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2011年8月21日 (日)

コミックマーケット80に参加しました

コミックマーケット80に参加してからはや1週間。

あの暑さの中、買いに来て下さった方には感謝、感謝です。

しばらく呆けているうちに あの日の暑さはなんだったのか、というほど寒くなってしまいまい、 今さら感想?と言う気はするのですが、今回翻訳を見直していて気になった事があったので、書いておきます。

『モンゴル史(集史)』の中で、『アルタン=デプテル』という書物がいったいどんなモノであったのか、それは『秘史』なのかどうかという問題はたびたび取り上げられていますが、テュルクな私が気になるのは、ウィグルの歴史書についてです。

「部族篇」第三章のウィグルの項に、ラシードがはっきり書いているように、ラシードはウィグル王国に伝えられてきた歴史書を読んでいるわけですが、それがどんなモノなのか知りたい。どっかの遺跡から断片でも出土している例はないのでしょうか?
もし、『アルタン=デプテル』のように何らかの論文があれば読みたいです。

『モンゴル史(集史)』の言い回しに、「あれ、これ突厥碑文の言い回しに似ている……」という箇所がところどころあります。……と、いうか今回訳文の見直しをしていて『秘史』にもそういう箇所があることに気付き、これってカルクとかいうやつじゃね?と今さらながら思ったわけです。

テュルクとモンゴル、発想が近いのは当たり前と言えば当たり前なんですが、何の勉強もせずにお互い通じるわけではありません。それなのにこの「横のものを縦にした」ような感じから、モンゴル語書き言葉というのは、突厥語やウィグル語の書き言葉の伝統を引き継いでいるものなのかも、とも思えます。

とすると、遠回りに見えた『モンゴル史(集史)』の翻訳も脇道ではなかったのかもなぁ、なんて思えてきます。

そんな感じなので、いずれ他の章を出すとかオフセット化するとかあると思います。……いや、頑張って訳せや、自分!って感じですけど。
今回の「部族篇」第三章でも、これはこうじゃないかとか、この説明ではわからないとか、フォントの大きさが違ってるとか、何か気付いた事があれば、教えていただけるとうれしいです。

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2011年8月17日 (水)

映画「JIGSAW ザ・リアリティショー」

JIGSAW ザ・リアリティショー

2008年ロシア
監督:ヴァジム・シメリョフ
キャスト:
サーシャ…ドミートリィ・クバソフ
ヤナ…エヴゲニヤ・ヒリフスカヤ
パーシャ…アルチョーム・マズノフ
エゴール…イヴァン・ニコラエフ
アレクス…スタス・エルドレイ
リカ…カリーナ・ムィンドロフスカヤ
ヴェーラ…イェカテリーナ・コパノヴァ
ナースチャ…ヴェロニカ・イヴァシェンコ
ダーシャ…イェカテリーナ・ノシク
フョードル…スタス・シメリョフ
アリサ…アンフィサ・チェーホヴァ
プロデューサー・キリル…アレクサンドル・マカゴン

 猟期的な事件が起こると、日本のようにマスコミが連日よってたかって報道するような国でも、たとえば宮崎勤事件にまつわる秘話、のような形で都市伝説じみた噂がまことしやかに語られたりする。
 ましてや、チカチーロのようなシリアルキラーが何年もの間跋扈していながら一切報道されなかった旧ソ連のような社会では、その手の話は生まれやすいはずだ、と思っていた。

Semenovs_footnotes

 新番組撮影のためにオーディションで選ばれた10人の若者(サーシャ、ヤナ、パーシャ、エゴール、アレクス、リカ、ヴェーラ、ナースチャ、ダーシャ、フョードル)。ソ連時代の子供たちが夏休みなどに参加していたキャンプ施設跡地に隔離された若者たちのリアルなサバイバル・ゲーム、といった趣向の番組なのだが、リハーサルで脱落者に選ばれたフョードルが本当に頭を矢で射貫かれて死ぬ。
 この事故映像が生放送で流れてしまい、放送は「技術的な理由で」打ち切られる。しかし、「撮影」は続いている。番組司会者のアリサも含め、閉鎖されたキャンプ跡地に閉じ込められてしまっていた。そして、誰もが子供の時に聞いたことがある「子供の怪談」になぞらえる形でひとり、また一人と殺されていく。実はこのキャンプ、過去に悲惨な殺人事件があったのだ。

…というホラーの王道のような話だけれども、その「子供の怪談」がとても興味深かった。

Semenovs_footnotes

 原題の「S.S.D.」というのは、「ソ連の子供たちに死を」という意味で、怪談の中の一つの中に出てくる。ソ連なんてもうないのに、その呪いのために俺ら殺されちゃうの?っていう理不尽さが何とも良い(?)雰囲気を醸し出している。キャンプの廃墟ぶりや殺人鬼のスピーカー越しの声もいい感じ。
 こうしてオーソドックスなホラー本編を楽しみながら、ソ連時代でも子供たちはキャンプで消灯後、真っ暗なベッドでこういう怖い話をしあったんだろうなぁ、というのをうかがい知ることができる、一粒で二度オイシイ映画。日本でも似たような話あるぞっていうのから、いやいやそれどこが怖いの?ってのもある。いわばロシア版「学校の怪談」。
 こうした怖い話は、ソ連がロシアに戻っても時代に合わせて形を変えながら言い伝えられていくんだろう。

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2011年8月 8日 (月)

映画「オーケストラ!」

オーケストラ!

2009年フランス/イタリア/ルーマニア/ベルギー/ロシア
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
キャスト:
アンドレイ・フィリポフ…アレクセイ・グシュコフ
アンネ=マリー・ジャケ…メラニー・ロラン
オリヴィエ・デュプレシス…フランソワ・ベルレアン
アレクサンドル・グロスマン…ドミートリィ・ナザーロフ

 パリにやってきたロシア人たちのフリーダムぶりは充分ありそうで笑ってしまう。

 招聘したフランス・シャトレ座の内情もひどいのだが、彼らが常識人に見えてしまうほどのでたらめぶり。海外へ行ってもお行儀がよいと評判の日本人からすると、これほどまでに周囲に迷惑をかけまくる非常識なオトナがいるはずはない、荒唐無稽だ、と決めつけられてしまいそうだが、ロシア人を日本に呼んだことのある人なら、誇張はされていてもこんなのよくある~、あるいはちっとも大げさでない、ロシア人ってこういう連中だよなー、と苦笑するかもしれない。

 予告編を見たときは「ジャズメン」のリメイク? と思ったが印象は全然違い、むしろ実際にロシア人をフランスに呼んだ時の驚愕の経験が映画を作ろうという動機になったのでは?とさえ思える。

 ブレジネフ時代にボリショイを追い出されて…とか、シベリアに送られて死んだ…というのが何とも手応えが遠くピンと来ない感じがするのだが、ソ連崩壊の混乱で……というのではジャケの年齢が足りなくなってしまうからだろうか。少々無理な設定のような気もするが、30年もブランクがありリハーサルもしてないのに(だから演奏の出だしはかなり酷い)、ジャケが演奏を始めると神がかったような演奏に変貌していくのに比べればよっぽど現実的かも。この辺りになるとかなりな力業で、もう笑うしかない。このアクの強さが癖になる、なかなか味のあるコメディだった。

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2011年8月 7日 (日)

『モンゴル史』部族篇@日西む10b

 以前当ブログで連載していたラシード=アッディーン『モンゴル史(集史)』部族篇の第三章の改訂版をコミケット80で出しまする~。『ゴビの岩画』と同じく群雄堂(8月14日(日)西む10b)にて。

Page003

表紙はいまのところこんな感じ。JPEGにしたら何か汚くなっちゃったけど、コピーではきれいに出るはず。

 ブログ記事はもう3年も前でしたか。

この間に、「グユク=ハン紀」やら何やらを翻訳したりしてぼちぼち勉強した成果でしょうか。当時よくわからないままアップしてる箇所を大幅に訂正、自分メモ的で恐縮ですが、訳註を大量投入しています。

 ロシア語からの重訳ではあっても、ロシア語版に付いているセミョーノフの註もモンゴル研究史的に意義のあるものです。必ずやモンゴル好きの心の糧となることでしょう。……と自画自賛してみる。(笑)

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