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2010年12月30日 (木)

2010年最も印象に残った脇役

 2010年もそろそろ終わりのこの時期。
 いろいろなところで「今年最も印象に残った映画」や「今年最も売れた外国映画DVD」等々の話題がいろいろなところで上がっています。

 そこで私もまねして、今年最も印象に残った映画特集をやろうと思いましたが、ベスト10をやると今年書いたレビューほぼ全部を網羅してしまいそうな勢い(笑)。
 特に挙げれば、今でも独裁者の息子のセリフが耳に残っている「懺悔」やラストでうわぁと思った「エルミタージュ幻想」が印象に残っていると言えば印象に残っている方でしょうか。でも、新しい映画ではありません。

 そこで、比較的新しい映画の中で印象に残った脇役のことを取り上げてみようと思います。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

★今年見た映画の中で最も気の毒だった人

カッペル将軍(セルゲイ・ベズルーコフ)「提督の戦艦」より

Admiral

 主人公はアレクサンドル・コルチャークなのだが、コルチャークには同情も共感も感じないんだよなぁ。
カッペルに電話を掛け、
「約束を果たせ!」
と怒鳴ってる当の本人は、好きな女性と手を取り合って見つめ合い、自分たちの不幸ぶりにうっとりしながら、シベリア鉄道で移動。

 カッペルの部隊は、既に弾が尽きていて残された武器は銃剣と音楽(!)のみ。それで機関銃ばかばか撃ってくる赤衛軍に突撃。
 それをなんとか気迫だけで乗り切った後も、冬のシベリアを何百kmも行軍。カッペルは騎馬とはいえ疲れも溜まっていたんだろう、うっかり薄く凍った川をそのまま渡ってしまい、氷が割れて転落。それをちゃんと乾かさないまま行軍を続けたもんだから、当然のように両足が酷い凍傷にかかって切断しなければならなくなる。そんなろくな補給もない部隊に麻酔なんてあるはずもなく、暖炉の火であぶって消毒しただけの刃こぼれした刃物で切断……見てるこっちが「あんぎゃああああ!」だ。

 それでもコルチャーク(チェコスロヴァキア軍に守られて列車でアンナと移動中)の約束を果たすために真冬のシベリアを移動し続け、きちんとした休息も取らないものだから、肺炎か何かが悪化してカッペルは亡くなってしまうんだなぁ……。
 カッペルの棺を奉じてイルクーツクに向かってひたすら歩く延々と続く歩兵の列を涙なくしてみられようか!

 アンナが、
「これは謀反よ!」
と止めようとするのを見ても、コルチャークはカッペルに武器弾薬を送ろうとしないで電話口でわめいてただけ。補給物資を集めようともしなかったじゃないか。
「あんな上司に誰がついて行くんだ?」
自業自得、と冷めた目で見てしまう。

 なお、この映画の中ではチェコスロヴァキア軍団のジャナン将軍があてにならない外国人のサンプルみたいな扱いを受けているけれども、実際のチェコスロヴァキア軍団は、ロシア側や英仏のころころ変わる方針に振り回されて相当たいへんだったはず。ジャナン将軍はこの映画での扱われ方が気の毒だわな。

 

おまけ:最も日本マニア

ボルディレフ長官(ユーリィ・シリュコフ)「ニュースメーカーズ」より

Newsmakers

 日本の武装強盗の検挙率を挙げてモスクワ警察の駄目っぷりをなじるボルディレフ。

 最初見たときに車載テレビがSONYなのには気づいた。でも、主人公の一人・カーチャのノートブックもVAIOだし、
「おっ、SONYだ」
と思っただけだったのだが、執務室に日本刀が飾ってあったのに随分あとになって気づいた。

 あー、この人、日本ファンだったのか。だからあんな言動を……芸が細かい!

 それにしてはケータリングの寿司は食べたくないと言ってるのが腑に落ちず、なーんか気になっていた。

 しかし、更にじっくり聞いてみてわかった。

 字幕には出てこないけど、日本食レストランの経営者の名前、ヤンさんなんだ。楊さんなのかな(吹き替え版では言ってる)。

 真の日本通であるボルディレフは、そんななんちゃって日本食なんぞ食えるかーーー!って思ったに違いない(笑)。

 細かい、そんな細かいとこまでこだわるのか~!

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2010年12月29日 (水)

コミックマーケット79に参加しました

2011年コミックマーケット79で群雄堂書店からこんな感じのゴビの岩画の本を出しました。

Petroglypha5※イメージ画像です

めでたく完売し、文字通りの「お荷物」にならなくて一安心。1時過ぎ辺りにはなくなってしまい、せっかく来ていただいたのにお渡しできなかったのは残念でした。

 お隣がS-MIX(モンゴル帝国)さんでそれに助けられた面もありました。ジャンルとしては、モンゴルに近いですしねぇ……ってモンゴルの岩画だから当たり前か。

 群雄堂の皆さんやLEXICON歴史魂執筆者の皆さんともお話しできて楽しかったです。LEXICON掲載の作品は覚えていても、名前も覚えていないし顔は知らないし、おまけに初参加でボヤボヤしていたので、おかしな事を言ってなかったか心配です。なんかいろいろスミマセン……。

 疲れてやる気でない~、なんて言ってる場合でないと思いました。

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2010年12月 9日 (木)

映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」

ラフマニノフ ある愛の調べ [DVD]

2007年ロシア/ルクセンブルグ
監督:パーヴェル・ルンギン
キャスト:
セルゲイ…イェヴゲーニー・ツィガノフ
ナターリヤ…ヴィクトリヤ・トルストガノヴァ
フレッド…アレクセイ・コルトネフ
ドクトル・ダフル…イーゴリ・チェルネヴィチ
シャリャーピン…オレーク・アンドレーフ
マリアンナ…ミリアム・セホン
ズヴェーレフ…アレクセイ・ペトレンコ

 アメリカに亡命したロシアの音楽家(作曲家・ピアニスト)セルゲイと、その妻で幼ななじみにしていとこナターリヤ(ナターシャ)の壮絶な愛の物語。「ある愛の調べ」なんて生やさしいもんじゃない。
 とにかく、ナターシャ強えぇぇ!
 男をアクセサリーくらいにしか思っていない女性に入れ込んでその女性のために書いた最初の交響曲のコンサートが散々な結果に終わって彼女にも捨てられ、ボロ切れみたいになったセルゲイを
「あなたのように強い人にして!」
と自分の婚約者の医師に頼んだり、セルゲイと一度は愛し合った女革命家マリアンナにセルゲイとの赤ん坊を示して
「この子を見て。あの人そのものよ。私たち家族を助けて!」
と一ミリも怖じけることなく心底の真心から頼んだり……。
もちろん、婚約者もナターシャを、マリアンナもセルゲイを好きなことを知っているのに、ああいうことを言っちゃうんだもんなぁ、計算とかでなく。皆、完全に圧倒されて彼女に手を差し伸べる。

 セルゲイは明らかにラフマニノフがモデル。それっぽいモチーフがところどころに出てくるし、画質をわざと荒らした記録映像風の映像も使っているけれども、全部創作のラブストーリィであって、事実に基づいたドキュメンタリーのようなものを期待して観ると裏切られる。
 邦題にそのものずばり「ラフマニノフ」と付けてしまったのは、いつも「これ中身見たのかよwwwwww」って感じの邦題&ジャケットが芸の域まで達しているアルバトロス(←褒め言葉です)より、ある意味、悪質。セルゲイが天才だけれどもかなりの駄目男に描かれているので……。パパ大好きの娘を泣かせるとかもう最低。

 でも、日頃のストレス解消にとにかく泣けるロマンスが見たいって時にはお薦め。

パーヴェル・ルンギン監督の映画:「タクシー・ブルース」「ツァーリ」
イェヴゲーニー・ツィガノフ出演の映画:「ニュースメーカーズ
ヴィクトリヤ・トルストガノヴァ出演の映画:「レッドスナイパー 独ソ最終決戦」「レッド・ガントレッド」「シティ・コネクション
アレクセイ・ペトレンコ出演の映画:「ロマノフ王朝の最期」「12人の怒れる男

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