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2012年12月25日 (火)

コミックマーケット83に参加します

 もう1週間を切ってしまいましたが、群雄堂書店コミックマーケット83に参加します! 2012年12月29日(土)東地区“P”ブロック-05bです 。
 残念ながら私は新刊なしですが、『モンゴル史 部族篇1』『ゴビの岩画』はまだありますので、夏に買えなかったという方はどうぞお一つ…いえ、お二つでも三つでも大丈夫です(たぶん)。

 思い起こせば、今年の夏コミ。我ながら頑張りました。
 自分の時間をほぼすべてこれに投入しても遅々として進まず、こんな暑い日は外出歩きたいのに~、と欲求不満が溜まりに溜まりました。
 その反動で、原稿が終わってからは癒しを求めて(?)近場の古墳を徘徊しておりました。まぁ、ブログに書いた通りです。

 更に、他人の書いたものの翻訳ばかりだと、思うままに文章を書けないストレスは知らず知らずのうちに蓄積されていくもののようで、
「一カ月だけ…ほんの一カ月だから…いいよね? ね?」
と妄想(自分ではラノベのつもり)を書き綴る甘美な萌えの世界に浸ってしまったのです。八~九月頃のことでしょうか、それが間違いの元でして。
 舞台を極東共和国(1920-1922)(とちょっぴり関東大震災前の東京)を選んだもんだから、息抜きが息抜きでなくなり、調べものに振り回され、一カ月の息抜きどころの騒ぎでなく、今までかかりっきりになってしまったワケです(そこ!「予想通りwww」って言わない)。

Siberia1
Heir(エア)』の挿絵より。極東・シベリアの雪原
カシミール3D/カシバードで作成したCG

 おまけに「無名の師(むめいのいくさ、大義名分のない戦争)」だとか「近・現代日本史上最大最悪の恥部」だとかのキャッチフレーズに事欠かないシベリア出兵の話を読まなければならない状況は精神汚染が半端じゃない(←エヴァ?笑)。
 だってさ、アムール川だのアルグン川だの聞きなれた地名が頻出する場所で、日本軍がパルチザンの根城とみなした村の人々を小屋に押し込めて焼き殺したり、革命の指導者を生きたまま機関車の釜に投げ込んだり。何とも言い表しようのないいやーな心待ちになるじゃあございませんか。同盟国に出兵して良民を虐殺ですよ? 映画「炎628」のドイツ軍が似たようなことやってますが、あれはちゃんと宣戦布告してる敵国ですからねぇ(だからといってやっていいってわけではないですが)。

 それでも、良い勉強になったと思える一面もあります。
 それは、無意識のうちに歴史上の事象を現在の常識で解釈していた、と思い知らされたことです。

 漠然とシベリア出兵は共産主義の脅威が広がるのを阻止するための出兵かと考えていたのですが、特に当時の新聞を読んで違和感を持つようになりました。もちろん、当時の新聞は検閲を受けていますが、日本以外の出兵した国々でも主要な目的は共産主義そのものに反対するということが主目的ではないんですねぇ…。
 どうやら、私は冷戦期のドミノ理論的考え方をこの時代に無意識に適用していたようです。もちろんこれは時代錯誤。

 そして、似たようなことを無意識のうちに他でもやってやしないかとひやっとしました。

 例えば、現在の力関係で遊牧民と農耕民、あるいは西洋と東洋の交流や衝突を解釈してはいけないっていうのはよく言われることですよね。
 まぁ、それと同じことです。
 そして、歴史ものをやる限りでは、現実逃避であろうが自分の守備範囲外ではあろうが、何かしら得るものはあるものだ、と感心しているところです。

 そんなこんなで今回はコミケに参加する他の方々の修羅場を傍で見ていることになったのですが、そういう立ち位置になってみると、なんだか修羅場している人たちがうらやましいような気がしてくるんですよねー。
 現実逃避で得た教訓を胸に、次回、夏コミには新刊を出したいもんだと思いつつ、有明に行こうと思います。

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