映画「神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃」
2012年ポーランド/イタリア
監督:レンツォ・マルチネリ
キャスト:
修道士マルコ…F・マーレイ・エイブラハム
カラ・ムスタファ…エンリコ・ロー・ヴェルソ
ヤン・ソビェスキ…イエジー・スコリモフスキ
レオポルド1世…ピョートル・アダムチク
アブール…ヨルゴ・ヴォヤギス
ムラート・ギレイ…ハル・ヤマノウチ
映画「神聖ローマ、運命の日 オスマン帝国の進撃 11 Settembre 1683」を大鴉さん、ユーミ・ザ・ヘラートさんと見てきましたぞ。
1683年にオスマン朝の大宰相カラ・ムスタファ率いるオスマン軍がウィーンを攻撃したのだけれども、駆け付けたポーランドのヤン・ソビェスキ王の騎兵の援軍により破られる、というお話です。
溜めに溜めて満を持して登場するポーランド王ヤン・ソビェスキがやけにカッコ良く、私はコイツが主人公かぁ!と思ったのですが、他のお二方は出番が遅すぎやしないか?と言うご意見でした。
おいしいところを全部持って行ったし、実にカッコ良いオヤジで、うん、さすがポーランド映画だ、と独りごちていたんですが(笑)。
あと、カラ・ムスタファも血に飢えたイスラム狂信者って描かれ方じゃなかったので自然に見られてよかったです。この人自身もステキなお髭ぶりで気に入ったんですが、彼の乗馬が非常に特徴的で、皆で「黒王号?(『北斗の拳』のラオウの馬)」と言い合ったんですが、あのふっさふさの距毛は何の種類の馬なんでしょうね? シャイア―にしちゃ小さい気もするし、アラブじゃないし。非常に美しいお馬さんでした。この美人さん以外にも全編を通していろいろな馬が活躍していて、その美しい姿態を眺めているだけでも楽しい。でも、やられちゃうんだよなぁ。マキビシ撒かれた陣地に突進していくあの突撃は位置関係も戦術的意味もよくわからないです。お馬さんが痛い思いをしただけ。無視してほっときゃいいじゃないっすか(笑)。ああいう陣を張ってる敵はこっちに攻めてこない訳なんだし。
それで結局、主人公の修道士マルコとカラ・ムスタファの信仰がわかりあえたでもなく、どっちかが間違っていると決めつけるでもなく、かといって、正義は一つではない、と主張するでもないような?
「真実の光はひとつだけだ!」
とマルコはカラ・ムスタファと論争するんだけれど、キリスト教の神とイスラム教の神って、そもそも同じものじゃん……キリスト教徒でもイスラム教徒でもない人間から見ると、どうしても頭をひねってしまいます。そして、狼の牙のエピソードも淡々と終わってました。伏線張りまくりなのでもっと盛り上がるのかと思ってたけど……最後のシーンで密かに効いてるのかな? どうかな?
自分的には今話題のクリミアのハン、ムラート・ギレイがカラ・ムスタファの軍に合流してきた時に、来たァ!と思ったんですが、出て来ただけでした。もっと活躍すれば良かったのに~。
そして夜は、コンヤでオスマントルコ・ケバブやらサチュ・カブルマやらのトルコ料理を食べて歴史談義に花を咲かせましたとさ。
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