映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」
2007年ロシア/ルクセンブルグ
監督:パーヴェル・ルンギン
キャスト:
セルゲイ…イェヴゲーニー・ツィガノフ
ナターリヤ…ヴィクトリヤ・トルストガノヴァ
フレッド…アレクセイ・コルトネフ
ドクトル・ダフル…イーゴリ・チェルネヴィチ
シャリャーピン…オレーク・アンドレーフ
マリアンナ…ミリアム・セホン
ズヴェーレフ…アレクセイ・ペトレンコ
アメリカに亡命したロシアの音楽家(作曲家・ピアニスト)セルゲイと、その妻で幼ななじみにしていとこナターリヤ(ナターシャ)の壮絶な愛の物語。「ある愛の調べ」なんて生やさしいもんじゃない。
とにかく、ナターシャ強えぇぇ!
男をアクセサリーくらいにしか思っていない女性に入れ込んでその女性のために書いた最初の交響曲のコンサートが散々な結果に終わって彼女にも捨てられ、ボロ切れみたいになったセルゲイを
「あなたのように強い人にして!」
と自分の婚約者の医師に頼んだり、セルゲイと一度は愛し合った女革命家マリアンナにセルゲイとの赤ん坊を示して
「この子を見て。あの人そのものよ。私たち家族を助けて!」
と一ミリも怖じけることなく心底の真心から頼んだり……。
もちろん、婚約者もナターシャを、マリアンナもセルゲイを好きなことを知っているのに、ああいうことを言っちゃうんだもんなぁ、計算とかでなく。皆、完全に圧倒されて彼女に手を差し伸べる。
セルゲイは明らかにラフマニノフがモデル。それっぽいモチーフがところどころに出てくるし、画質をわざと荒らした記録映像風の映像も使っているけれども、全部創作のラブストーリィであって、事実に基づいたドキュメンタリーのようなものを期待して観ると裏切られる。
邦題にそのものずばり「ラフマニノフ」と付けてしまったのは、いつも「これ中身見たのかよwwwwww」って感じの邦題&ジャケットが芸の域まで達しているアルバトロス(←褒め言葉です)より、ある意味、悪質。セルゲイが天才だけれどもかなりの駄目男に描かれているので……。パパ大好きの娘を泣かせるとかもう最低。
でも、日頃のストレス解消にとにかく泣けるロマンスが見たいって時にはお薦め。
パーヴェル・ルンギン監督の映画:「タクシー・ブルース」「ツァーリ」 イェヴゲーニー・ツィガノフ出演の映画:「ニュースメーカーズ」 ヴィクトリヤ・トルストガノヴァ出演の映画:「レッドスナイパー 独ソ最終決戦」「レッド・ガントレッド」「シティ・コネクション」 アレクセイ・ペトレンコ出演の映画:「ロマノフ王朝の最期」「12人の怒れる男」
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