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2008年2月16日 (土)

映画「ナイト・ウォッチ」

ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR

2004年ロシア
監督:ティムール・ベクマンベトフ
キャスト:
アントン・ゴロデツキー…コンスタンチン・ハベンスキー
ゲッサー…ヴラジーミル・メンショフ
スヴェトラーナ…マリヤ・ポロシナ
オリガ…ガリーナ・テュニナ
コースチャ…アレクセイ・チャドフ
ザヴロン…ヴィクトル・ヴェルジュビスキー

 これの続編「デイ・ウォッチ」が公開されているようなので見なおしてみた。かなり懐かしい感じになっちゃってる。いや、殺伐とした世紀末って雰囲気がね。
 つい先日も某所で、1990年代のロシアの本って10年前の本とは思えないくらい装丁滅茶苦茶紙ボロボロだって話してたから、ああ、あの時代のにおいだって懐かしい感じがした。当時はこういう混沌とした感じにリアリティがあった。

 でも、肩の力を抜いて見てみたら、なぁんだ、これってパロディでコメディじゃん。リアクションがわかりにくいよ(笑)。ベタなお笑いならともかく、こういう高度な(?)お笑いって、共通の背景がない人にはわかりにくくないかな。変なノリとテンポだし(笑)。そのヘンテコなノリがなんともクセになるんだけどさ。

 40~50cmありそうな真っ直ぐな蛍光灯でアントンが戦ってるのってライトセーバーのパロディなんだろうが、「奇面組」で一堂零がそういうのを持ってダースベーダーと対戦している扉画を思い出した。蛍光灯に「ナショナル」とか書いてあるの(笑)。
 それと、アントンに頬をはたかれたザヴロンが反対側の頬も出すっていうのは聖書のパロディなんだろうが、それも「奇面組」で見た気がする。左の頬がはたかれたら右の頬を差し出し、右の頬がはたかれたら左の頬を差し出し、左の頬をはたかれたら……永久運動になるってギャグ。

「ナイト・ウォッチ」は「奇面組」だ!

……んで、「歯が、歯が~」ってのは「目が、目が~」のパロディ? まさかね?!
 でも、映画よく見る人には「これはアレだ」ってシーンが結構あるのではないかと。

 それにしても、この主人公のアントンが情けない男でさ~。しかも弱い。これから強くなるのかね?
 最も情けないのが不幸を呼ぶ女スヴェトラーナに呪いをかけた者を突き止めるエピソードのオチが(笑)。情けないっていうか、漫画だったらアントン自身ズルッとこけたり、ゲッサーたちが後ろでぴゅーんと飛んでいきそう。
 でも、このオチ見ると、アントンって不幸そうに見えて実はラッキーな人だったりして。


 トレーラーを見る限りでは、「デイ・ウォッチ」は更に「んなアホな~」に磨きを掛けているように見受けられる。あのadidasを着た所ジョージ似のデイ・ウォッチのオッサンも出てくるのだろうか?

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2008年2月 7日 (木)

映画「PROMISE 無極」

PROMISE (無極)

2005年中国/香港/日本/韓国
監督:
チェン・カイコー(陳凱歌)
キャスト:
光明…真田広之
昆崙…チャン・ドンゴン
傾城…セシリア・チャン(張栢芝)
無歓…ニコラス・ツェー(謝霆鋒)
鬼狼…リウ・イエ(劉[火華])

 中国では「鬼が来た!」が上映できなかったそうだが、これが上映できたっていうのがかなりナゾ。そのあたりの非論理性が中国らしい?(笑)。

 無歓に虐殺された雪の国(チベットの異称・美称)の民の生き残りで、奴隷になっていた昆崙が、運命の女性・傾城を救うのか? っていうお話。

 ファンタジーであってアクションではないので、仕方がないのかもしれないけれども、ニコラス・ツェーのアクションをもっと見たかった(笑)。でも無歓のやらしー感じが何とも言えず…イイ!(←ニコラスファン?)
 あと、最初の方で光明が蛮族と戦うところ、蛮族が黒い角兜を付けてるのが笑った。荒くれ者=角兜っていうイメージはどこから来たんだろうか? しかし、真田広之、すっかり三枚目でござんした。

 動作が芝居がかっているっていうか、一定の型がある感じなので舞台の芝居を見ているよう。中国のお芝居(京劇とか?)を見慣れている人には、あの動作はこういう意味っていうのがわかるんだろうなぁ。それを知らない分、わからない部分もあるのだろうけれど、雪の国での虐殺シーンは、実写映像を見るより凄惨。痛い。
 もちろん、ファンタジーらしく、風俗は架空のものでチベットを思い起こさせるような点はなにもない。衣装が日本の着物風なために、かえってリアルな映像よりも自分のことのように感じるのかも知れないが、これぞ実写以上に真実をえぐる芸術の力か、と思わせる。


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