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2007年6月15日 (金)

【翻3-15】世界の中心

Срединное государство すりぢーんなえ がすぅだーるすとう゛ぁ

 文字通りには「真ん中の国」。「中国」ってそもそも、世界の中心の国って意味だった(笑)。それを意味通りに直訳したものでカッコ付きで書かれている。【翻3-8】キタイと契丹のように中国は「Китай きたーい」と言うのが普通で、中華思想的なものを強調して(皮肉って?)いるんだろう。

 「真ん中」を意味する言葉はいくつかあるが、ふと思い出したのが「中央アジア」。

1) Средняя Азия すれーどにゃや あーじや
2) Центральная Азия つぇんとらーりなや あーじや

 СредняяはMiddle、ЦентральнаяはCentralに近い感じはするが、この言葉のロシア語の意味する範囲と英語の意味する範囲と日本語の意味する範囲はズレている。
 ソ連時代の使い方だと、ソ連国内の中央アジア諸共和国はスレードニャヤ・アージアで、なぜかこれにはカザフスタンが入ってない。ツェントラーリナヤ・アージアの方は新彊ウイグル、チベット、ゴビ地方。

 と、すると、どちらの「中央アジア」にもカザフスタンとモンゴルが入ってない?

 政治的な意図がむんむん漂ってくるわざとらしい言葉なので、たぶんそれを避けるために「内陸アジア」とか、最近だと「中央ユーラシア」と言うんだろう。
 別の箇所では「Центральная и Средняя Азия つぇんとらーりなや い すれーどにゃや あーじや」という言い方をしていて、上の1)と2)を足したものだけれども、文脈からカザフスタンやモンゴルも入っている。普通に考える「中央アジア」ってかえって、こういう曖昧でおおざっぱなのが一番正解なんじゃないか。


【3-15】参考文献:
中央ユーラシアを知る事典』平凡社
Central_eurasiaf

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