映画「72M」
2004年ロシア
制作:ウラジーミル・ホチネンコ
音楽:エンニオ・モリコーネ
キャスト:
チェルネンコ…セルゲイ・マコヴェツキー
オルロフ…マラート・バシャロフ
ヤヌィチャル…アンドレイ・クラスコ
モロドイ…スタニスラフ・ニコリスキー
ムラヴィヨフ…ドミートリィ・ウリヤノフ
ネリー…チェルパン・ハマトワ
クレジットされていないが、ニキータ・ミハルコフがプロデューサーとして参加しているとのこと。
いきなりオープニングでアマドゥ・ママダコフ(ムカンベトフ水兵)がペンキを塗っていたので思わず吹く(なぜここにいる~…笑)。
回想シーンにソ連崩壊直後の黒海艦隊だろうか、ウクライナの独立とそれに対するロシア人の微妙な心情がちらりと見えるところがちょっとした味付けになってるのかな。
本編の潜水艦スラブガール(スラヴャンカ)の艦内シーンでも、最初のうちは
「あんたウクライナ人だろ?」
と聞かれたチェルネンコが、
「私はロシア人だ。」
と言いつつ、後の方でウクライナの歌を歌ってたり。メインのストーリィにはあまり絡まないが(笑)。
えっ、何、この終わり方?!というラスト。それはまぁそれとしても、閉所恐怖症の人には本心、お勧めできない。沈没した潜水艦の中の話がまたーりと続くので(←思い出しただけでも息苦しいよ~ハァハァ)。
演習中に古い機雷に触れて潜水艦スラブガール沈没。オフで寝ていたので、気がついたら水の中だったオルロフと新兵モロドイ、医者で民間人のチェルネンコだけが生き残ったようだった。
「これも演習だ、本物じゃないんだ。」
と信じたいオルロフも、水中の多数の死体を前にそんなことを言っていられなくなる。生存者がいないかと前方へ進んでいくと、第一区画のハッチが閉まっていて、そこには十人ほどが生き残っていた。向こう側では、モロドイ等を中に入れるか議論になっている。カルネアデスの舟板みたいな話だが、そこはスラヴ魂!当然入れてやるのである。
危機的な状況が次々と現れると、
「あー、この事故はオレのせいだ~…(中略)…じっちゃんの名にかけて!?(謎)」
「おいらが借金したから良くないことが起こったんだ~。」
と次々に懺悔を始める。船乗りって験担ぎみたいなの多そうではあるが、もう少し冷静に物事を考える人はいないのか。
広い海を行く艦船や水中をちゃんと進んでいる頃のスラブガールの勇壮さに比べ、閉じこめられてる場所も狭苦しいが、閉じこめられたクルーの話もなんともせせこましい(笑)。この辺の変なテンポや結末が、いかにもロシアらしいといえばロシアらしい(のかなぁ?…笑)。
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