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2008年1月20日 (日)

【モ1-5】「今度かわいい子紹介するね」アラカイ=ベキ

 ちまたには、合コンなどで女の子が
「じゃあ、かわいい子連れてくね」
などと言ったとき、連れて来られる「かわいい子」は連れてくる子よりかわいくない、という法則があるそうです(真偽の程は定かではありません)。
 今回はそれと似た話……でもないかな?

 アラカイ=ベキは、チンギス=ハンの娘で、オングトに嫁ぎました。オングトといえば、チンギスがまだモンゴル高原の統一を達成していなかったときからチンギスを応援してたアラクシ=テギンの率いる部族です。しかし、チンギス=ハンの側に付く、というのはオングトの総意ではなかったらしく、アラクシは長男のブヤンシバンともども殺されてしまうのです。
 かろうじて逃げ延びたアラクシの幼い子供ボヤオカイにアラカイ=ベキが降嫁されたわけですが、アラカイ=ベキとボヤオカイの間には子供ができませんでしたので、彼女は夫に妃妾を娶って後継者をつくるように勧めた、と『元史』にあります。

先祖の祭祀を絶やさないためにヤキモチ一つ焼かず夫が他の女の人と子供を作ることを奨めるとはまさに妻の鏡!

……と儒教精神たっぷりな解説が行間に溢れ出るかのようですが、チンギス=カンの娘が漢族の風習に染まっているはずがありません。

 中国の正史である『元史』には全く触れられていませんが、アラカイ=ベキは、ボヤオカイの妻になる前に、アラクシ=テギンの兄弟の子供、シェングイと結婚して、一人の男の子……アングダイをもうけています(『集史』による)。
 ボヤオカイがあまりに幼くて父アラクシ=テギンの地位を継げなかったために、先ずアラクシの甥にオングトの長の地位につけたのですね。シェングイの父親はアラクシ以前のオングトの長だったし、アラクシ自身もシェングイを後継にする意向があったようなので、順当といえます。その後、ボヤオカイは成長してオングトの首長になり、アラカイ=ベキを娶るわけです
 いうなれば、オングトの長の地位とモンゴル皇帝の娘との結婚はセットになっているようなものでしょうか。
 この経緯から、アラカイ=ベキは相当の姉さん女房だったであろうと想像できます。いや、姉さん、というよりは親子ほどの年齢差があったかも。で、双方にとって相手はセックスの対象ではない、と感じられたのかもしれません。
 だから、アラカイ=ベキがボヤオカイに良い妃妾を娶るよう奨めたという話は、気分的には母が息子に嫁を探すのと似た心境だったのではないでしょうか。

 こうして、アラカイ=ベキにみっちり教育されたオングト王家が、モンゴル皇帝にもっとも忠実な家臣になったのは言うまでもありません。

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2008年1月14日 (月)

【モ1-4】西方のおばはんグルベス、毒を吐く

 ナイマンは、突厥碑文に出てくるセキズ=オグズに繋がるともいわれる由緒正しい家柄の部族で、モンゴルの西方、イルティシュ河やアルタイ山脈の方に遊牧しておりました。なので、テムジンのような、ぽっと出の成り上がり者は馬鹿にしていたわけで、当時ナイマンの王であったタヤン=カンの母親、グルベスなどはこんな事を言っております。

「モンゴルってクッサイからねきに来させへんで!」

 グルベスは、随分若いときにタヤンを生んだそうです。しかし、いくら若いといったって、まさか5歳や6歳じゃないでしょう。ナイマンがテムジンに敗れたとき、タヤンには既にクチュルグのように大きな息子がいますから、グルベスは、当時の感覚でいったら、充分おばはんだったのではないかと思われます。
 そのグルベスをテムジンは娶っているんですから、思わず守備範囲広いなぁ、と妙なところに感心したりして。

 もっとも、グルベスがタヤンの生母だったという話は、『元朝秘史』が元ネタでして、『集史』によれば、グルベスはタヤンの愛妃だったといいます。『集史』が本当なら、別に感心するほどのことでもなく、ごく普通の出来事です。しかし、それではあったり前過ぎて取り上げる意味がありません。

 ナイマンの女性は美貌と物腰の優美さで有名だったといいますし、やはり、オトナの女性の色香にチンギス=ハンもくらくら、と考えた方がおもしろいので、そういうことにしておきましょう。


※ それなんてエロゲ?ってテムジンの台詞を思いついたけど、自粛しました(爆)。

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2008年1月12日 (土)

映画「ナイト ミュージアム」

ナイト ミュージアム

2006年アメリカ
監督: ショーン・レヴィ
キャスト:
ラリー…ベン・スティラー
ルーズヴェルト…ロビン・ウィリアムズ

 題名だけ聞いたときは、NHKみんなのうた「メトロポリタンミュージアム」を原作にした映画かと思ってある意味期待した。「家族で安心してみられる」って評だけど、これ、まずいだろ。アッティラが! こんなイメージで定着したら!!(爆笑)

 一見、コワモテなんだけど、心が寂しい人って感じで。
 いやいや、もっと恐い人だろ~。
 でも、趣味が無力な敵の手足を引き裂く…って、車裂とか五馬分屍とかかよ? どこ行ってもどの時代でもやってんのかよ。まー映画中では人間が犠牲者の手足引っ張ってて、さすがにそれは無理だろって感じでコミカルなだけだけど。…もっとも、ファミリー向け映画で車や馬でブチッといったらさすがに引くだろうがな(笑)。

 アッティラのも一つ興味あるのが黒魔術って。
 ヒィヒィ、腹筋痛い(笑)。シャマニズムだろ、それ。「黒教或ひは蒙古人に於けるシャマン教」なんてのを思い出したけど、それって戦前(戦中?)の訳だよな。(パンザーロフ著、白鳥庫吉訳)

 それにしても、主人公が読んでる「サルでもわかるアッティラ(IDIOT'S Attila The Hun)」って本が実在するなら、欲しいな~。日本語版でないかな?
 だってさ、彼はこれ読んだおかげで、アッティラと彼らの言葉で会話してるんだよ!!!
 フンの言葉って判明してたんだっけ? これ、どこかの実際の言葉なのかな?
 …“IDIOT'S”シリーズっていかにもありそうだけど…ないか、やっぱ(爆)。

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