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2009年5月11日 (月)

ドキュメンタリー「ロシア最後の皇帝 ロマノフ家の悲劇」

Russias_last_tsarロシア最後の皇帝 ロマノフ家の悲劇

1995年アメリカ
制作:ナショナル・ジオグラフィック・テレヴィジョン


 おや、「ソ連崩壊後はじめて明らかになった…」と謳っている割には、ニコライ2世についての認識はソ連時代に制作された映画「ロマノフ王朝の最期」とあまり変わらないぞ?
 もっとも、「ロマノフ王朝の最期」は長い間一般に上映されなかったから、その辺りに理由があるのかも知れない。エレム・クリモフ監督は資料にあたってできるだけ事実に基づいて映画を創ったけど、それは、当時のソ連の一般的な見方は隔たりがあったという事なんだろう。

 写真好きのニコライ2世や彼の家族が撮った美しい写真や当時の貴重な動く映像を大量に見ることができる。それを見せるための話だからだろうか、ドキュメンタリーにしてもかなり淡泊な感じ。
 夫婦の愛や家族愛と隠された虐殺の事実を対比する構成ではあるが、お涙ちょうだいでもなくボリシェビキの残虐さを強調するような内容でもない。そもそも、ニコライ2世って実際、無能じゃないか? いくら家族を愛する優しいパパではあっても、政治に無関心だし、臣民は皇帝を愛していると根拠なく信じているだけで彼らの暮らし向きに思いを寄せる事はなくおもしろおかしく遊び暮らしているのが好きって……。

 「血の日曜日」の元凶と見られたニコライ2世やラスプーチンを盲信して誰からも憎まれた皇后アレクサンドラ、白衛軍に奪われるわけにはいかない皇太子アレクセイが射殺されてしまうのは、それは現在の価値観からしたら酷いことだが、当時は人の命は軽かっただろうし、仕方ないと言えば仕方ない部分もある。
 ……そうだったとしても銃座で顔面を砕けるほど殴ったり、娘たち、従者たちまで皆殺しにてしまうのは痛ましい。

 それにしても、「レオ・トルストイ」、「コサック人」等々おかしな表現には実にイライラさせられる。コサックを「荒っぽい騎馬民族」とさえ言っている。民族じゃないだろ。日本語に翻訳するとき『ロシア・ソ連を知る辞典』でも何でも見りゃあすぐ出てるのにモノを調べるって習慣がないのだろうか。

ニコライ2世関連の映画:
エレム・クリモフ監督「ロマノフ王朝の最期」(DVDには一家の葬儀を伝えるテレビ映像も収録されている。)

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