映画「トロール・ハンター」
2010年ノルウェイ
監督:アンドレ・ウーヴレダル
キャスト:
ハンス…オットー・イェスバーセン
トマス…グレン・エルランド・トスタード
ヨハンナ…ヨハンナ・モールク
カッレ…トーマス・アルフ・ラーセン
フィン・ハウガン…ハンス・モーテン・ハンセン
ストルテンベルグ首相…イェンス・ストルテンベルグ
トロールは、何年か前に逆立ったパステルカラーの髪を持つトロール人形
が流行ったので日本でもお馴染みな、北欧を代表する妖怪・妖精の類である。
近頃ホラー映画ではすっかり定番になったモキュメンタリーの手法で撮られているのはわかるのだが、どういうスタンスの映画なのか…つまり、ノルウェイではトロールをどの程度のモノと見ているのか、デイダラボッチや鬼レベルの妖怪とみているのか、イェティやツチノコレベルのUMAと見ているのか判別がつかず、モヤモヤとした気持ちで見た。
まーこのモヤモヤを味わうのもモキュメンタリーの醍醐味の一つなので、それを楽しみたいんだ、という人はこれから先を読んではいけません。
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一番最後で、ストルテンベルグ首相(本人が出演)が記者会見でついうっかり、トロールの存在に言及してしまう場面で、あっ、この映画ジョークフイルムだ! と大爆笑してしまった。このジョーク、本気すぎるわ。首相が出るとか力入れすぎ。ノルウェイ人ってこんな愉快な連中だったのか~~~。
ダミーの熊の死体を調達する業者がポーランド人らしい胡散臭いオヤジだったり(ポーランド人ってそういうイメージ~笑)、ロシアの熊は寒い地方に住んでいるので北欧の熊とは生態が違うとか言ってたり(いやいや、あんたらの国だって充分寒いだろうが~)、メン・イン・ブラックのパロディみたいな組織が出てきたりと、ツッコミどころ盛りだくさんなのに真面目くさって撮ってるんだもん。トロールもB級とは思えない出来(一番最初のはイマイチ?と思ったが、後に出て来るのは非常にリアルで充分実在する生き物に見えた)。なので、最後まで半信半疑気分を継続でき、非常に楽しめた。ただ、冗談の通じない人には、「これのどこがおもしろいの?」って言われちゃいそうな気はちょっとする(笑)。
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山のように変わりやすい天候、低い雲、すとんと落ちる氷蝕地形のためフェリーが普段の足になっている交通事情、コケのような下草しかない森……ノルウェイの普通の風景だけでも見応えがある。トロールについての昔話をベースにしたらしいエピソードが幾つか入っているようだ。北欧ファン必見ですぞ。
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