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2010年10月 4日 (月)

映画「日陽はしづかに発酵し・・・」

Dni_zatmeniya

日陽はしづかに発酵し・・・ [DVD]

1988年ソ連
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
キャスト:
マリャーノフ…アレクセイ・アナニシノフ
ヴェチェロフスキー…エスケンデル・ウマーロフ
マリャーノフの姉…イリーナ・ソコロヴァ
スネゴヴォイ…ウラジーミル・ザマンスキー

 今年(2010年)の夏はとてつもなく暑かった…。
 舞台となっているトルクメニスタンの風景とこの映画の独特の色調は、あの暑さとやり場のないイライラを思い出させる。
 めまいがするほどの暑さだけでもやる気が失せるというのに、仕事に取り掛かろうとすると頼んだ覚えのない宅配が届いたり、どうでもいい繰り言の電話がしつこくかかってきたり、何かとお騒がせな姉が泊まりがけで尋ねてきたりしたら…。

 私だったら怒り沸騰、やけ食いするかふて寝するか、夕日に向かって走るか…到底根気のいる作業なんてやってられないだろうが、主人公のマリャーノフは半裸で汗を流しながらもガシャガシャとタイプを打って論文の作成に取り組む。…少なくとも取り組もうと試みる。

 まぁ、この程度の「妨害」だったら、気の持ちよう。
「馬鹿ばっかり!」
と世間様を罵ったり呪ったり、ごく普通の日常の範囲内で誰にでもある話。

 ところがマリャーノフの場合はそれだけでは済まないのだ。
◎次々襲い来る「妨害」にもめげず、なおも論文の作成に励んでいると、隣人が死ぬ。
→それは結局は自殺なのだが、殺人容疑をかけられ刑事に絡まれる。
◎玄関口に見知らぬ子供が行き倒れている。
→介抱してみれば、これがいかにも小生意気な餓鬼で居候させろと屁理屈をこねる。
◎強盗、しかも面倒くさい説教強盗が押し入ってきて大捕物になる…等々「妨害」はエスカレート。

 揚げ句の果てには超常現象としか言いようのないことが起こる。ところが、それに対する周囲の人たちの反応は非常に不可解…誰も彼もが明らかに常軌を逸した奇怪な現象など目もくれず、マリャーノフにちょっかいを出して邪魔することにばかり熱心なのだ。
 ここまで不条理だとこれはもう偶然ではないのではないだろうか。何者かの意思が働いているとしか思えなくなってくる。
 これはいったいどういうことなのか…。

 何かしようとすると邪魔が入るんだよなぁ、とか
 こうなるんではないかと思って準備万端何備えておくとそのことは起こらず、逆にこうなるこうなると言ってもどうせ起こらないんだろ、と備えを怠っている時にそのことが起こったりして、誰か見てるんじゃないか、と常日頃感じている人には、この映画を見てみる事をお薦めする。

 大いなる意思が働いているのかもしれませんぞ?

ソクーロフ監督作品:「エルミタージュ幻想」「太陽

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