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2007年6月20日 (水)

【翻3-20】セリンディアのペリオイキス

Сериндия せりんぢや(?)

 スタインの第二次中央アジア探査の報告書がまさに「セリンディア」という題名なんだけど、ぐぐっても、それ以外に出てこない。??? 造語か?
 「セリンディア」を読めば、序文にでも書いてあるかもしれないが、これ、英語なんだよな…。この報告書が出た頃にはそのスジの人々には一時的に流行ったものの、21世紀までは残らなかったとか? とりあえず私は初めて聞いた言葉だぢょ…。
 とにかく、日本語に定着してないモノをカタカナ書きしても訳したことにならない。スタインの踏査した地域を見れば、いわゆる「西域」なんだろうが、ロシア人から見たら「西」域じゃないから、ここで使うのは不自然。困るぅ。いっそのこと曖昧に「シルクロード」ってしちゃおっか。てへ。

периэгеса ぺりえげさ(?)

 ギリシャ語。ペリオイコイperioikoiの地という意味らしい。広辞苑によると、ペリオイコイとは、

古代スパルタの半自由民で、市民とヘイロタイの中間に位置する。参政権はないが地方自治権を持ち、従軍・貢納の義務を負った。

 ということで、まさにここに述べられているソグドと同じような人たちじゃないっすか。で、ペリオイコイは広辞苑にもエキサイト国語辞書(大辞林 第二版)にも載ってたってことで、一般常識であると見なせるが、ペリオイキスは出てなかったので、一般的ではなかろうと思って使わないでおこうかな。

 ちなみに、この題名を「古代トルコ民族史研究I」で護雅夫氏は「Serindiaの旅行記」と訳しているが(p.569)、これではクリャシトルヌィがこの段落のシメの部分で、

この記事よりやや早く、一部土地の住人を混じえた「商人の」ソグドが伊吾(ハミ)を占領した。千の「勝兵」を備えた彼らは充分自立しており、状況次第で中国の宗主権も、テュルクの宗主権も、鉄勒の宗主権も承認した109。

というふうに、ソグドの居留地が独自の軍隊を備え、独自の政治的判断で宗主国を決める東方のペリオイコイ的な有り様を描いているのが生きてこない。誤訳であろう。

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