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2007年9月 9日 (日)

ドラマ「蒼き狼」第一部

蒼き狼 成吉思汗の生涯 DVD-BOX

1980年日本
監督:森崎東、原田隆司
キャスト:
テムジン…加藤剛
エスガイ…平幹二郎
ボルテ…倍賞美津子
ホエルン…大楠道代
ジャムカ…若林豪
ボオルチュ…田中邦衛

 驚いたことに、テーマ曲を全部覚えていた。
 内容を全く覚えていないにもかかわらず(笑)。
 このあいだの角川の音楽さえ全く覚えていないにもかかわらず~(笑)。
 おっかしいな~。同じ作曲家の「殺人の追憶」や「日本沈没」は聞くなりCD買いに走ったんだがな~。

 モンゴルはあまり得意ではないので、この機会に『元朝秘史』を読み直してみようと思うので、ちょっと詳しく見てみたいと思う。
 なお、ドラマの原作・井上靖「蒼き狼」は読んでない(ベキバキ)。気の付いた事があれば、ご指摘下さるとうれしいなぁぁぁ。

第一部 成吉思汗の誕生
Ookami1 エスガイは、オノン河で鷹を放っているとき、メルキト族のイェケ=チレドが嫁を娶って連れ帰るのを見かけた。その女性を一目見るなり惚れてしまったエスガイは、兄のネクン=タイズと弟のダリタイ=オッチギンを助っ人に頼み、掠奪して連れてきたのがホエルンである。
 ホエルンは、やがて男子を産む。後のチンギス=カンであるが、彼は生まれたとき、

「己が右手にシアーほどの血塊を握って生まれた。」(小澤重男訳『元朝秘史』岩波文庫、以下同じ)

 なんでも、チムールも生まれたとき、手に血塊を握っていたんだって? しかも両手に!
 …それ絶対にチンギスに対抗してるでしょ(笑)。
 それにしても、このエピソード、草原の人々がそんなにお好みなんだ。そういう伝説なら、たとえ事実でなくても入れる方が草原っぽさを醸し出すってもんだ(笑)。

 ちょっと気になったのは、「パオ」と「集落」。何か違和感が。
 あと、エスガイさんちの周囲がめちゃくちゃ砂漠なところ。どこだよ、これ(笑)。さてはモンゴルじゃないな(笑←タクラマカン砂漠かな?)。
 この後時々ゴビっぽい&草原っぽい風景も出てくるからまぁいいか。

 9歳のテムジン。ジャムカとウサギを仕留め、矢を交換してアンダの誓いをするが、この子役たち、きっと現地の子だ。乗馬が上手い。それにしても馬の尻をびちびち叩くわ叩くわ(笑)。
 でも、ジャムカとの絡みがここだけなんだよな。もう少し一緒になんかしててもいいような気もするんだけど…。
 そのせいで大人になった時、ジャムカが一方的にテムジンに対抗意識を燃やして勝手にひがんでいるように見えてしまう。…いやむしろそういう演出なのかな? これだとジャムカがより小さい人物に見える。

 テムジンは、母の部族オルクヌウトに嫁取りに行ったのだが、途中かわいい女の子ボルテを見かけて、その子の部族オンギラトに求婚してしまうのだ。なんだか惚れっぽい親子だな(笑)。
 そうしてテムジンはオンギラトに預けられてそこで5年を過ごす…。

 14歳になった頃、エスガイがタタルに毒殺されたという知らせが入り、テムジンは急遽家族の元へ戻る。しかし、エスガイ亡き後、タイチウトのタルクタイがモンゴルを統率するようになり、テムジン一家に無断で全部族を引き連れて別の牧地に移動してしまうのだ。
 テムジンは
「エスガイの長子のオレに無断で云々」
とか言ってるけど、「長子であること」にいかほどの意味があるのか。この一家で唯一成人している男という意味では、ひとこと意見を言う権利もありそうだろうけれど、モンゴルは末子相続。エスガイだって長子ではない。そもそも一四歳の少年に全モンゴルを束ねていく指導力があるとは思えない。

 当然、寡婦のホエルンはトゥグを持ってみんなを引き留めようとするが、その努力もむなしく置き去りにされてしまう。
 ふと、このときダリタイ=オッチギン(エスガイの弟)は何も言わずにタイチウトのいうなりなってしまったんだろうか、と疑問に思った。ホエルンを掠ってきた時のいきさつからして縁が深いんだから、助けてやればいいのによ~。頼りにならない叔父さんだな~。あ、だから末子なのに一族の長ではなかったんだな(爆)。

 すっかり貧乏になったテムジンの一家。母は木の実草の実を集め、兄弟は魚を釣るなどして力を合わせて一家を支えようとする。でもやっぱり、育ち盛りの少年が複数いるといくら食べ物があっても足りない。皆腹が減ってるのでピリピリしている。
 そんな中、異母弟ベクテルが獲物を横取りにして彼の同母弟ベレクテイと独占して食べてしまうような事件が起き、そのことをテムジンが注意すると、
「おまえなんかメルキトの血だ」
と逆ギレ。カッとなったテムジンは、すぐ下の弟(ジュチ=)カサルと一緒になって、ベクテルを射殺して母を歎かせる。

 それにしてもここに出てくる馬が本当にかわいい。全体的に馬がちっこくてもさもさしててかわいいのだが、この馬なんかベクテルが憤然と立ち去る所なんか、
「あれっ、どうしたの、ベクテルちゃん? どこ行っちゃうの?」
とでも言っているかのようにベクテルを目で追っている。演技だとしたらすごい役者馬だが、たぶん素の反応だな(笑)。かわいい。
 ところで、テムジンがメルキトの種だって話は初めて聞いたんだが、何か根拠のある話なのかね? もちろん『秘史』には出てない。

 ここで子役から加藤剛に交代。老けた10代だなおい。それは言わない約束か?(笑)。
 でもさ、このあとテムジンはタイチウトに捕まっちゃうんだけどさ、加藤剛が演じていると、縛り付けられた大きな丸太が、枷じゃなくて凶器に見える(笑)。香港映画だったら、これを武器にした新しいカンフーの流派が生まれそうだ。拘束したつもりがバッタバッタとなぎ倒されるかわいそうなタイチウト!(違)。

 さて、ソルカン=シラの好意でようやくタイチウトから逃げることに成功したテムジンは、家族の元に返ってくるが、一家は更に貧乏になっていた。最後に残った8頭の馬まで盗まれてしまう始末。馬の番をしていたカサルは馬を持っていなかったので、馬泥棒に逃げられてしまう。騎馬のベレクテイがタルバカン猟から帰るのを待って、テムジンは馬泥棒を追う。
 途中、馬の番をしていたボオルチュというどう見てもモンゴル人っぽくない男が、馬泥棒の行方を教えてくれたばかりでなく、追跡用に自分の馬まで貸してくれた。のみならず、彼は馬を取り返す手助けまでしてくれるのだ。彼のおかげで馬を取り戻したテムジンは、ボオルチュというその男と友達になる。
 いやね、言うまでもなく全体的にモンゴル人には見えないんですがね。それでも加藤剛なんかは時代劇に出ていた姿に慣れているから、全然違和感なく、ここまで気がつかなかった(笑)。
 ところが!田中邦衛がしゃべるとなーんか空気が変わるね(爆)。絶対モンゴルの雰囲気じゃないよね。青大将だよね(←例えが古い)

 さて、こうして少しは一家の状態が落ち着いてきたので、テムジンの婚約者ボルテをテムジン一家に迎えることができるようになった。
 さぁて、テムジン一家にもだんだん運が向いてくるか~?

第二部 大平原の誓いに続く。

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コメント

うあーー
懐かしいものを(笑

加藤剛、若林豪は良く覚えてるんだけど
平幹がいまひとつおもいだせないなぁ

やっぱ加藤剛というと昭和天皇
平幹というと武田信虎のイメージだな(笑

田中邦衛の台詞が全部ひらがなだったのは良く覚えてる(これこれ

投稿: 武藤 臼 | 2007年9月11日 (火) 19時23分

田中邦衛は、動きも表情もなんか浮いてますよね…。
ボルテとジャムカもなんか違うって感じがするんですが…(笑)。

>武田信虎
チンギスは「我が死を3年秘せ」とか言いましたっけ?<共通点

※ちなみに昭和天皇は、イッセー尾形で。

投稿: 雪豹 | 2007年9月12日 (水) 00時06分

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