
大唐帝国が極盛期を迎えつつある時期。
西域の仏教国を制する力を持つ奇跡の霊物をめぐる男たちの戦いと友情の物語です。

……とはっきり時代を特定しているにもかかわらず、それほど歴史的事実を忠実になぞっているわけではないようです。
(以下、激しくネタばれ)

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2006年12月30日 (土)

映画「霊幻道士 キョンシー・マスター」

 大理でテレビを見ていたときに、5~10分くらいの細切れで変な流し方してた番組がずっと気になっていたのです。
 B級臭がプンプンするキョンシーもので、どうしてああいう放送の仕方をしてたのかわからないんですが、全体がみたくて見たくてしょうがなくなったものの、キョンシーものってものすごく多いからわからないだろうなぁ、と半ばあきらめてました。
 しかし、どうも「霊幻道士~キョンシー・マスター~」らしい、ということで見てみました。

 まず、オープニングからして「♪しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん(メロディーが)…」って「子連れ狼」じゃないっすか。歌詞が中国語なので、日本の歌と認識してないのかと一瞬思ったけどそんなことはなくて、この曲が日本語で歌われ、それを聴いた日本兵の亡霊がしんみりする、というシーンがあるので、向こうでも有名な曲なんでしょう。
…でも、戦死した日本兵はその歌知らんと思ふ(爆)。

 ツッコミどころはたくさんあります。いくつか例を挙げると。
○「キョンシーのおじさんを殺さないで!」<もう死んでるだろ。
○キョンシーや飛頭蛮が何で毒ガスで死ぬんだ。<もう死んでるってば。
…しかも人間は息を止めるだけで助かってるし(びらん性かもしれんのに)。

 キョンシー以外にもいろいろ妖怪の類が出てくるけれども、皆、純なところがあって(笑)、主に非道いヤツは生きてる人間の方。このあたり、意外と現実をふまえているかも?(笑)
 というわけで、いくつか目立つ妖怪(亡霊)を挙げます。(以下、ネタバレあり)

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2006年12月29日 (金)

映画「大統領のカウントダウン」

大統領のカウントダウン

2004年ロシア
監督: エヴゲー二ー・ラヴレンティエフ
キャスト:
アレクセイ・スモーリン…アレクセイ・マカロフ
キャサリン・ストーン…ルイーズ・ロンバード
ウマル・タミエフ…ヴャチェスラフ・ラズベガエフ

モスクワの町中を装甲車が爆走!
民警の車をバキンバキン踏み潰す!
(笑)
邦題に「大統領の…」と入っているが、プーチン大統領は出てこない。
その代わり、ベルルスコーニとおぼしきサミット開催国イタリアの首相が出てきて暴言を吐く。

国外に逃れているロシアの成金政治家が国際テロリストのアラブ人と結託してロシア政界への復帰をもくろむが、主人公スモーリンの活躍でアラブ人テロリストは皆殺しにされ、既にモスクワに向かっている(自作自演のため手際がよいのだ)その政治家の飛行機は行き場を無くす、といった裏のスジはどこかで見たような…? エアポート・シリーズだったかな? 後半が飛行機の中での格闘のせいか、エアポートシリーズによく似ている(気がする)。
チェチェン人は彼らに都合よく使われているだけ、真実に気づいてスモーリンとともにテロリストどもと戦う、というフォローが入っているのが実に小賢しい。でも、日曜の夜なんかにお気楽に見る(人によってはツッコミを入れつつ)には丁度良い娯楽超大作だと思う。

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2006年12月28日 (木)

映画「石の花 ウラル地方の物語」

石の花Ural

1946年ソ連
監督:アレクサンドル・プトゥシコ
キャスト:
ダニーラ…ウラジーミル・ドルージニコフ
銅山の女王…タマーラ・マカーロワ
カーチャ…E.ジェレーフシコワ

ソ連初の総天然色映画だそうだ。
ウラルの特産・孔雀石(マラカイト、銅鉱床から取れる)を細工する天才職人のダニーラは、職人としての技を極めたいと望む。そのためには年に一度花を咲かせるという「石の花」を見なければならないと願うあまり、銅山の女王に魅入られてしまい、カーチャとの結婚式をすっぽかして姿を消す。そして…。
…と、スジは単純だが、絵に色が付いたことを喜んで作ったような楽しい雰囲気が気持ちいい。
女王は最初、冠をかぶったトカゲの姿で現れ、銀鱗の輝く衣装を着ていて、竜王(女だけど)のようだ。
ま、直訳だと「銅山の主(ハジャーイカ メードナイ ガルィ)」だし、イ族などでは竜は山に棲んでるものだし、竜王と言っても間違いじゃあるまい(笑)。

最初の方のシーンで、マラカイト細工の名人の爺さんがペーチカの上で寝ていたり、ダニーラとカーチャの結婚式など、帝政時代のロシアの田舎の様子を目を皿のようにして見てしまった。カーチャの花嫁衣装の髪飾りって、「射鵰英雄伝」でコジン(チンギスの娘)がしてた髪飾りと同じじゃん。あーつながってるつながってる(笑)。


関連作品:
アレクサンドル・プトゥシコ監督の他の映画→「巨竜と魔王征服 イリヤ・ムーロメッツ」「妖婆 死棺の呪い」「虹の世界のサトコ」
ドルージニコフが出演している他の映画→「シベリヤ物語

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2006年12月27日 (水)

ドラマ「レッド・スナイパー ~独ソ最終決戦~」

2004年ロシア

監督ヴャチェスラフ・ニキフォロフ
キャスト:
オリガ…ヴィクトリヤ・トルストガノワ
マラホフ…アレクセイ・チャドフ
マリューチン…ヴラジーミル・ヤグルィチ

レッド・スナイパー ~独ソ最終決戦~(前編)(後編)

原題は「無名の高地にて」…といった感じだろうか。たぶん、最後の決戦が行われる89高地(丘だけど)って言ってる所のことを指してるんだろう。
「シベリヤ物語」よりむしろこっちの方が、知ってる歌が多かった。モスクワ放送のコールサインさえ懐かしい(←いつの時代の人か>じぶん)

邦題からすると、狙撃手のオリガが主人公のようにも見えるが、彼女とドイツ側のエースとの戦いは淡々としたもの。でもそれだけに、本当っぽいかな?と思わせる。
主人公はお調子者(笑)コーリャ。ロマの女に魔法を掛けられたので、絶対に死なないと言っている。戦場ではそう信じたくもなるだろう。
彼がおちゃらけているせいもあって、そんなに重苦しい雰囲気の話ではなくクスリと笑えるシーンも多いが、主要登場人物は最後にはほとんど死んでしまうのだ。本当に自分の命が危険に晒された時の人間の行動は、むしろ滑稽になるのかもしれないと思うと、顔で笑って心で涙、といったところか。

関連作品:
ヴィクトリヤ・トルストガノワが出演している他の作品→「レッド・ガントレット」「シティ・コネクション」「カミカゼ日記」
アレクセイ・チャドフが出演している他の作品→「チェチェン・ウォー
ソ連崩壊後に作られた戦争映画→「東部戦線1944

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2006年12月26日 (火)

映画「シベリヤ物語」【完全版】

シベリヤ物語Siberia

1947年ソ連
監督:イワン・プィリエフ
キャスト:
アンドレイ…ウラジーミル・ドルージニコフ
ナターシャ…マリナ・ラディーニナ

先の大戦での負傷のためにピアニストになることを断念した青年アンドレイ。故郷のシベリアでみんなに求められてアコーディオンを演奏するうちに自分の音楽とはなにかをつかんでいく。

ミュージカルのような感じのラブコメで、アンドレイがアコーディオンを弾き、シベリアの歌を歌うと、その場の人々が自然に唱和してくる。これが歌声喫茶のもとになっているのか、と感心したが、知ってる歌は全然無かった。
…いや、そもそも歌声喫茶を知らなかった(笑)。

都会の洗練されたクラシックよりもシベリアの人々に愛される歌をってのがいかにも社会主義国に好まれそうな展開だが、別にこれは社会主義国に限ったことでなく、いつの時代にも通じる話だろう。字幕の「餃子(ペリメニ)」「密林(タイガ)」「ソ同盟(ソ連邦)」といった訳語に時代を感じる。工場の煙突から黒煙がもくもくって様子が誇らしげに映されているのも現代から見ると違和感があるなぁ。

ま、それはそれで味なので良いけど、シベリアっ子はイェルマクの子孫かよ~。
我々、征服されちゃってるぞ(笑)!
しかも念の入ったことに、イェルマクがシベリアに侵攻する戦闘シーンがで再現されてるし!
なんだかちょっとおもしろくないぞ~(笑)。


関連作品:
ウラジーミル・ドルージニコフ出演「石の花 ウラル地方の話

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