映画「シベリアーダ」
1978年ソ連
監督:アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
キャスト:
アレクセイ・ウスチュジャーニン…ニキータ・ミハルコフ
ニコライ・ウスチュジャーニン…ヴィターリー・ソローミン
アナスタシヤ・ソローミナ…ナターリヤ・アンドレイチェンコ
ターヤ・ソローミナ…リュドミラ・グルチェンコ
?…ウラジーミル・サモイロフ
エターナル・グランドファザー…パーヴェル・カドチニコフ
スピリドン・ソローミン…セルゲイ・シャクーロフ
これが日本未公開とは。
第2部だけでも充分エンターテイメントとしてまとまっているので、今からでも大きなスクリーンで上映できないものだろうか。
たとえば、だ。
アリョーシャが村を出て行こうとするとき、ふと立ち止まるシーンがある。なぜ立ち止まったか、最初見たときはわからなかったが、後のシーンを見てひょっとして……と思い、音を大きくしてもう一度見てみた。すると、、、
ゴゴゴゴゴゴ
うおお、すごい微かだが確かに音が入ってる。し、しかし…。こんな地を這うような重低音、パソコンのスピーカーで聞こえるかあああああ(涙)!
あれ、映画館で見たら、シートが突き上げるように震えるね。間違いなく。この後のシーンとか、序盤のクレムリンを背景に花火が上がるシーンなんて、大画面で見たらストーリィ無しでそれだけでも感動で言葉もないと思う。ああ見てみたい…。
確かに第1部を見ないと、最後のシーンの花束の少女の意味が何となくしかわかんないか…。死の沼とか、ターヤはずーーーっとアレクセイを待っていたんだ、とか……。
二部だけだと、エターナルじいさんのエターナルぶりがよくわからないかな? 他人の夢の中に勝手に出てきたり、充分人外ぶりは発揮されてるが、頭に鳥が留まってたりもっと妖精?じみてる。あれは、レーシーみたいなもの?
最近のアニメとか映画では、隠し設定とかで謎を謎のままにして大して説明しないのも多いから、2部だけでもギリギリいけると思う。
んで、あの数々の謎は何だったんだろう、と1部から通しで見る。すると、何気ないカットにも全て意味があるとわかり、それを探る謎解きのおもしろさで一作品で二度おいしい。
…なんてのはやっぱ、邪道の見方なんだろうなぁ(笑)。
西シベリアの某所、エラニ村。ソローミン家とウスチュジャーニン家の人々の三代にわたる愛と憎しみの物語。
第2部では、第二次世界大戦後、復員してボーリング技師になったアレクセイが、石油を掘りにエラニ村に戻って来たことから始まる。
先祖代々の墓のごく近くで掘り始めたことで、先祖代々の村の生活や森を守りたい村人と感情の行き違いが起こるのだが、もっと深刻な事態が迫っていた。
世界最大級の水力発電所の建設のため、エラニ村がダム湖の底に沈むというのだ。
石油が出なければ湖の底、しかし、石油が出たら出たで、めでたしめでたしというわけでもない。村も村人も今のままではいられない。
それにしてもDVDのジャケット、マキシム=ムンズクが前面に出てるけど、実際は端役だよね。
シベリアの住人で父祖の地を守ろうとしている人たちも、ダム建設をしようとしている人たちも、石油を掘ってる人たちもロシア人で、しかも、結局はエラニ村出身の人たちの話なのだから。
むしろ、例の彩プロのような爆裂コラの方が合ってる。その理由は……ネタバレになるので、以下へ↓
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