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2007年1月23日 (火)

映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」

Kindzadza不思議惑星キン・ザ・ザ

1986年ソ連
監督:ゲオルギー・ダネリヤ
キャスト:
ウラジーミル・マシコフ…スタニスラフ・リュプシン
ゲデバン・アレクシジ…レヴァン・ガブリアゼ
ビー…ユーリィ・ヤコブレフ
ウエフ…エヴゲーニィ・レオーノフ


全連邦が泣いた!?
見終わって「人間って捨てたもんじゃないな…。」と思える?
感動のハートウォーミング・ストーリー!?!(←まじ?)。


夕方、帰宅してきたマシコフ氏。修理の仕事が入ったので再び出かけようとすると奥さんに
「パン買ってきて。マカロニ買ってきて。」
等と頼まれるようなごく普通の一家の大黒柱だ。
モスクワは秋だろうか。外は日が沈んで街灯がともり始めた頃。
駅に向かう途中、見知らぬ音大生に声をかけられる。
「す、すみません。あそこに自分は異星人だと言う人が…。」
「通報しろ。」
ごもっとも(笑)。
でも裸足だし寒そうでかわいそうだからと言うことで話を聞くことに。
自称異星人は、やや汚い格好の普通の人。しかもロシア語しゃべってるし。それなのに、
「この星のクロス番号を教えてくれ。スパイラル番号を教えてくれ。」
などと訳のわからないこと言うし、靴下を貸せば片方だけとるし、本格的にオカシイ人らしいぞ、と二人とも確信する。
なので、自称異星人が自分の言っていることを信じさせようと、瞬間移動装置と称するモノを取り出すしても全然信じないでスイッチを押す…。

は???

一瞬にして背景が真っ白になってる!
作者が手を抜いて背景を書かなかったか?(←マンガと違う)。
二人は、砂漠にいた。

「落ち着け、落ち着け…ここはきっとカラクムだ!」
他にどんな砂漠があったっけ、と尋ねるマシコフ氏に学生(ゲデバン君。グルジア人)は答えて、
「ゴビとかサハラとか…。」
「違う、きっと国内だ。…カラクムにしとこう!」
国内とか国外とかそういう問題じゃねええええ!(爆)

(ネタバレ大あり。「んー? 見てみるかな?」と思った人は読んではいけません。)

Linew



しっかし、めちゃめちゃ砂漠だよ。どうすんの。
ここはカラクム、ということにして、適当にアシガバードと決めた(勘で)方向にずんずん歩くが、本当にどこまで行っても砂。いやいや、本当の地球上の砂漠でも、そういうでたらめな歩き方したら遭難だよ。
すっかり疲れた二人がぐったりしていると、遠くの空に何か点が。
ぎぃこばたっ、ぎぃこばたっと工場っぽい音を立てて謎の飛行物体がすすーっと近づいてきて着陸。
UFO?とビビリつつも、砂漠でひからびるよりはまし。こうなったら、アブダクションでもインプラントでもどーんと来ーい!

くたびれた感じの釣り鐘型飛行物体のドアが開いて中からおじさんが二人出てくる。
そして両手を広げて膝の運動。(DVDのジャケットになっている格好ね)
「クー!」
ななな、なんじゃそりゃあ(笑)。


(これから見る人は、本当に絶対にこの先読んじゃダメだって。)

宇宙を舞台にしたコメディ(?)。ジョージアン・ジョークがじわっとくる(監督、脚本ともにグルジア人)。
セリフが「クー」だけなのかと心配(期待?)してたけど、ちゃんとロシア語話してた。
思考を解読するには時間がかかるから、最初はロシア語を話せなかったんだそうな。思考が読めるから、言葉は「クー」「キュー」くらいで足りるってことかもしれない。
「思考が読めるんなら、オレの思考を読め。」
「…今頃地球じゃ女房は#$!%#’…。」
「そんなに深くを読むんじゃねええええ!」(ベキッ)
…いやいや、マシコフ氏はそんなお下品な言葉遣いじゃありませんが(笑)。

クーな挨拶といい、鼻に鈴(ツァークという)を付けたり、エツィロップ(えらい人)の頭の上にサイレン灯が回転していたり、格好だけでもナニソレな世界。
でも、地球人から見ると恥ずかしいくらいアホらしいこれらの風俗も、キン・ザ・ザの人にとってはごく普通の生活習慣。郷に入っては郷に従えで、マシコフ氏もゲデバン君も「クー」と挨拶するのもだんだんさまになってくるのだった。果てしない砂漠(この星には海がない)でも二人の地球人はたくましく生きていくのであった…。

…いやいやそれで終わってはいかぁん!
特にマシコフ氏には、地球に女房と「クソガキ」がいるんだし。
ゲデバン君は帰った時の事が心配で、それプラス功名心から、異星にいた証拠として常に何かをくすねようとしてますが(笑)。
自動車並みに飛行物体が普及していて、星間移動も比較的簡単にできる(装置は高価だが)科学力があるとはいえ、なんだか場末の星っぽいので、どうも帰れる気がしない。大丈夫か~。

しかも、最初にこの星であった人・ウエフとビーは、全然頼りにならない連中なのだ。
金も権力もない旅回りの芸人なので、これが精一杯ともいえるが、面倒に巻き込まれるのが嫌ですぐ逃げてしまう。
それでも、マシコフ氏は責任を感じて、地球に帰る機会をふいにしてまで、彼らを助けようとする。もっとも、その誠意も通じているのかいないのかよくわからない。全くしようのないヤツらだと言いながらも、最後までマシコフ氏は彼らを庇う。

Linew



ネタバレついでに言ってしまうと、最後は地球に戻る事ができ、キン・ザ・ザでの出来事はなかったのかとさえ思えるのだが、駅に行く途中でマシコフ氏はゲデバン君と出会う。何事もなかったかのようにすれ違いながらも、マシコフ氏はゲデバン君に思い切って挨拶してみる。
「クー!」
うわっ、モスクワの町中でなんつうマヌケな格好…。でも、返事が返ってきたよ。
「クー!」
夢ではなかったんだね。最初、見たときは馬鹿かと思えたクーが、最後には、見てただけのこっちまで懐かしく、暖かく感じられるのだ。

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コメント

質問(^^;

前から「続きを読む」機能が欲しいなあと思ってたんだけど、
ことらはどのように使われているので??
ベーシックではない?
スクリプトぶちこみ??

投稿: 武藤 臼 | 2007年1月25日 (木) 00時35分

記事の作成の「この編集画面の表示設定を変更する」という所で上級にするとできますよ。
たぶん先日のメンテで追加された機能ではないかと。

投稿: 雪豹 | 2007年1月25日 (木) 00時46分

ありがとうございます
そんなとこにあったのね(^^;
さっそく変えてみました

投稿: 武藤 臼 | 2007年1月25日 (木) 01時24分

・・・が、
かなりカスタマイズしてるので、
トップページ以外使えないらしい・・・
デザイン変更したくないので、もとに戻しました(^^;

投稿: 武藤 臼 | 2007年1月25日 (木) 02時02分

それは残念でござった。

投稿: 雪豹 | 2007年1月25日 (木) 12時34分

熟考の末
やっぱし必要な機能なので
導入すべく
今からデザイン変更します(^^;

投稿: 武藤 臼 | 2007年1月25日 (木) 21時42分

むむむ、気合い入ってますねぇ!

投稿: 雪豹 | 2007年1月25日 (木) 23時20分

そこそこやる気だったんだけど
どうも、今のうちの環境だとデザイン変更の途中がうまく表示されません(--;
ので結局ややめることにしました。

そもそも、
カスタムデザインだとアーカイブを表示したときに、
続きを読む機能が働かない
・・・という作りがおかしい!!!

投稿: 武藤 臼 | 2007年1月26日 (金) 00時21分

あ、本当だ(←気づいてなかった)。
あとは、自サイトでそのいらいらを昇華するとか…(汗汗)。

投稿: 雪豹 | 2007年1月26日 (金) 23時39分

> 最後は地球に戻る事ができ、キン・ザ・ザでの出来事はなかったのかとさえ思えるのだが、駅に行く途中でマシコフ氏はゲデバン君と出会う。

恐らく最後の部分は、こういう事だと思います。
二人は事件が起こる直前の地球に戻され、惑星での出来事もその時点では忘れている。もちろん例の宇宙人に出会わないので、本来なら何も起こらず二人の人生はそのまま交わらないはずだが、たまたま交差点を通りかかった(エツィロップにそっくりな)パトカーの回転灯に条件反射して、マシコフとゲテバンは「クー」してしまう。そしてお互いは相手に気が付き、あの出来事が実際にあったのだと知る。

投稿: X^2 | 2007年10月 9日 (火) 23時33分

X^2さん、コメントとトラックバックありがとうございます。

条件反射ですか、なるほど。身に染みついちゃったんですね(笑)。
「ふっ、馬鹿な格好…」
とツッコミを入れつつ、ほろりとするシーンでうんうん、実に良い、と一人頷きながら見ています。

ところで、地球に戻った直後のシーンに
「マ、マ、マ、マ、シトー ヤー ブードゥー ジェーラチ…♪」
という向こうでウケた歌がテレビで流れたとき、え、こんな最初で流れてたんだ?と思って最初から見てみると、日本語字幕が入れてないんですよ!
「あ、だましたなぁ!(笑)」
と思わず叫んでしまいました。
ともかく、演技やら伏線やら、ものすごく丁寧に仕組んであって、何度見ても飽きない映画だと思っています。

投稿: 雪豹 | 2007年10月11日 (木) 19時10分

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» 不思議惑星キン・ザ・ザ [Babylon5以外のメモ by X^2]
 以前にCandymanさんのブログで取り上げられていたこの作品をレンタルDVDで見つけ、さっそく借りてきました。噂にたがわず、さすがロシアという傑作(怪作)映画でした。粗筋等は、こちらのオフィシャルサイトをどうぞ。  ハリウッドの大作SF映画とは対照的に、映像的にはお金を掛けていなそうなこの映画ですが、その社会風刺は見事です。作られたのは1986年で、ソ連ではゴルバチョフが共産党書記長になってペレストロイカが始まり、それまでは公に描く事の出来なかったソビエト社会の矛盾だらけの現実が、...... [続きを読む]

受信: 2007年10月 8日 (月) 13時17分

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