映画「ホワイトアウト フローズン・リベンジ」
2010年ロシア/アイルランド/ドイツ/UK
監督:ジョニー・オライリー
キャスト:
ドロズドフ…セルゲイ・ガルマシ
イヴァノフ…ヴラジーミル・グセフ
ロマーシュ…ピョートル・ロガチョフ
アンドレイ…アレクセイ・グシコフ
スラーヴァ…アントン・シャギン
ヴァジム…セルゲイ・ユシケヴィチ
イリーナ…マリーナ・アレクサンドロヴァ
人里から離れた気象観測ステーションで働く三人が、緊急事態を知らせる無線連絡を最後に消息を絶った。マッチ棒で模型を作るのが趣味のイヴァノフ所長、イェティ好きの所員ドロズドフ、コック兼雑用係のロマーシュ(ロマン・シロフ)の三人だが、彼らの他に近くの洞窟を見に来たヴァジムとイリーナの銀行家夫妻も消息を絶っており、彼らも一緒に消えたらしい。
捜査に来た警察の一行は一通りの捜査を終え帰ろうとしたが、ヘリ(ミルMi-8)に定員があって一人は残らざるを得ない。ヴェテラン捜査員アンドレイ一人が残るつもりであったが、彼を崇拝する若い捜査員スラーヴァも残ることになる。ヘリはすぐに迎えに来てくれるはずだったのだが、天候悪化のために飛べない日が続く。
大自然に密閉された空間に閉じ込められたアンドレイとスラーヴァは、現場に残された痕跡から人間消失の謎を推理していくのだが、消えた五人がそれぞれ一癖も二癖もありそれぞれに動機(?)がある事が明らかになっていく。男女の関係のもつれか、社会に対する復讐か、はたまたイェティの襲撃か……五人に何が起こったのか? 彼らは生きているのか? やがて意外な事実が明らかになっていく。
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二つの時間軸が交錯するのに非常にわかり易い構成。二つの時間軸が統合されていく過程で明らかになる犯人(?)は狡い、と思わずつぶやいてしまった。書きたい。ああそうなのか、アレはそういう意味だったのかと、とても書きたいけど、この手のサスペンスは、迂闊に何か書くとネタバレになってしまうので何も書けないんだよなぁ。
ハリウッドがリメイク権を買ったとかいう話だが、配役であの人が犯人? とかあの人は実はこういう役だろ? とか余計な詮索をしてしまうよりは、あまり馴染みのないロシアの俳優でまっさらな状態で見た方がおもしろいかと。あと犯人(?)の動機も、ロシアだとソ連崩壊で仕方なかったんだ、で済むけど、アメリカ舞台だと金田一耕助シリーズみたいに縷々語らなきゃならないんじゃなかろうか……とか余計な心配をしてしまう。
題名も悩ましい所で、見終わった後で邦題を見るとちょっとネタバレかな(リベンジのあたりが…笑)。でも、原題の「隠れろ(Прячься)」はまぁわかるとしても、インターナショナル版「ウェザーステーション」では隠しすぎかもね。
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