ドラマ「アフガン・ハンター」
2010年ロシア
監督:セルゲイ・チェカロフ
キャスト:
オコバルコフ…アレクセイ・セレブリャコフ
マヌイロフ…フセヴォロド・ホヴァンスキー=ポメランツェフ
将軍…ボリス・ガルキン
ノヴィコフ…イーゴリ・ミルクルバノフ
ソ連時代、アルメニア人とグルジア人の仲の悪さはよく小話のネタになったもんだった。
このドラマの中でコンビを組んでるアルメニア人とグルジア人が年がら年中「グルジア料理の方がうまい」だの「おまえの国には海がない」だの張り合ってるのを見て笑ってしまった。アゼルバイジャンとアルメニアが本当に殺し合ったナゴルノカラバフ紛争以後はそういうことはあまり言われなくなったように思うが、あれは所詮「千葉と埼玉ははりあってる」程度の戯れ言だったんだな。そんなソ連時代の雰囲気を味付けにしつつ、やはりかなり現代的解釈の「アフガン」だと思った。
とはいえ、ロシアものはやっぱりロシアものなんだよなぁ。
全4回のテレビ・シリーズ。原題は「キャラバン・ハンター」。
1987年のアフガニスタン。パキスタンのアメリカ人顧問の下で軍事訓練を受けているアフガンゲリラたちがスティンガーを入手した。既にスティンガーがアフガニスタンに持ち込まれているらしいとソ連軍側も察知した。
武器弾薬を運ぶキャラバンの襲撃に幾度となく成功して「キャラバン・ハンター」と異名をとるオコバルコフの部隊にスティンガーを入手せよとの命令が下る。
前半二話分を見て、ロシアにとってアフガンもこんなお気楽戦争ドラマになっちまったか、とため息をつきながらDVD一枚目(前編)をトレイから取り出し、二枚目を見出したら後半がぁ……。
犬も殺せない新兵のマヌイロフをはじめお調子者のブホフ、普段はモスクワにいて自分の保身ばかり考えているノヴィコフ等々登場人物の役割はある程度類型化しているけれども、前半90分あまりの短い時間でひとりひとりの性格・役割を記憶に定着させ感情移入させるにはあんまり奇抜な設定でも困る。その点では定番の戦争ドラマなので安心して(?)見られた。
結末だけ取り出してみてしまうと、主人公が死ぬのがざらなロシアの戦争映画の中ではマイルドな部類だろうけど、テレビ・シリーズだよ? お茶の間にこんなの流すかって話ですよ。
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