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2009年9月26日 (土)

映画「裏切りの報酬」

裏切りの報酬

2005年チェコ
監督:ジリー・スヴォボダ
キャスト:
カレル…ミハル・ドロウヒー
ルドヴィク…ヤン・ドランスキー
イヴェータ…アリス・ヴェセラー

 1990年代。今まで正しいとされてきたことが間違っていた、ということとなり、全ての価値観、全てのモラルが崩壊したチェコ。明日が見えない。生きていくための指針もない。何でもあり、というような風潮の中で、ごく普通の人までも今の最低の生活から抜け出したい、もっとでっかいことをやってやる、との欲望を際限なく抱く。
 そんな中でも踏み越えてはいけない一線というものがあるのだ。

 若手№1の実力を持つ特別機動隊員カレルは、非番の時はカジノの用心棒をして小銭を稼いでいる。…というのは表向きの顔で、裏では武器の横流しをして荒稼ぎしている。しかし、そんなものははした金。彼と仲間たちはもっと大金があればでかいことをやれるのに、と常に金づるを探している。
 そんな代わり映えのない毎日。ルドヴィクという若者がカレルに近づいてきてからなにかが狂い始める。

 ルドヴィクはコソボのアルバニア人ということだが、殺しも含めて犯罪に対する罪悪感がいっさいないから、何も恐れない。義理とか人情とかもない。麦を刈ったり魚を釣ったりするくらいの感覚で人を殺し、それを楽しんでさえいる。ルドヴィクに引きずられるようにしてカレルも殺しに荷担してしまうが、それも信義にもとるような殺しで、心から愛する女性に出会えた時に、じわじわとカレルを追いつめていくことになる。

 1990年代のなんとももやもやした雰囲気がすごくよくでている。むしろ今の日本のようでさえある。象徴的に何度も出てくる橋の映像が印象的。

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2009年9月24日 (木)

映画「バトル・オブ・リガ」

バトル・オブ・リガ [DVD]

2007年ラトビア
監督:アイガルス・グラウバ
キャスト:
マーティン…ヤニス・レイニス
エルザ…エリタ・クラヴィナ
パーヴェル・ベルモント…ギルツ・クルミンス
ゴルク将軍…ロムアルドス・アンサンス

 恋人が出征して長い間帰ってこず、いざ帰ってきてみればなんともいえない違和感を感じて結婚しないとか言い出す戦争物によくある揺れる乙女心の話か、と思って見ていたら、ストーリィ部分はまぁそうなんだけど、歴史の流れ自体が壮絶。こんなすごかったんだ。
 バルト三国のひとつ、ラトビアの歴史、特に独立時代の歴史って詳しく語られる事が少ないから、非常に新鮮に感じた。

 第一次世界大戦が終わってドイツが敗北、ラトビアは独立を勝ち取った。
 しかし、駐留ドイツ軍のゴルク将軍はドイツに引き揚げる気はない。ボリシェビキから逃れてラトビアにやってきたベルモント大佐を利用してリガへの侵攻を始める。独立に伴いラトビア軍が創設されたとは言っているが、そんなのドイツ・ロシア連合軍に比べたら赤ん坊同然。平和な暮らしをすることだけが望みのリガ市民も自分の街を守るという気概に欠ける。英仏もラトビアのような小国に親身になってくれはしない。果たしてリガを守る者はいるのか?

 おもしろいことに、みんなしゃべってる言葉がバラバラ。ロシア語しゃべる人はドイツ人に対してもロシア語でしゃべってる。あれでお互い通じてるのかねぇ?
 ベルモントはコサックなのかな。こいつも含めロシア人はなんか抜けてるような感じで、敵役なんだけど笑っちゃう。
 「ああ、ラトビア人ならピンとくるんだろうな」と思える印象的なシーンがいくつかあった。この映画を見てからラトビア独立の歴史を読んだら、「ああ、あれか!」って思いそうだ。


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