映画「ニュルンベルク裁判~人民の裁き」
1946年ソ連
監督:ロマン・カルメン
もはや「冷戦」というものは既に実感として理解されていないような気がする。…と書き始めたものの、自分だってものごころついた頃はデタントの時代で、リアルタイムで「冷戦」を体験なんかしちゃいなかった(爆)。
それでも、冷戦の強烈な記憶から、デタントとはいってもそれは表面的なことで、裏では…と理解されていたのだろう。
その雰囲気を伝えるのがこの記録映画。チャーチルの「鉄のカーテン」発言と同じ年に公開されている。その意味での歴史の証人であり、「ニュルンベルク裁判」のドキュメンタリーとして見るのはちと辛い。もちろん、貴重な映像なのではあるが。
そういう時代背景があるので仕方ないとはいうものの、相手を口汚く罵るのって本当に見苦しいものだ。のちのち全部自分に跳ね返ってくるっていうのをはからずも描き出している。なんか、今後ネット上で「炎上」を見るたびに思い出しそうな映画だなぁ。自分がそんな風にならないように気をつけねば。
ロシア語は、世界の中でも罵り言葉の豊富な言葉だとか聞いたことがあるが、なるほどなー、と。でも、ここに出てくる豊潤な罵詈雑言の数々、覚えたところで使いどころがないよ(笑)。そういういうたらあかん系の言葉ほど覚えようとしないでも覚えてしまうから、困ってしまう(笑)。
なお、副題の「人民の裁き(人民裁判)」が原題。「夜よ、こんにちは」でモロに死刑判決を下したのがまさに人民裁判だろう。そういうアレです。
それにしても、こういうところにむやみに「タタールのくびき」を引き合いに出すから、内容をよく検討しないでイメージだけが悪くなるんだろうなぁ(笑)。
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