ドラマ「バトル・フォレスト」
2011年ウクライナ/ロシア
監督:アレクサンドル・ベレザニ
キャスト:
アーシャ…エヴゲニヤ・ブリック
シェーヴァ…ドミートリィ・オルロフ
ブクレーエフ…ミハイル・ジョニン
フェージャ…ユーリィ・ジャク
あれ、これスツーカ? 実機? まさか。しかしCGには見えないぞ? という最初の方の緻密さと、いやいや戦争中でなくてもソ連時代はこんなにきれいサッパリしてなかったぞ? という終盤・ゴーリキー市の描写の手抜き感の落差に「?」。
実はこれ、45分×4回のテレビシリーズなんですな(原題は「あらゆる犠牲を払っても送り届けよ」。その割にはたびたび盗まれてるけど)。つかみはオッケー、あとは惰性で見てくれってことですかい。露骨だなぁ(笑)。
日本版DVDは110分ちょいだから相当カットされてるけど、まぁ、話は通じるし展開が早くて、流れがもっさりしたオリジナルより見やすいかも。
ただ、トレーラーにあるSSの将校クラウスが駅でヒトラーを揶揄するマンガを見かけてイラッとして反抗的な駅長を射殺するシーンや、美術館のスタッフで飲んだくれのグレゴーリィがナチの女暗殺者に撃たれるけど懐に入ってた金属製酒入れのおかげで生き延びるシーンさえカットされていると、看板に偽りありって思うんだけどどうなんだろう。
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地方のとある美術館。3年前に館長が見付けたチュートン騎士団の聖書がさるお方の発案でモスクワの展覧会に出品されることになった。ドイツへの勝利のシンボルとするために。
ドイツも侵攻した地域の美術品を組織的に掠奪する部隊をこの地域に送り込み、この聖書を狙っている。
館長の娘アーシャがその聖書を持って父とともに出発するが、ドイツの爆撃のために先発したフェージャの乗る列車に乗り遅れ、追う車も爆撃されて運転手も館長も死んでしまう。
そこでアーシャを助けてくれた男がシェーヴァ。実は脱走した囚人で、「伯爵」などという異名もあるその筋では名の通った男。アーシャは彼を疑いながらも何度も助けられ、だんだん好きになっていく。
聖書は送り届けることができるのか? すねに傷持つシェーヴァとアーシャの恋はどうなってしまうのか? …といったお話。
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フェージャという恋人がいるのにちょい悪(というか本当に泥棒)シェーヴァに惹かれていく。実は彼は…というハーレクインみたいなお話。お子ちゃまの恋愛ごっこから大人の恋へ、箱入り娘から母へ、というアーシャの変貌はさすが。最初、本当に細っこい小娘に見えたもんなぁ。クラウス役の人は「奇襲戦線 ナチス弾道ミサイルを破壊せよ!」でも似たような役やってますな。
ロシアとか旧ソ連のこういうお茶の間で軽い気持ちで見られる娯楽番組(でも、ドイツ人はちゃんとドイツ語しゃべる)を流しっぱなしのチャンネルがあったらいいのになー、と思うんだけど、DVDで見られるんなら同じようなものか。
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