映画「バトル・オブ・リガ」
2007年ラトビア
監督:アイガルス・グラウバ
キャスト:
マーティン…ヤニス・レイニス
エルザ…エリタ・クラヴィナ
パーヴェル・ベルモント…ギルツ・クルミンス
ゴルク将軍…ロムアルドス・アンサンス
恋人が出征して長い間帰ってこず、いざ帰ってきてみればなんともいえない違和感を感じて結婚しないとか言い出す戦争物によくある揺れる乙女心の話か、と思って見ていたら、ストーリィ部分はまぁそうなんだけど、歴史の流れ自体が壮絶。こんなすごかったんだ。
バルト三国のひとつ、ラトビアの歴史、特に独立時代の歴史って詳しく語られる事が少ないから、非常に新鮮に感じた。
第一次世界大戦が終わってドイツが敗北、ラトビアは独立を勝ち取った。
しかし、駐留ドイツ軍のゴルク将軍はドイツに引き揚げる気はない。ボリシェビキから逃れてラトビアにやってきたベルモント大佐を利用してリガへの侵攻を始める。独立に伴いラトビア軍が創設されたとは言っているが、そんなのドイツ・ロシア連合軍に比べたら赤ん坊同然。平和な暮らしをすることだけが望みのリガ市民も自分の街を守るという気概に欠ける。英仏もラトビアのような小国に親身になってくれはしない。果たしてリガを守る者はいるのか?
おもしろいことに、みんなしゃべってる言葉がバラバラ。ロシア語しゃべる人はドイツ人に対してもロシア語でしゃべってる。あれでお互い通じてるのかねぇ?
ベルモントはコサックなのかな。こいつも含めロシア人はなんか抜けてるような感じで、敵役なんだけど笑っちゃう。
「ああ、ラトビア人ならピンとくるんだろうな」と思える印象的なシーンがいくつかあった。この映画を見てからラトビア独立の歴史を読んだら、「ああ、あれか!」って思いそうだ。
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