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2012年5月25日 (金)

ドキュメンタリー「チェルノブイリ・ハート」

チェルノブイリ・ハート

2003年アメリカ
監督:マリアン・デレオ

 汚染地域で健常児の生まれる確率が15~20%というおそるべき数字にはぎょっとしたが、それはちゃんと統計を取った結果なのだろうか。医療現場の人間がチェルノブイリ事故以前に比べて障害児の生まれる確率が劇的に上がった、という印象から言っているように見える。そもそもソ連時代にこういった否定的な現象に関する正確な統計があるのだろうか?

 原発事故後に増えた水頭症やチェルノブイリ・ハートと呼ばれる心臓に穴の空いている障碍には治療法があるのに受けられないとか、安易に子供を産んでぽいぽい遺棄するといった問題は、いずれも原発や放射能のせいではなく、社会制度や社会のモラルの問題なのではないだろうか。

 もちろん、原発事故によってそういったひずみが顕わになったという側面はあるだろうが、水俣病だろうが薬害エイズだろうが変わらない。全部チェルノブイリの事故が悪いんだ、という話ではない。

 アメリカでは普通にできる手術が心臓の穴に当てるパッチが高すぎて買えないのでできない、というのはそれはまた別の問題であって、こういう所こそ慈善団体の出番じゃないか。

 原子力災害の問題点をえぐる、といった作品でなく、ただただ、恵まれない子供たちに愛の手を、って話になってる。もちろん、一人一人を手助けするのが一番大切なことなんだろうけど。

 むしろ、本編の「チェルノブイリ・ハート」よりも、一緒に収録されている、原発事故で強制移住させられた若者が、廃墟となったプリピャチの昔の自宅を訪ねる「ホワイト・ホース」の方が地味にきつい話だったな。

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