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2010年9月 3日 (金)

映画「12人の怒れる男」

12人の怒れる男 [DVD]

2008年ロシア
監督:ニキータ・ミハルコフ
キャスト:
12人の陪審員…
セルゲイ・マコヴェツキー
ニキータ・ミハルコフ
セルゲイ・ガルマシ
ヴァレンチン・ガフト
アレクセイ・ペトレンコ
ユーリィ・スタヤノフ
セルゲイ・ガザロフ
ミハイル・エフレモフ
アレクセイ・ゴルブノフ
セルゲイ・アルツィバシェフ
ヴィクトル・ヴェルジビツキー
ロマン・マジャノフ

 これは本当にリメイクなのか?

 義父殺しの疑いをかけられたチェチェン人の少年の裁判。単純な事件とほとんどの人が思った。さっさと終わらせて帰りたいと皆が思う空気に耐えながら、たった一人の陪審員だけは疑義を申し立てて言う。
「一人の人間の運命がかかっているのだ。手を挙げて終わり、で良いのか?」
彼の説得が次第に他の陪審員の見方を変えていく…というストーリィだけ書くとシドニー・ルメット監督、ヘンリー・フォンダ出演の「十二人の怒れる男」と全く同じなのだけれど、合理主義の権化みたいなアメリカ人陪審員がこんな謎かけのような話で説得できたのか? オリジナルもこんな調子なのか? と不思議に思いながら見た。

 「合理的」疑いというにはあまりにも直感的というか直情的というか、捜査手法への疑い、証拠に対する信ぴょう性という有罪・無罪以前のそもそも論が一番の問題になっている。確かにこれで有罪にするのは苦しいかとは思うが、少年が無罪だと言い切れるだろうか?
 リアルな法廷モノというよりはコメディであり、「名探偵コナン」とか「金田一少年の事件簿」とかの探偵ものに近い印象。ただし、身の上話をしだすのは真犯人でなく、陪審人だけど。

 最初は、専門家であり権威でもある捜査当局がこう言ったんだから、と信じて疑わなかったり、それでいて、何十年たっても何一つ改善されないお役所仕事に誰もがうんざり。
 それでいて、これは国がやるべき仕事と無関心であったり、親方赤旗の官僚主義が色濃く残るお国柄を皮肉ってるあたりがロシアっぽいか。

 12人も主要登場人物がいるにもかかわらず皆キャラがたっててすごい。もちろん一番目立ってるのはセルゲイ・ガルマシ(差別用語をツバを飛ばしてまくし立ててる男)だけど。私のお気に入りは、カフカス出身(グルジア人っぽい)の外科医。本人は大まじめなんだけど、振り払った注射器がしゅぽーんとダーツの的に刺さったりしておかしい。

 コメディタッチではあっても、扱っている話題は重い。
 日本でも裁判員制度が始まっているが、もし自分が裁判員に選ばれた時、もう結論は出ている、さっさと終わらせようぜという空気になっていたとしたら、論理立てて説明できないが何かがおかしい、とピンと来てもこの主人公のようにはっきり反対と言えるものなのだろうか。そして、有罪であれ無罪であれ、自分の出した結論に責任が持てるだろうか。しかも、日本にはロシアと違い死刑があるのだ。考え込んでしまう。

この映画の出演者の出ている他の映画:
セルゲイ・マコヴェツキー→「72M
ニキータ・ミハルコフ→「光と影のバラード」「愛の奴隷」「シベリアーダ
セルゲイ・ガルマシ→「ヤクザガール」「ニュースメーカーズ」「怒りの戦場 CODE:PIRANHA」「カティンの森」「72M
アレクセイ・ペトレンコ→「ロマノフ王朝の最期
セルゲイ・ガザロフ→「ヤクザガール」「アンチ・スナイパー
ミハイル・エフレモフ→「怒りの戦場 CODE:PIRANHA」「デッド・オア・ウェイブ」「レッド・ガントレッド」「ヒトラー暗殺 ヴェアヴォルフ・ハント作戦」「ストーム・ゲート
アレクセイ・ゴルブノフ→「フェアウェル」怒りの戦場 CODE:PIRANHA
ヴィクトル・ヴェルジビツキー→「提督の戦艦」「コマンドーR」「デイ・ウォッチ」「ナイト・ウォッチ」「大統領のカウントダウン

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