ロシア最恐ホラー「ヴィー・リターン」
ヴィー・リターン(邦題未定)
2009年ロシア
監督:オレーク・ステプチェンコ
原作:ニコライ・ゴーゴリ
キャスト:
ジェイソン・フレミング…ジョナサン・グリーン
ペトルス…アレクセイ・チャドフ
ミス・ダッドリー…アンナ・チュリナ
ホマー…アレクセイ・ペトルーヒン
お嬢様…オリガ・ザイツェヴァ
そいつの目を見てはいけない!(トレーラー・インターナショナル版)
トレーラー冒頭の森のシーン、「ウルフハウンド」を思い出した。ウクライナっていうと、見晴らしの良い平原ってイメージだけど、本当はこういう深い森もあったりするのかなぁ? と思いながらプロットを読んだら、舞台はカルパチア山中だとか。「昔々…」の神話的世界でスラヴ人がイメージするのが深い森の中っていうのは、なんとなくわかる。それはわかるんだけど、アレクセイ・チャドフが跳び蹴り喰らわしてるシーンはよくわからん(笑)。
…ってことで、必ずしも原作に忠実ではなくファンタジー色が強くなっているようだが、やっぱり棺桶は飛ぶんだな(笑)。
監督は「オレの中のウクライナの血が騒ぐぜ~」とか言ってノリノリ(?)。舞台を18世紀初頭に設定してヨーロッパの地理学者を出すってのは、やっぱり欧米に売り出すことを意識してるんだろうなぁ。こないだ『スピリッツ』読んでタイムスリップ多すぎだろ、と思ったもんだが、日本でない国の歴史漫画に目を向けてもらうための定型の導入部なんだろうか。あれと似たようなもんか。
この監督の「シティ・コネクション」の微妙さから非常に出来上がりが心配。ぐだぐだならぐだぐだで徹底的にぐだぐだならそれはそれでいいんだけど(←B級映画間違いなし!ではある)、今回はどうだろう?
いずれにせよ、ヴィーの造形によって本格ホラーか大爆笑ホラーかが決まるであろう。で、ああいうクリチャーを実写化して成功した例ってあんまり思い浮かばないんだけど(笑)。
それに加えて、エルショフ監督の「妖婆・死棺の呪い」のリメイクというわけでもないって言ってるところもなんかいやーな予感がするんだよなぁ…(笑)。
それ以前に日本で公開されるかどうかって話だよな。
そういえば、まえに「妖婆 死棺の呪い」の時に伊藤潤二に漫画化して欲しい、と書いたが、「ヴィー」って水木しげるが既に漫画化してたんだってな(ただし舞台は日本)。さ、さすが妖怪…じゃなくて妖怪博士。
でもまぁ、伊藤潤二の絵柄のお嬢様を是非見たいので、日本公開に合わせてやってくんないかなぁ? ああ、それ以前に日本で公開…(以下、繰り返し)。
参考:
オレーク・ステプチェンコ監督、アレクセイ・ペトルーヒン出演の映画→「シティ・コネクション」
アレクセイ・チャドフ出演の映画→「レッド・スナイパー」「チェチェン・ウォー」「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」「ストリート・レーサー」「The Last Train from Roppongi」
アンナ・チュリナ出演の映画→「デッド・オア・ウェイブ」
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