映画「フランス特殊部隊GIGN ~エールフランス8969便ハイジャック事件~」
フランス特殊部隊GIGN ~エールフランス8969便ハイジャック事件~
2010年フランス
監督:ジュリアン・ルクレール
キャスト:
ティエリー…ヴァンサン・エルバズ
ドニ・ファビエGIGN司令官…グレゴリ・デランジェール
「…その場合には撃墜せよ」
170名以上の人質を乗せた民間航空機に、フランス政府はよくこういう決定が下せたな、と驚嘆する。アメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日)後の現在ならいざ知らず、エールフランス8969便ハイジャック事件が起こったのは1994年なのだ。航空機をエッフェル塔に突っ込ませる、などという「馬鹿げた」分析は信じられないのが普通の感覚だろうと思うのだが、それはあまりにも日本人的な危機管理能力のなさの表れなのかもしれない。
その他にも、GIGNが強襲(L'assaut、この映画の原題でもある)した場合、GIGNに10名、乗客に30名の死者が出るとの分析に現地にその数だけの棺が搬入されるシーンでは、
「こんな事日本ではできない…」
と唸ってしまった。少なくとも表だっては。客観的に見て死んでいるとしか考えられない人を捜索する時でさえ、そうはっきり言ってしまう事は忌避されるではないか。
我々は普段、事件や事故の映像を「映画のように」興味本位で見てしまいがちだ。
しかし、この映画ではいつしか当事者のような気持ちでこの事件を報じるニュース映像を見るようになっていた。事件の経過を丹念に淡々と描き、それでいてドキュメンタリータッチというわけでもないのだけれども。もちろんお涙頂戴などでは断じてないが、物語の最後、ティエリーの幼い娘の
「パパはどこ?」
には泣かされる。
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