映画「ハイジャック181」
2008年ドイツ
キャスト:
シューマン機長…トーマス・クレッチマン
マフムード…サイード・ターマオウル
ウェーゲナー…ヘルベルト・クナウプ
ハンス=ユルゲン・ウィシネフスキー…ユルゲン・タラヒ
シュミット首相…クリスチアン・ベルケル
1977年10月13日、ルフトハンザ航空181便がPLOの分派PFLPのマフムードを名乗るテロリストに乗っ取られた(モガディシュ事件)。マフムードは収監されている西ドイツ赤軍RAF幹部の釈放を要求した、という実際の事件をリアルに描くテレビ映画。テレビとはいえ、ボーイング737-200の大きな機体が砂を蹴立てて砂漠に着陸するシーンなどすごい迫力。
この事件では、ミュンヘンオリンピック事件で多くの犠牲を出したという教訓から創設された西ドイツの対テロ特殊部隊GSG9が投入され、直前に起きた日航472便ハイジャック事件(ダッカ事件)とは違い、テロリストは制圧された(3人射殺、1人逮捕)。
GSG9の突入自体はほんの一瞬の出来事。しかし、背後にいると見られた東ドイツやソ連との交渉、動き回るハイジャック機を追う特殊部隊とそれを快く思わないハイジャック機に着陸された国々の説得、マスコミ対策、心理学者を交えた犯人との心理戦等々…そこに至るまでの過程での関係者の努力やシュミット首相らの決断があってこそだ。ねばり強い交渉、根回し、説得こそが事件解決の鍵になっていたのだなぁ。
こういった特殊部隊を持っていなかったダッカ事件当時の日本には選択の余地は少なかったと言える。
特殊部隊の活躍は華やかなので、それさえあれば問題は一気に解決するかのように思われがちだが、本当はそうではない。特殊部隊を持っていないことより、交渉力の欠如の方が深刻な問題なんじゃなかろうか。
参考:ミュンヘンオリンピック事件を扱った映画→「ミュンヘン」
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