映画「蛙になったお姫さま」
1954年ソ連
監督:ミハイル・ツェハノフスキー
こ、これ、動きがすごい。アニメ特有の誇張した動きじゃなくて、舞台で俳優が演じている動きそのものだ。モーションキャプチャ以上にそのものだ。もう最初の一コマ見ただけで衝撃的だった。
それでいて、いろいろなものの原点って感じがする。三頭の火を噴くドラゴンって、悪い竜の典型的イメージなんだろうな。三人兄弟の一番下が貧乏くじを引くってのも。ちょっと馬鹿っぽい所も。でも馬鹿正直だから、結局は報われるんだけどね。
悪の大魔王は冬の擬人化ということでホッとした(何が?)。キラキラ輝いて美しいし、美しさが永遠に保たれるにしても、そこは死の世界っていうのがやけにリアル。寒い国ならではのリアリティだ。
バーバ・ヤガーが随分男前(?)だったのは意外だ。ヤガー婆さんって恐いんだけど親近感を持ってるって事なのかな? ヤガー婆さんの家ってああいう風に動くんだねぇ。おもしろい。
こういうのを子供の頃からたれ流しにして見せとくと、ロシアをたの基礎が形作られる事間違いなし、と書いてやろうと思って見始めたが、このお姫さま、今の日本の子供にはお姫さまと認識されなそうな気がした。いや、自分がそう思ったからなんだけど、等身から顔から服装から若くて美しいお姫さまに見えないよなぁ、写実的すぎて。少女マンガの顔からはみ出すほどぱっちりとした大きな目にはげげって思うし、最近アニメってほとんど見てない自分でも、子供の頃からたたき込まれているので既に相当毒されてたって事か。
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コメント
ツェハノフスキーのアニメって、すごく舞台っぽいですよね。
「野の白鳥」だったかな、一度もアップを使わない、空間的には左右にしか動かさない、という手法で挑んでいたのは。
かつ、ロシア人たちの身のこなしも普段から演劇っぽいというかバレエっぽいというか、舞台を観ているような気分になりませんか。
これとかアタマーノフの「雪の女王」の動きがまさにそれ!って思えるのです。
>こういうのを子供の頃からたれ流しにして見せとくと、ロシアをたの基礎が形作られる
あ、それ、私?!
両親が劇団勤めだったので、休日(稼ぎ時)には劇団の資料室で適当に遊んでいなさいと放り出されたのでした。
そこでマルシャークやチュコフスキーの物語を読み、「チェブラーシカ」「クルテク」「ラチとらいおん」、ツェハノフスキーやイワノフ=ワノーのアニメも観ました。
母によると、今度のお芝居はすごくセンスのいい舞台美術だわ、とか、この演出は天才的!と感心することがあると、しかし数年経ってそれらがすべてモスクワやプラハの劇団のぱくりであることがわかった・・・というほど、その劇団は東欧に入れ込んでいたようです。
それで、私が無事「ロシアをた」になったかというと、そうでもないのです。親の家業は継がなかったし、ロシア音楽とかロシア文学とかスルーしてしまったし。結局、自分が好んで観ていたわけじゃないから、「夢中になった」ではなくて、「何となく習慣的に観ていた」というものなだけで・・・確かにロシア嫌いにはならなかったけど。
投稿: Киска | 2008年10月19日 (日) 15時35分
Кискаさん、こんにちは。
いやほんとほんと。最初の方なんか、これだったらわざわざアニメにしなくても舞台で人が演じてもいいんじゃない? と思いました。
それとたまに、「ああいうしぐさ、俳優が演じているのを見るけど、誇張しているわけじゃなくて普通の人がするしぐさそのものだったんだ!」と思うこと、あります。
それにしてもКискаさんは、にわかや自称「ロシアをた」とは全然違って地に足が着いている感じがするわけです。自称ヲタクでも、理解が表面的な人もいるわけでして。小さいときに理屈でなく身に付けたものをある程度自分の住む社会の常識が身に付いてしまってから獲得するには努力が必要じゃないですか。そういう感じ。
ロシアを嫌いな人が圧倒的多数なせいか、ロシア好きってどことなく被害妄想っぽい(ロシア人自身にもその傾向があるかも)人が多いのがどうにも。両極端なんですよね。もっとロシアの映画やアニメをみんなが子供の頃から見てれば、別に好きにならなくても、ふつうの国になるかも。そうすれば、もっと映画やらアニメやら入って来やすくなってたくさん見れるようになって万々歳なんですが。
投稿: 雪豹 | 2008年10月20日 (月) 22時11分