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2012年3月17日 (土)

映画「アンチ・スナイパー」

アンチ・スナイパー

2010年ロシア/ウクライナ
監督:セルゲイ・ソコリュク
キャスト:
アレクセイ・ポゴジェフ…イリヤー・シャクゥノフ
マルガリータ・ニコリスカヤ…オリガ・フィリッポヴァ
カドゥイシェフ局長…セルゲイ・ロマニュク
サーシャ…ドミートリィ・ソヴァ
ナターシャ…アンナ・クジナ
ザメリン…イーゴリ・フィリッポフ
オヴェチキン…セルゲイ・ガザロフ
ヴィクトリヤ…エヴゲニヤ・グラジー
老人…ヴラジーミル・ゴロヴィン
マルケロフ…アンドレイ・チュプチェンコ

 狙撃事件を専門に捜査する部署、通称アンチ・スナイパーの刑事ポゴジェフたちが活躍する「アンチ・スナイパー」シリーズの第三弾と第四弾のカプリング。
 専門の部署がいるほど(架空だとしてもそれがドラマの設定として成り立つほど)ロシアやウクライナは狙撃事件が多いのかよ~、と突っ込みたくなるが、第三弾の犯人「ジョーカー」が国際大会に出場経験もある元射撃の選手、第四弾の「長距離狙撃手」がある地方の伝説的名猟師の孫+αと聞くと納得してしまう。兵役もあるし日本よりは銃に親しむ環境にあるわな。狙われてる方のボディーガードもみんな銃持ってるし。

 最初、ポゴジェフはぐでんぐでんに酔っ払って敵も味方もわからないほどぶっ壊れてたので、落ちこぼれ刑事が何かの拍子に難事件を解決…というタイプの刑事物かな、と予想したが違った。
 たぶん、ポゴジェフは前2作で恋人を死なせているのだ。冒頭の回想シーンはそういうことらしい。新しい恋を見つけてその人のために新たな一歩を踏み出す、というのが第三弾「新たなステップ」(DVDの前編)、それを受けての第四弾「過去からの銃声」(同後編)なのだろう。それぞれ別の狙撃事件を扱っていて犯人は別人、それぞれ完結しているが続き物である。

「新たなステップ」
 銀行家のオヴェチキン、薬局チェーンの社長イヴァシキンが次々と狙撃される事件が起こった。死者はおらず、たまたま撃ち損じたのか脅しのためにわざと外したのかはわからない。わざと外したとしたら、襟先を撃ち抜く等ものすごい腕の持ち主ということになる。
 オヴェチキンは別の銀行の経営者カリタとトラブルを抱えていることが明らかになる。更に、過去にオヴェチキンの妻ヴィクトリヤと結婚した男は皆不審死していたことも。足を打たれたオヴェチキンの護衛に話を聞きに行き、病院で美しすぎる看護師ニコリスカヤ(マルゴ)に一目惚れして急速に立ち直ったポゴジェフは、遺留品の状況から、二つの事件の狙撃犯は別人ではないかと考えているが確証はまだない。
 そうこうしているうちに第三の狙撃事件が起き、そしてオヴェチキンが…。

「過去からの銃声」
 マフィアのボス、ミーニャが殺された。そして別のマフィアのボス、チビスも。どちらも2Km以上離れた場所から狙撃されており、現場には特徴的な結び方でリボン状の物が結びつけられていた。それはターゲット付近の風向・風力を見るためのものであり、狙撃犯がプロであることを物語っていた。
 ポゴジェフはミーニャの妻タマラの言動から、ミーニャの部下たちによる権力闘争なのではないかという感触を得ていたが、別のルートからは他のマフィアのボス、シヴィが企んだこととのたれこみがあった。そんな折、四つのマフィアを統括するボス中のボス「老人」からポゴシェフの携帯に電話が入り…。

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

 他人の国ながら、犯人を射殺して事件解決!っていうのはどうかと思う。捕まえて動機や背景を明らかにしようという発想はないのか?
 そういう意味では、現代日本じゃ成り立たないよな、この話は。江戸時代を舞台にした十手物だったら、人情話っぽくてありそうだけど。まぁ、日本やアメリカと違い、何でもありってところがロシアや旧ソ連の国のドラマのおもしろいところでもあるんだけど。

 狙撃がメインのストーリィではあるものの、ポゴジェフにもサーシャにもならず者と格闘するシーンがある。でも、一番気に入ったのは、分析官のナターシャがサーシャを助けて戦うところ。小柄なお嬢さんらしい戦い方で、その辺にあるモノを手当たり次第に武器にする判断力の早さで勝つところがリアリティあるなぁ、と感心した。マフィアの用心棒みたいな連中相手に体格ではどうしても負けちゃうから、どんな格闘技をやってるって設定にしても嘘くさくなっちゃうもんな。

 それにしても、カドゥイシェフ局長がアフガニスタンで狙撃兵をやってて実戦で学んだなんて話が出てきた時には、ソ連のアフガン侵攻ももうそんな昔の話になってしまったか…と感慨深かった。

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2012年3月 3日 (土)

映画「チェチェン包囲網」

チェチェン包囲網

2008年ロシア
監督:アレクセイ・ウチーチェリ
キャスト:
ルバヒン…ヴャチェスラフ・クリクノフ
ヴォフカ…ピョートル・ロガチェフ
チェチェン人の若者…イラクリィ・ムスハライア

 邦題から想像されるような痛快戦争アクションではなく相当酷い話なので、視聴には注意が必要。どんなに非道い状況の中でも、自分一人でも人間らしさを失わずにいたいと思う人はこれを見て考え直した方が良い。

 原題は「虜囚」で、捕虜になったチェチェン人の若者がたいそう美しい。美少年というか美人さんって感じ。ロシア兵に撃たれて倒れ、目だけ上げた時に既にきれいな人だなって思った。脱いだら実は女の子?なんてマンガっぽい展開を想像してしまったくらい。
 しかし、チェチェンがらみでそんな甘いお話しなわけがない。いったん兵役に取られれば人間をやめなきゃならないって事を具体的に見せてくれた。後味が非常に悪く繰り返し見たくはないけど、チェチェンの件が過ぎ去った過去でないことを思い知るにはいい映画だったかもしれない。

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