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2009年6月19日 (金)

ドキュメンタリー「KGBシークレット・ファイルズ スペース・ドッグス~実験・宇宙犬~/青い血の秘密~フェイク・ブラッド~/恐怖の核実験~世界終焉への予行演習~」

KGB シークレット・ファイルズ スペース・ドッグス~実験・宇宙犬~/青い血の秘密~フェイク・ブラッド~/恐怖の核実験~世界終焉への予行演習~ [DVD]
Spacedogs_2

2004年ロシア
制作:TV CHANNEL RUSSIA


スペース・ドッグス~実験・宇宙犬~

 例のライカの話である。
 ライカの乗ったスプートニク2号は無事楕円軌道にのったものの、予定していたより太陽に近づき過ぎ、カプセル内の温度が急上昇して…。
 ライカが地上に戻る事はないと最初からわかってはいたけれども、苦しんで死んだに違いない事は実験に参加した人たちの心にしこりとして残っている。

 それにしてもおとなしい犬だな。その辺から野良犬をいわば「徴兵」してきてアストラハンの施設(今は廃墟)で訓練したそうだから、由緒正しい血統書付きの犬でもなければ子犬の頃から英才教育を受けた天才犬でもない。中には飛行直前に脱走した犬もいたそうだが、宇宙船内の映像ではどの犬も鳴いたり暴れたりしていない。原題の「宇宙野良犬部隊」ってなんだか人間を主人公にしてもありそうな題名だな。

 犬は群れで行動する動物だから、群れに所属してその中に自分の居場所を得、賢いリーダー(飼い犬なら人間)の命令に従って行動することに苦痛はなかろう。むしろ犬の自然な姿ではないだろうか。死というものを理解しないにしても、自分がリーダーに信頼され、群れの中で大切な役割をしているということはわかるのではないか。
 実験時に命を落とすのも、大きな獣に群れで襲い掛かかった時、蹄や角に引っかけられて死ぬのと犬にとっては大差ない気がする。

 特殊な才能を持って生まれながら、その能力を一度も使うことなく毎日かわいいかわいいとなでられ、食べるものにも不自由せずに一生を終えるペットとどちらが犬にとって幸せなのか。
 それは犬にしかわからない。


青い血の秘密~フェイク・ブラッド~

 人工血液の開発に文字通り命をかけたアストラハン出身の医師、ベロヤルツェフの死をめぐる疑惑。

 人工的な血液の代替物というと思い浮かぶフルオロカーボンは乳白色だが、ベロヤルツェフの開発したペルフトランは日に透かすと青っぽく見える程度の透明な液体のようだ。
 ようやく「KGBシークレット・ファイルズ」の題名に相応しい謎めいたおどろおどろしい話が出てきたぞ、とミステリーを見るようなお気楽・他人事気分で見ていたら、事件の淵源に話しが及んだとたんに飛び上がりそうになった。
 うっわー、それってミドリ十字だろ? いやいや、マジヤバイから。というか、「歴史」として語るにはまだ生々しすぎる話だ。
 …でも、内藤良一は1982年7月7日没だから。機密でも何でもない。ウィキペディアにも出てる。
 そんな感じで、じっくり見ても知識がないので手も足も出ず、もやもやしたスッキリしない気分だけ残る話なので、医療分野に詳しい方のツッコミ希望。

 それにしても、厚労省まわりの案件って何もかも黒いのな。


恐怖の核実験~世界終焉への予行演習~

 1954年9月14日。
 南ウラルのトツコエで軍事演習が行われた。当時は核戦争がリアルに差し迫った脅威であったため、より演習を実戦に近付けるために核兵器が使用された。
Totskiypoligon

 機密解除された演習の記録映像はたぶん宣伝用なんだろう。一般的には公開されていなかったとしても、例えば友好国の軍や政府の高官に見せてソ連の軍事力を誇示するために使われたもののようで、なるほどこれなら公開しても差し障りないと思える内容だ。しかし、それがかえって恐ろしい。このドキュメンタリー、どういう内容か知らずに漫然と見始めたので、
 え? 演習だよ?
 まさか実際に核爆弾使わないよな?
 4万5千人以上の兵士が参加してるんだよ?
 実戦さながらって言ってもまさか本当に地上で爆発させないよな?
 シミュレーションだよな?
信じられない思いで何度も問い返しつつ見た。ところが、爆発のタイミングさえよく制御できない段階の核爆弾を本当に爆撃機で投下したんである。
「背中にアイロンを当てたような熱を感じた」
「白い攻撃機が雲に突入して、出てくると真っ黒になっていた」
「防御服を脱いで作業した」
といった話が続出で絶句する。

 ところで、いわば火消し役でインタビューに答えている軍事史家のマフムード・ガレーエフって元の名前はガレイ(ギレイ)でハンの血筋の人? とか思った。
 まぁ、それは本題に関係ないが、ガレーエフ氏も演習に参加しており、この演習の指揮を執っていたゲオルギー・ジューコフ元帥も核爆発の瞬間にシェルターに入らずに爆発を見ていたという。そして、核爆弾で死んだ者は一人もいないとガレーエフ氏は強調する。
 「ヒロシマ」という単語は皆知っていても、放射能の危険はそこじゃないと誰もわかっちゃいなかったのだ。もしくはわかりたくなかった。兵士は核の直撃に耐え、一定時間(5時間とか)戦闘を行って敵に反撃することができれば充分で、以後のことは軍の知った事じゃないのだ。だから追跡調査も行わない。

 日本以外の国は他国からの核攻撃を受けたことはない。しかし、全ての核保有国でこの手の話はあるわけだ。ソ連の例は極端かもしれないが、核がどちらの側に牙を剥いているのか、核の傘に守られていると主張する人は一度点検してみると良い。

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