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2011年12月25日 (日)

『ゴビの岩画』第二版@31日東U-39b

な、なんだってー!
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と、いうわけで『ゴビの岩画』第二版は12月31日、コミックマーケット81にて発売です。初版を買ってくれた方は、こちらも参照

ゴビゴビした雰囲気で盛り上がっていただければと、パブーにゴビを舞台にした時代小説(笑)『ゴビに生きる』もアップしておきました。読んでからコミケットに来るもヨシ、『ゴビの岩画』を片手に読むもヨシ。

場所は群雄堂さん(下記参照)。『ゴビの岩画』の他にも歴史関係の本をイロイロ出しているから見に来て下さい。

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『ゴビの岩画』はもうできあがっていまして、印刷があまりにもいいできで初めて見た時は興奮しました。 表紙は昨年の初版(コピー版)よりやや軟調にスキャンし直したのですが、ここまで階調が出るもんなんですね。

でまた裏表紙が心憎い。

左の縁が切れてもいいや!くらいギリギリに作ったのですが、少し背表紙側に寄せてくれたみたいですね。確かにできあがったのを見ればこの方がバランスが良い。

一応、自宅で出力はしてるんですが、裁ち切りの様子はわかりませんからねー。こんな短期間に印刷しても、細やかに気を遣ってくれているみたいです。

それに、写真をいじっている時は気がつかなかったのですが、遠くの山並みがしっかり写っています。その辺の写真屋でプリントすると、真っ白にぶっとんじゃって見えないことがあるいんですが、ちゃんと階調が出ています。ゴビで遠くの山並みが見えるというのは私的には非常に重要なポイントなんです。

是非、手にとっていただきまして、ピンときたら家に連れ帰って欲しいなーと。

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2011年12月17日 (土)

コブスタンの岩画(アゼルバイジャン)

『ゴビの岩画』Second Edition完成記念!

 そもそも最初の海外旅行の時から岩画を撮ってたんだなー、という写真のネガが出てきたのでアップしてみます(→のサイドバーの「コブスタンの岩絵」からどうぞ)。

(使用機材は確か、カメラ…OM10、レンズ…標準50mm、フィルム…Kodak ca100だったような)

 こんな感じです。

Az234_2※人なんだろうけど、足がカエルっぽいなーと不思議に思っていたが、上に舟があり、波のような模様があるところを見ると、海中で何かを採っている絵なのかも  
 
 
 
 
 
 
 
 

 場所はアゼルバイジャン(当時はソビエト連邦アゼルバイジャン共和国)バクー近郊のコブスタンという所です。当時は旅行会社の人に
「ここは専門家の行くところだ(素人の行くようなところではない)」
と暗に行くのを止められましたが、最近世界遺産に指定されたそうで、今は観光地となっていることでしょう。

 

Az303※ウシは角の特徴からおそらくオーロックス(ヨーロッパ原牛)。上にヤギっぽい動物も見える。  
  

 ところで、こういう絵のことは英語でPetroglyphといい、ロシア語でも同じ(Петроглифы、複数形)で、まさにゴビ本の題名なのですが、この本の日本語の題名付ける時、随分悩みました。

 コブスタンの古代絵画のように洞窟にあるものなら「洞窟壁画」と訳せば良いし、実際、世界史の教科書にたとえば「ラスコーの洞窟壁画」というふうに訳されていたような気がします。

 しかし、ゴビのPetroglyphはゴビ本の口絵にあるように、洞窟でもない壁でもない所に描かれています。

 で、日本語としてこなれていないような気はしたのですが、展覧会のカタログなどでたまに見かける「岩画」としたのです。聞き慣れない言葉だなぁ、と思われるかも知れませんが、そういった次第でして苦渋の選択なんです。

Az237※じっと見ていると、ウシ、ヒト、舟などが見えてくる  
 
 
 
 
 

 なお、ここの岩画に色が付いているのは、テレビ撮影用にチョークで塗ったとガイドさんが言っていました。本来は上の写真のように岩肌に線刻されているだけで非常に写真にしにくいものです。

 今回、『ゴビの岩画』第二版を作るに当たって岩画の日本語の資料を探し回って見付けたオクラドニコフの『黄金のトナカイ』を読み、いかにもチョークでなぞってますー的な写真を見て思わず、
「塗ってんじゃん!」
と突っ込みを入れてしまいましたが、ゴビのように岩の表面を削ると色が違うという写真向きの岩画はむしろ珍しいのかもしれませんね。

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2011年12月 3日 (土)

映画「我が友イワン・ラプシン」

我が友イワン・ラプシン(アレクセイ・ゲルマン DVD-BOX)

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1984年ソ連
監督:アレクセイ・ゲルマン
キャスト:
ラプシン…アンドレイ・ボルトネフ
ナターシャ…ニーナ・ルスラーノヴァ
ハーニン…アンドレイ・ミローノフ
ザナドヴォーロフ…アレクサンドル・フィリッペンコ
パトリケーエヴナ…ジナイーダ・アダモーヴィチ

 ラプシンや語り手「私」の父ザナドヴォーロフたちは、ソ連のとある地方都市の刑事だ。人を殺して死刑宣告を受けながら脱獄してなおも殺人を続けるソロヴィヨフという悪党を追っている。

 恋あり、友情ありの青春刑事もの…なんだけど、ラプシンもザナドヴォーロフも40歳なんだよな。確かに警察の寮でふざけ合ったり、寮の管理人(?)のパトリケーエヴナおばさんに悪態つき放題だったり、酔っぱらって暴れたりする様子はオトナと言うには幼稚過ぎる気はするが、後で結婚して寮を出たのに戻ってくる人もいるくらいだから、プライバシーもない大部屋に野郎どもがごろごろしてるようなむさ苦しい環境でも、こここそが自分の家で、気の置けない連中だからこそ悪戯し放題なんだろうな。

 そこにラプシンたちの友人ハーニンが転がり込んでくる。ハーニンは妻を亡くして死にたいくらい悲しんでいるのだが、表面上は何もないように明るく振る舞っている…。

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。

 わずか数分でどんな事件が起こるんだろう、とすっかり引き込まれるオープニングもすごいが、いったいどんなマジックを使ったのか、ラプシンたちが青春していた1930年代のソ連が甘く懐かしく感じられ、胸がきゅっとするエンディングにも呆然とする。第二時世界大戦の前のソ連の日常生活なんて何にも知りゃあしないのに。

 ただ、「私」がこの物語を「悲しい話だが物語ろう」と話し始める点がどうも引っかかる。

 注意深く見てもさして悲劇的な点はなかったと思うのだが…。あるいは、貧しくても明るい未来が待っている、と思えたあの頃にはもう戻れない、自分もこの国も、ということなのかな? でも、いまいちしっくりこないんだがなー。

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