【翻3-15】世界の中心
Срединное государство すりぢーんなえ がすぅだーるすとう゛ぁ
文字通りには「真ん中の国」。「中国」ってそもそも、世界の中心の国って意味だった(笑)。それを意味通りに直訳したものでカッコ付きで書かれている。【翻3-8】キタイと契丹のように中国は「Китай きたーい」と言うのが普通で、中華思想的なものを強調して(皮肉って?)いるんだろう。
「真ん中」を意味する言葉はいくつかあるが、ふと思い出したのが「中央アジア」。
1) Средняя Азия すれーどにゃや あーじや
2) Центральная Азия つぇんとらーりなや あーじや
СредняяはMiddle、ЦентральнаяはCentralに近い感じはするが、この言葉のロシア語の意味する範囲と英語の意味する範囲と日本語の意味する範囲はズレている。
ソ連時代の使い方だと、ソ連国内の中央アジア諸共和国はスレードニャヤ・アージアで、なぜかこれにはカザフスタンが入ってない。ツェントラーリナヤ・アージアの方は新彊ウイグル、チベット、ゴビ地方。
と、すると、どちらの「中央アジア」にもカザフスタンとモンゴルが入ってない?
政治的な意図がむんむん漂ってくるわざとらしい言葉なので、たぶんそれを避けるために「内陸アジア」とか、最近だと「中央ユーラシア」と言うんだろう。
別の箇所では「Центральная и Средняя Азия つぇんとらーりなや い すれーどにゃや あーじや」という言い方をしていて、上の1)と2)を足したものだけれども、文脈からカザフスタンやモンゴルも入っている。普通に考える「中央アジア」ってかえって、こういう曖昧でおおざっぱなのが一番正解なんじゃないか。
【3-15】参考文献:
『中央ユーラシアを知る事典』平凡社
| 固定リンク
「突厥」カテゴリの記事
- 『ウンゲトゥの石像』刷り上がったそうです!(2022.08.11)
- 『モンゴル紀行』(1972年)を読んでみたらおもしろい発見があった(2020.08.10)
- 『大旅行記』の家島彦一氏の講演を聴きに行ったよ(2019.06.09)
- 2019年明けましておめでとうございます(2019.01.03)
- 年末寒波爺到来でもこれで大丈夫@土西へ17a(2018.12.23)
「中央アジア」カテゴリの記事
- C104「チンギス=ハン紀[1]」できました@月東ニ55b(2024.08.07)
- C104「チンギス=ハン紀[1]」は印刷中です@月東ニ55b(2024.07.29)
- 映画「父は憶えている」(2023.12.19)
- コミックマーケット101に参加します@土東マ09a(2022.12.08)
- 嵐のC100(物理)(2022.08.13)
「歴史」カテゴリの記事
- 「チンギス=ハン紀[2]」できましたぁあああ!@月西え38a(2024.12.25)
- Comic Market105に参加します@月西え-38a(2024.11.10)
- C104「チンギス=ハン紀[1]」できました@月東ニ55b(2024.08.07)
- C104「チンギス=ハン紀[1]」は印刷中です@月東ニ55b(2024.07.29)
- コミックマーケット104に参加します@月東ニ55b(2024.06.07)
コメント