映画「エッセンシャル・キリング」
2010年ポーランド
監督:イエジー・スコリモフスキ
キャスト:
男…ヴィンセント・ギャロ
米兵を殺して追われる男。まるで市街地に迷い込んだヒグマのように銃で追い回され、時には反撃しながら、帰巣本能に従ってひたすら逃げる、逃げる。
彼には何か正当な理由があるのかもしれない。しかし、それはまったくわからない。
逃げるという行為に集中しているせいか、この映画を見ていると普通の生活上してはいけないことが悪いことをしているように感じられない。それこそ題名のように、人を殺すことにさえ葛藤がなく必然であるように感じられてしまう。見てるうちに気持ちがこの映画の世界に取り込まれてしまうんだろうな。
例えば、このひげ面の男が、赤ん坊に乳を飲ませている女にむしゃぶりつき、銃で脅しておっぱいをチューチュー吸うシーンなんて、見てるときは「あー、腹減ったんだな」くらいにしか思わなかったが、ここに感想として書いてみると結構ショッキング……というか変態じゃん!
この男、逃げられるのかな、でも逃げる所なんてあるのかな……というのも気になるけれど、そういう妙な感覚を味わえる不思議な映画だった。
地味そうに見えて、この映画、実はすごいマジック使ってないか?(笑)
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