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2013年4月12日 (金)

映画「ダイダロス 希望の大地」

ダイダロス 希望の大地 [DVD]

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2012年カザフスタン
監督:アカン・サタイェフ
キャスト:
サルタイ…アスィルハン・トレポフ
タイマス…アヤン・ウテプベルゲン
コルラン…クラライ・アナルベコヴァ
ゼレ…アリヤ・アヌアルベク
ナザール…トレクテス・メイラモフ
トレ・ビー…ドスハン・ジョルジャクスィノフ
アブールハイル・ハン…ベリク・アイジャノフ
ガルダンツェリン…ツェグミド・ツェレンボルド

 激動の歴史の中で熱い理想に燃えて武器を取り立ち上がる100人の少年少女たち。
 ジューン=ガルとの戦いの中で伝説となったカザフの青年決死隊「ミン・バラ」のリーダー、サルタイを中心に描く青春群像。

 18世紀の前半、勢力の拡大を目論むジューン=ガルがカザフが遊牧する中央アジアに侵入、暴虐の限りを尽くす。目の前で父母を殺されたサルタイは、智者ナザールの指導の下、山中で7年の間ひっそり暮らしていた。
 とはいえ、冒険心あふれる少年のこと、親友のタイマスや幼なじみのコルランと一緒にナザール爺さんの言いつけを破って広々とした草原を馬で駆け回るなどしていた。
 もう子供じゃないと言うサルタイを見かねたナザールは、ラキムジャンの村の新年の祭にサルタイら三人を連れて行くことにする。サルタイはそこで美しい娘ゼレ(ラキムジャンの娘)に会う。
 ところがその祝いの場に突然ジューン=ガルのアユル・バトゥルが現れた。アユルがあたかも主人のように振る舞うのを目の当たりにしてサルタイたちの心は激しく波立つ。ジューン=ガルと戦おうとしないラキムジャンを侮辱して立ち去ったのみならず、ナザールには内緒で三人だけでジューン=ガルの兵士を襲撃するようになる。

 しかし、真っ直ぐな復讐心だけで戦略もビジョンもない山賊まがいの手法はやがて破綻していくのだ…。

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 「狼の追撃」のアカン・サタイェフ監督がやってくれました。必ずしも格好いいばかりでない「伝説の英雄」の理想と挫折をリアルに描いています。

 至近距離でも弓矢で敵を殺したり、馬に乗って戦う時の武器が柄の長い戦斧だったりと遊牧騎馬民族ならそうだろうなぁ、と納得の描写です。あと、ジューン=ガルは鉄砲を持っているんですが、一発しか撃てないところとか、死体に狐がたかっているとか…もね。芸が細かいというか、隅々まで考証が入っている感触があります。カザフの描くカザフの話なので、普通にやってるだけっていう点もあるんでしょうけれど。

 個人的にツボだったのは、ジューン=ガルのガルダンツェリンが出てきた時、あれ、渡辺篤史? 日本人出てるのぉ? と一瞬思った事。いや、よく見ると違うんですけどね(笑)。そのガルダンツェリンのお言葉を記録する係の人がいて、うわー皇帝かよ、偉そう! って思いました。
 ガルダンツェリン、カザフの仇敵として「レッド・ウォリアー」にも出てきて本当に強力な支配者・征服者だったんでしょうけど、日本じゃいまいちマイナーなので「すげー敵が襲ってきた!」というインパクトに欠けてしまうのは致し方のないところ。チンギス・ハン・クラスの有名人は、世界史上にそんなにたくさんはいません。

それから、 「狼の追撃」で復讐に狂った主人公を演じたベリク・アイジャノフがアブールハイル・ハン役で出てますね(字幕ではアブルカーとなっているが、もちろん誤り)。劇中、アブールハイルは勇ましいこと言ってるけど、
「カザフスタンが独立したのはこの事件から300年後って言うけど、そりゃああんたさんがロシア皇帝に臣従を誓ったせいと違うんかい」
と突っ込みたくて口がむずむずしました(笑)。

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