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2013年1月28日 (月)

映画「ザ・デット ~ナチスと女暗殺者~」

ザ・デット ~ナチスと女暗殺者~ [DVD]

2007年イスラエル
監督:アサフ・バーンスタイン
キャスト:
ラヘル(1997年)…ジラ・アルマゴール
ズヴィ(1997年)…アレックス・ペレグ
エフド(1997年)…イエズケル・ラザロフ
ラヘル(1965年)…ネタ・ガーティ
ズヴィ(1965年)…イタイ・チラン
エフド(1965年)…オデド・テオミ
ライナー…エドガー・セルジ

 これでR指定になってないのか…。デートで二人、またはお茶の間で家族で見たらその場が凍り付くな。まぁ、こういうテーマの映画をデートで見る人はあまりいないだろうけど。

 殺したはずの「ビルケナウの外科医」ライナーが生きていた? 動揺するモサドの諜報員・ラヘル、ズヴィ、エフド。彼ら三人はかつてライナー誘拐作戦に関わり、ライナーを射殺したことでイスラエルで英雄になっていた。特にラヘルはその時の体験を書いた本まで出版している。……とこれ以上書いてしまうとネタバレになりそう。いや、全部見た後だと、これでも充分ネタバレになってるなー、と思える。最初のシーンも既に伏線。事前情報ゼロで見たけどこれは大当たり。

 さすがはモサドと思わせる独創的かつ見事な手口。誘拐でなく殺害だったら、ライナーはあの一撃で死んでたな。

 ライナーは自由にしゃべらせれば精神攻撃しかけてるくわ、どんな状況にもへこたれないわ、人を殺す度胸はあるわ、身一つで放り出されても生き抜く生活力はあるわ、「羊たちの沈黙」のレクターかよ。モンスターじみていて崇拝者さえ出てきそうだ。

 ナチの戦犯が旧ソ連のお偉いさんたちと同じ養護老人ホームで暮らしてるとは皮肉が効いてる。それとか、イスラエルの諜報員がすかすか入ってくるとか、ウクライナの入管はザルか。それでも、ロケしてるって事は、ウクライナ側の協力があったってことだよね。映画産業に力入れてるのかな?

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2013年1月26日 (土)

ドラマ「バトル・フォレスト」

バトル・フォレスト [DVD]

2011年ウクライナ/ロシア
監督:アレクサンドル・ベレザニ
キャスト:
アーシャ…エヴゲニヤ・ブリック
シェーヴァ…ドミートリィ・オルロフ
ブクレーエフ…ミハイル・ジョニン
フェージャ…ユーリィ・ジャク

 あれ、これスツーカ? 実機? まさか。しかしCGには見えないぞ? という最初の方の緻密さと、いやいや戦争中でなくてもソ連時代はこんなにきれいサッパリしてなかったぞ? という終盤・ゴーリキー市の描写の手抜き感の落差に「?」。
 実はこれ、45分×4回のテレビシリーズなんですな(原題は「あらゆる犠牲を払っても送り届けよ」。その割にはたびたび盗まれてるけど)。つかみはオッケー、あとは惰性で見てくれってことですかい。露骨だなぁ(笑)。
 日本版DVDは110分ちょいだから相当カットされてるけど、まぁ、話は通じるし展開が早くて、流れがもっさりしたオリジナルより見やすいかも。
 ただ、トレーラーにあるSSの将校クラウスが駅でヒトラーを揶揄するマンガを見かけてイラッとして反抗的な駅長を射殺するシーンや、美術館のスタッフで飲んだくれのグレゴーリィがナチの女暗殺者に撃たれるけど懐に入ってた金属製酒入れのおかげで生き延びるシーンさえカットされていると、看板に偽りありって思うんだけどどうなんだろう。

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 地方のとある美術館。3年前に館長が見付けたチュートン騎士団の聖書がさるお方の発案でモスクワの展覧会に出品されることになった。ドイツへの勝利のシンボルとするために。
 ドイツも侵攻した地域の美術品を組織的に掠奪する部隊をこの地域に送り込み、この聖書を狙っている。
 館長の娘アーシャがその聖書を持って父とともに出発するが、ドイツの爆撃のために先発したフェージャの乗る列車に乗り遅れ、追う車も爆撃されて運転手も館長も死んでしまう。
 そこでアーシャを助けてくれた男がシェーヴァ。実は脱走した囚人で、「伯爵」などという異名もあるその筋では名の通った男。アーシャは彼を疑いながらも何度も助けられ、だんだん好きになっていく。
 聖書は送り届けることができるのか? すねに傷持つシェーヴァとアーシャの恋はどうなってしまうのか? …といったお話。

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 フェージャという恋人がいるのにちょい悪(というか本当に泥棒)シェーヴァに惹かれていく。実は彼は…というハーレクインみたいなお話。お子ちゃまの恋愛ごっこから大人の恋へ、箱入り娘から母へ、というアーシャの変貌はさすが。最初、本当に細っこい小娘に見えたもんなぁ。クラウス役の人は「奇襲戦線 ナチス弾道ミサイルを破壊せよ!」でも似たような役やってますな。

 ロシアとか旧ソ連のこういうお茶の間で軽い気持ちで見られる娯楽番組(でも、ドイツ人はちゃんとドイツ語しゃべる)を流しっぱなしのチャンネルがあったらいいのになー、と思うんだけど、DVDで見られるんなら同じようなものか。

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2013年1月25日 (金)

映画「コマンド・フォース」

コマンド・フォース

2011年ロシア/アメリカ/オランダ
監督:アレクサンドル・ヤキムチュク
キャスト:
ハント…ルトガー・ハウアー
リック…マイケル・マドセン
イヴァーヌィチ…パーヴェル・デロング
フェージャ…フョードル・エメリヤネンコ
コット…ヴァレーリィ・ニコラエフ
チーヒー…オレーク・チェルノフ
将軍…アレクセイ・ゴルブノフ
ヴァジム…ヴァレーリィ・ソロヴィヨフ
ユーリャ…ユーリヤ・ゴルシェニナ
ヒョヌ…キム・ボソン
マリヤ…アンナ・ゲルレル
マックス…アレクサンドル・レーニン

 サラマンダー(サンショウウオ)の皮膚の成分から不老不死の薬が開発された。
 バンコクに本拠地を置く製薬会社ファームラインの社長ハントは、表ではこの夢の薬を安価(比較的)で売り出す救世主を演じつつ、裏では自社に都合の悪い者を殺すことも辞さない絵に描いたような極悪企業家。このところバンコクで相次いでいる謎の自殺にファームラインの薬が関係しているらしいとベテラン刑事が嗅ぎつけた。

 一方、国際科学ミッションが東南アジアのロンマイ島で消息を絶った。
 ロシアからも微生物学者マリヤ・コノノヴァが参加していたことから、ロシアの特殊部隊が送り込まれる事になった。微生物学者のヴァジムとユーリャ、コンピュータ専門家(というかハッカー)のマックスも同行することに部隊の長イヴァーヌイチは不安を覚えるが、意見・質問は一切禁止。韓国の諜報員ヒョヌも加えられたところを見ると、何か国際的な陰謀がありそうな匂いもする。

 ロンマイ島は所有者もはっきりせず、アジア各国からの難民が住み着き、反政府ゲリラの訓練施設があったりと誰でも何でもやり放題の「楽園」になっているが、実はファームラインの研究所があって秘密の研究をしていたのだ。

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 元PRIDEのヒョードル? バンコク? とキーワードだけ聞いてムエタイの使い手と何かするのか? と妄想が膨らんだがそんなことはなく、普通の特殊部隊ものだった。
 そもそもロシアの特殊部隊はタイに行ってない。ロンマイ島は東南アジアのどこかにあるらしいが、タイとは一言も言ってない。それに、ヒョードル主人公の一人ではあるけれども、一人だけ際立ったヒーローじゃないし。
「こいつ不死身? 素手で何人相手にしてるんだよ?」ってな感じで見せ場はあるけど。

 この任務の核となる三人の非戦闘員がほいほい敵に捕まり過ぎじゃないか? 彼らは東南アジアに長いってことだからもうちょっとロシアにはない熱帯雨林でいいとこみせても良さそうなのに。まぁ、ハッカーがウィークポイントになるのはお約束みたいなもんだけど。ともかくイヴァーヌイチのチームが無敵すぎる(笑)。

 諜報員のヒョヌは北朝鮮でなく韓国の諜報員でいいんだろうなぁ? 国際的なミッションに北朝鮮が参加する(冒頭で殺されるウォンというのがコリアン?)ってあんまり考えられないもんな。とすると、KCIAなのかな? 今なんて名前に変わってるか知らないけど、金大中事件とかであんまりイメージ良くないよな。ヒョヌ自身もむっつりスケベっぽい風貌の人で、陽気なロシア人たちと比べると得体が知れない存在感がある。いかにも何か秘密の任務を持ってますよ~という怪しさ全開。このヒョヌがフェージャたち熱い男たちとともに困難を乗り越えていくうちに上からの指令に忠実なだけのお堅い仕事人間からだんだん変わっていく。

 国際的なやっかい事の尻ぬぐい、誰かがやらなければならないならオレたちがやる! ってな自己犠牲的な心意気が美しいと見なされているんだろうなぁ。オレたちは死ぬが誰かが志を継いでくれる、みたいな。

 それにしても、
「心停止してる……いや、心臓が止まっただけだ!」
ってセリフはすげーよな。

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2013年1月22日 (火)

歴史魂の季節になってまいりました。

 年も明け…ってもうずいぶん経ってますが、今年もLEXICONの時期になってまいりました~(笑)。

 歴史魂LEXICON2013の原稿募集の頁

 昨年の歴史魂(LEXICON2012)の感想

 今年は旧ソ連、あるオセット人の一挿話を…と考えているところでして(スターリンではありません)、そこになんとまぁタイムリー! 歴史友達の某氏から「ウクライナの至宝展 スキタイ黄金美術の煌めき」のカタログをいただきました! キンキラキーン!!(←効果音)

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 オセットは自称をイロン(アラン)というそうですが、サルマタイの一部族アランの後裔なんだそうな(アランはカタログのサルマタイの地図にも出ています)。
 モンゴル時代にもアランはアスとかオスという名で活躍してますね(そもそもオセットという名前がモンゴル語の複数形アスドから来てるんじゃないかと思ったり)。元史等中国の史料にも出てきて割と目を引く存在です。
 現代でも北京オリンピック時のロシア軍のグルジア侵攻で話題になりましたっけ。あそこがオセットの国、オセチアです。自称はイロンのくに・イリストン。

 オセットが自分たちの歴史をどう物語っているのかよくわからないので、サルマタイ時代の記憶をどの程度残しているのか不明ですが、今やってる関連の資料がキター、ということでムフフッとしながら見ました。

 エルミタージュのスキタイ・コレクションに似てる…っていうか、同じ手によるものですね。裏表紙にサルマタイ時代のイルカ型安全ピンが出てますが、ギリシャっぽいよなぁ、といった印象。林俊雄氏の解説「スキタイ王侯の葬儀」もおもしろかった。

 カタログでは黄金モノがクローズアップされてますが、実際に見た某氏によると、割合的には少なかったそうな。ウクライナの通史的な感じで、現在の国境線で区切るといろんな民族が行ったり来たりして雑然とした印象になるんでしょう。一つの民族が誕生してから現在まで同じ領域にいるってことはまずないでしょうから。でも、これは実物は見とくもんでしょうね。こういうカタログみて受ける印象と大きさが違ったり大量だったりするもんですし。

参考文献:

Skif001

雪嶋宏一著

スキタイ 騎馬遊牧国家の歴史と考古

雄山閣2008年

 

 

 

 

Grif001

林俊雄著

グリフィンの飛翔 聖獣からみた文化交流

雄山閣2006年

これ読むと、カタログの黄金のグリフィンの背ピレのぴらぴらにも変遷があるってことがわかります。

 

 

Kamen001

林俊雄著

ユーラシアの石人

雄山閣2005年

スキタイにも石人君はいるわけです。

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2013年1月 1日 (火)

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

Ulaanbaatar8

今年もよろしくお願いします。

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