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2007年7月22日 (日)

ドラマ「楊貴妃」

楊貴妃 壱

2000年香港
監督:梁宏發
キャスト:
楊玉環…黄祖兒
玄宗…張復周
楊国忠…呉毅將
安禄山…徐錦江
高力士…呉樺

 ええーっと、これ、R指定ではないんだ?「スキャンダル」(R18)よりよっぽど濡れ場が多い…というかそっちがメインな気がするんだが、歴史物なのでOK? でも、ずっとみているとだれてくる。ま、全部一気に見るものでもないから、くすぐる程度のエロ度でいいのかな?
 普段だったら入浴シーンがあるとサービスだと騒ぐが、楊貴妃というと華清池! これの場合は浴場シーンがひとつの見せ場である(笑)。
 安禄山まであれだけ格好良いと、美形しか出てこない少女漫画みたいだ。

 2000年のドラマとは思えないくらい音声が悪くツッコミどころ満載。でも全くCGなしな所が好印象。手作り感あふれる雪狐やら日食のシーンも味とさえ思える(笑)。
 それに化粧がきれい。中国の映画だと、何というか感覚的にNGな化粧なのが多いが、香港のドラマだから我々の感性に近いのかも。
 それにしてもまずいのが玄宗役の男優。白髪のカツラをかぶっているものの、肌はつやつや皺ひとつない体は、エロじじ…もといお年を召した方には絶対見えない。不老不死のクスリの効用とでもいうのだろうか(爆)。
 寿王妃だった楊玉環を親父が横取りっていうときの、玉環の心境ってどんなだろう? 中国の人はどう解釈しているのか、と興味があったがあまりよくわからない。打算? 本当に愛? それとも何にも考えてない? でも、玄宗があれだけ元気はつらつなら好み(相性)の問題で、打算ではなさそうだ。(笑)。

◎壱
 寿王と妃の楊玉環は、相思相愛の間柄。
 玉環が美肌効果があるという温泉宮(華清宮)に行った時に、皇帝・玄宗(寿王の父親)に見初められ、宮廷に召される。

 高力士がひかえめで感じのいい人。自分の想像では、もっとマッチョな人を想像してたんだけど、これだとごく普通の召使いだな。
 あと、回想シーンに出てくる武則天がすごく凛々しくて気に入った。そもそも、武則天のドラマがあるって聞いたから、その前に見ておかにゃと思って「楊貴妃」見始めたんだけどさ。
 しかし、その武則天のたったひとつ出てくるセリフが
「斬れ!」
って…(笑)。

◎弐
 玄宗の寵愛を受け、実質的には皇后のような扱いになりつつある玉環。しかし、さすがに世間体を憚って、道観に入れられている。その期間が長くなるにつれ、玉環にも不安が募ってくる。それを一挙に解決する策を高力士が考えつく。この巻で李林甫、皇甫惟明、安禄山登場。

 皇甫惟明に玉環が淡い恋心を抱くような描写がある。皇甫惟明はここでは、対吐蕃強硬派のように描かれているが、開元18(730)年に使者としてラサに行き、ティデツクツェンと金城公主に謁見していて、これって惟明がわざわざ玄宗を説いて吐蕃との講和を推進しているから、てっきり、知吐蕃派かと思ってた。知吐蕃とはいっても親吐蕃とは限らないが、この交渉の結果、赤嶺(ドニダラ、青海の東)に唐・吐蕃の国境をしめす碑が立てられて、和平が成立した訳なんだし。

 それにしても、契丹や奚がなんだか酷い扱い。契丹に降嫁した静楽公主や奚に降嫁した宜芳公主が殺されたのは確かにそうなんだけれども、人質だから叛乱の際に殺されただけで、殺されることを前提に嫁に行った訳じゃない。唐の皇帝の養女をあんなに粗末に扱うかね? 寧国公主がウィグルに来たときのフィーバーぶり等々から想像すると、絶対、周辺の諸部族に見せびらかして自慢するために大事にしたと思うんだが。

◎参
 正式に貴妃になった楊玉環。
 一方、李林甫の専横が日に日に酷くなって来ることを憂える高力士が、玉環の親類・楊氏一族を引き立てるよう画策する。
 ここで有名なライチーのエピソードが出ている。あと痴話喧嘩とか(笑)。

 この辺りから出てくるかく国夫人が良い味出してる。他人のものが欲しくなる性格とでもいうか(笑)。
 楊釗が実直でまじめそうなのが意外。もっとチンピラじゃないのか~、とぶうぶう言っていたが、権力を持つにつれてどんどんいやなヤツになっていくのでご心配なく(笑)。 

◎四
 玄宗の信頼も厚く、順調に出世を続ける楊釗。楊貴妃が死ぬときは自分も死ぬなんて殊勝なことを言っている。李林甫の専横がますます度を超してきた。
 しかし、それに負けず劣らずかく国夫人が自由奔放やりたい放題。玄宗の実の娘・広平公主までも愚弄するが、玄宗は現世のことに煩わされるのがいやで、穏便にうやむやに済まそうとする。

◎五
 安禄山に二心あるとの噂が広まり出す。どこまでが妄想で、どれが回想や今進行中の色恋沙汰なのかわかりにくい(ワザとその辺うやむやにしているのかもしれない)が、安禄山と楊貴妃ができているとか、一般に噂されている宮廷内の乱れっぷりが、たっぷり描かれる。皇帝があれだけ節操無しだったら、妃の方だけ貞節って訳はないわな。
 「国忠」の名を賜った楊釗と安禄山の対立が目立ってくる。高力士は、玉環に安禄山を見捨てないようにと説き続けるが、李林甫が死去し楊国忠が宰相になると、その対立は先鋭化していく。

 タラス川会戦の敗北や対南詔戦の失敗の報は玄宗の耳に入っていることになっているが、どうも事の重大性を理解できないらしく、諸々のことは宰相や辺将に任せているから高枕だ、などと言って高力士を心配させる。おいおい、やる気がないなら退位しろや…。無駄に精力あんだよな。

 対南詔戦を指揮していた将は李密ってさらっと書いてあるが、本当は下の山のない字。雲南の件は思いっきり楊国忠マターなはずだけれど、あんまり深刻な事態になってないところがもうダメって感じ。高仙芝もタラス川会戦の件では何の罰も受けていないし、安禄山が蜂起する前にこの国終わっとる。武則天だったら絶対にこういうの許さないと思うんだが。

 天宝14(西暦755)年11月、安禄山が蜂起。
 長安から脱出して蜀へ向かう途中、玄宗や楊貴妃、楊国忠を含めた楊家一族は馬嵬に差しかかる…。

 ここはとりあえず哥舒翰あたりを贔屓にしたいところだが、哥舒翰出てこないんだよな。
 えろちっくを全面に押し出しているとはいえ、ストーリィは突飛ではない、というか、諸々の醜聞を遠慮なくあるがままに再現している感じでむしろ史実通りかもしれない。時々、なじみのある名前も出てくるので、安心して楽しめた。かといって、「歴史のお勉強として見るに最適!」と推奨するのはややためらわれる(笑)。ここに書くとスパムが増えそうなあれこれもあるしな…文科省推薦とかには絶対なるまい(笑…っていいものか)。

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コメント

 うげぇ~。これ観たんですか?
 自分は第一巻でアホらしくなって観るのやめましたよ… 冷静に観ているのが、なんか尊敬できるな。ブラウン管ぶっ壊したくなりませんでした?(爆)

投稿: マルコ | 2007年7月22日 (日) 23時51分

 いや~、だって楊貴妃に業績ってないですし。
 彼女を主人公にしたら、こうなるしかないじゃないでしょうか。こういう酒池肉林な所をぼかして描いちゃうから、玄宗に同情する人が出てきてしまうのかもしれませんよ(笑)。これ見ると、玄宗に自然と殺意がわきますぜ(笑)。

 ストーリィ部分はちゃんとしてるし、案外まじめに作ったように思えるんですがねぇ。
 まだ壱はそれほど乱れてないですよ。…父親が息子の嫁を横取りって時点で駄目だろ、と言われればそれまでなんですが…(笑)。

投稿: 雪豹 | 2007年7月23日 (月) 00時43分

 むむむ。そうまで言うなら、ちょっと性根を入れて最後まで見てみよう。安史の乱は好きだから、興味あるのはあるんだが…(だからこそ持っているんだよね…)

 >>玄宗に自然と殺意がわきますぜ
もともとわたしゃ、後期玄宗にはなんも期待してませんから、その点心配ないんですが… 
 一番萎える展開になると恐れるのが、楊貴妃首くくりで、玄宗の「ああ、わしかわいそう!」とかなったりすること。悲劇の主人公ぶられるといやだね~(爆)
 まぁ、こいつが国を壊さないと、のちのち李克用の出番がなかったかもしれんし、その点のみでは存在を許してもいいか…(あんま関係ないか・笑)

投稿: マルコ | 2007年7月25日 (水) 16時52分

持ってんのか!(爆)

 いやいや、5巻で2500円くらいだったら私も欲しい(笑)。もったいないです。是非見てください。

 最もオーソドックスな展開だと思うけれども、まずは普通がなければ、新説・奇説もないわけでして。低予算の割には頑張っています。
 「頗る醜声の・外に聞こゆる」(資治通鑑)ようなことをやってるような場面がウンザリだったらコーヒーでも入れていればいいのです(笑)。
 この乱れっぷりがあるからこそ、5巻に入って
「何でこんな事になってしまったんだろう…」
なんて玄宗が言っているときに、
「テメーのせいだろうが!!!」
と力強く画面に向かって突っ込めるというもの(笑)。
 まー、なんか、老害炸裂なんです。

 …でも安禄山が出てくると艶っぽいはずのシーンでも、お笑いになってしまうのはなぜ?

>まぁ、こいつが国を壊さないと、のちのち李克用の出番がなかったかもしれんし、その点のみでは存在を許してもいいか…(あんま関係ないか・笑)

百年以上あとの事じゃないでしたっけ…。それはさすがに遠因過ぎませんかね?(笑)

投稿: 雪豹 | 2007年7月26日 (木) 07時39分

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