【翻3-19】城塞都市
городище がらぢーしぇ
考古学の用語で、防塞集落趾、城塞趾。
いかにもгород(ごーらと 街、市、都市)等々と同じ仲間の言葉。そもそも「街」の起源が城壁に囲まれている集落だったせいだろう。中国語の「城」に近い感じなんではないだろうかと思ったりして。実際、『大唐西域記』からの引用部分では、「城」の訳語としてゴーラトが使われている(【翻3-27】都市国家参照)。
でも、城塞趾とはいっても、カラヂーシェは、我々が「城」という言葉から思い浮かぶような、がっちりした石造りの城壁があるのはごく稀で、ましてや現代の日本人が城を復元、という時に思わず造って(創って?)しまいがちな天守閣などはあるまい。
そういうわけで、城趾と訳してしまうと誤解を受ける可能性がある単語のためか、昔の論文なんかでは(今も?)「ゴロジシチェ」とか、訳さずにそのまま書いてある事がよくある。最近見た、白石典之著『チンギス・カン』では「ガラディーシェ」と書いてあったな(p.13)。『チンギス・カン』にはそれがどういうモノか説明してあるのでわかるのだけれど、説明なしでいきなり出て来ることがある。表記が今風でないと「え?」と一瞬わからないことあるんだけど、これって考古学の世界では説明無しでもOKなほど定着した用語なのかなぁ?
【3-19】参考資料:
白石典之『チンギス・カン “蒼き狼”の実像』中公新書
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