映画「国家の女リトルローズ」
2010年ポーランド
監督:ヤン・キダヴァ=ブロンスキ
キャスト:
アダム・ヴァルチェフスキ…アンドレイ・セヴェリン
カミラ・サコヴィチ…マグダレナ・ボチャルスカ
ロマン・ロゼック…ロベルト・ヴィエスキエヴィチ
ドロータ…ジュリア・コルナスカ
あんなにも愛していた男(ロマン)が、自分を仕事の道具に使おうとしているとわかった時のカミラの涙に見ているこちらもたじろぐ。1968年ポーランドで起こった3月事件を背景に描かれる恋愛映画。
最初カミラとロマンはラブラブで会うとセックスばかりしているので濡れ場多めであるが、カミラの姿態はエロいというよりは美しい。劇中「男であれば誰でも抱きたくなるような」体だと言われるが、男でも女でも子供でも老人でも撫でたくなるような背中だよなぁ、と思った。そう思った途端にロマンが撫で撫でしていて、そう思うのは私だけじゃない、と確信した(笑)。
第三次中東戦争を受け、ポーランド国内でも反ユダヤ主義が頭をもたげてくる中、内務省の職員であるロマンも反ソ的な人物を検挙して実績を上げなければならなくなった。なぜ反ソ的な人物=ユダヤ人になるのか謎なところだが、ヘイトクライム(国家ぐるみでやってるからクライムじゃないんだろうが)ってそういうもんか。
ロマンは怪しいと見込んだ有名作家で大学教授のアダムの身辺にカミラを潜り込ませるのだが、本当に大切な女だったら仕事の道具に使うなよ。逆に最初からそういう目的のために近づいたんだったら最後のアレ(ネタバレに付き特に伏せる)は何なのよ?って感じで、自分の保身ばかり考えているちいせぇ男なんだよな。見ながらカミラにそんな酷いヤツとはさっさと別れたほうが良いぞ、と何度助言したくなった事か。
そんな酷い男でも、カミラは彼は信念のためにやっているのだ、と自分を納得させたのだろうか。精力的にターゲットとなった作家アダムに近づいて寝る間も惜しんでタイプして彼の言動を密告する毎日。
カミラがアダムを知れば知るほど引かれていって、アダムの娘のドロータとも仲良しになっていくのを見てよしよし、と思ったものだ。
しかし、アダムとカミラが結婚してめでたしめでたし…で終わるはずもない。
三月事件の結果、三人の関係は悲劇的な結末を迎える。
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