映画「ステルスX」
2007年ロシア
監督:ヴラジーミル・ポタポフ
キャスト:
ヴィクトル・キルサノフ…セルゲイ・マホヴィコフ
オリガ・クラスノーヴァ…アンナ・タラトルキナ
オレーク・ブルィギン…セルゲイ・バタロフ
レオニート・ルィビコフ…ドミートリィ・ムリャル
ロシア大統領…ヴラジーミル・メニショフ
モスフィルム制作?!とちょっとびっくりしたのだが、見れば納得の手堅いストーリィ展開。スホイSu-27フランカーが離陸するところを併走する僚機から撮ってる映像ってなんか感動した。でも、そればかりでなくツポレフTu-160ブラックジャック、Su-27、ロシア版AWACS・A-50が次々と発進、編隊を組んで飛んでいく迫力にやられた。
どんな機体でも艦船でも、巡航ミサイルでさえ見えなくするシステム(ゴルゴン・システム)っていうとフィラデルフィア・エクスペリメントがすぐ思い浮かんでSFっぽいのだけれども、その点は小道具の一つに過ぎないので深く追求しないように(笑)。
要はそういうなんだかすげー軍事技術を搭載したTu-160が米ロの合同軍事演習中にテロリストに乗っ取られる。ロシア軍、アメリカ軍、米ロ両国大統領はどうする? 主人公たちはテロリストの手に落ちるのか? それとも海の藻屑に?というサスペンス。
だって、テロリストも非情だが、味方も非情だよ? OMONなんかテロリストの一味発見、即射殺だもの。逮捕して背後関係を追求するという選択肢はそもそもない。当然、ゴルゴン・システムがテロリストに奪われるくらいなら撃墜だ。緊急無線の電池は切れてるし(おいおい)、懐中電灯で交信しようとすれば、護衛のSu-27のパイロットはモールスを知らないときた。それにしても、Tu-160を操っている人工衛星を突き止めたんならそっちを宇宙のデブリにしてやれよ! キラー衛星持ってたろ! え、オトナの事情でできない? いいよオトナの事情なんか! どうせロシアとアメリカが仲良くできるなんて幻想なんだからよ~!!!
さて、ここまで読んで、
「ブラックジャックとかフランカーって、NATOのコード名じゃねぇか」
とツッコミを入れたあなた! ゼヒ見てみてくださいよ。ロシア側のシーンで「チョールヌィ(黒い)・ジャック」とか「フランケル」って言ってるんだこれが。「チョールヌィ」じゃ爆撃機(bomber)のコードじゃなくなっちゃってるじゃん!とか地味にウケた。ロシアの軍用機を紹介しているサイトを見てもNATOのコード名は必ずと言ってもいいほど入っているから、本当にロシア軍で使っているかはともかくとして、ロシアの人もあれはカッコイイと思ってるんだろう。
原題は「『07』、進路を変更す」。『07』は主人公たちが乗り組んでいるTu-160のコードである。
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