映画「ウォー・オブ・ザ・デッド」
2011年リトアニア/アメリカ/イタリア
監督:マルコ・マキラークソ
キャスト:
ストーン…アンドリュー・ティアナン
ニエミ…ヨウコ・アホラ
コーリャ…サムエル・ヴァウラモ
1941年、フィンランド・ソ連国境。フィンランド軍のある小隊がソ連のシェルターを破壊する任務を帯びて敵地の森を進んでいた。
この小隊、ちょっと変わっていた。
「ソ連の残虐行為をフィルムに収めるため」アメリカ人ジャーナリストと米軍兵士が加わっていたのだ。
実はこのアメリカ人、どこからか嗅ぎつけて知っていたのだ、このシェルターがソ連のものではなく国境変更以前はナチスのもので、ロシア人捕虜を使って「不死兵士」を作り出す実験を行っていたことを。
惨劇は突如として襲いかかる。敵は撃てば死ぬもの、と信じて疑わない兵士たちは、次々と不死身の敵の毒牙にかかっていく。そして噛まれた者もまた…。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
旧ソ連発こういうホラーを待っていた!
ずばっとド真ん中に来た直球のゾンビ映画だけれど、あいつらならばやりかねん…というかここではナチスだが、倫理なし人権なしの実験いかにもやってそう、そしてすごいことやってる割に管理がずさんそうなイメージで、ひょっとしたらこういうことあるかも…と思わせるリアリティーがとても心地よい。
なんで読んだか忘れたが、昔ソ連の科学者が、死んだ人の血をけが人に輸血するにはどうしたらいいか、なんて研究してて、何気なく科学雑誌に発表したら、西側で大騒ぎになったなんて話があったとか。
まじめな研究でも価値観の違いで、他国では異様に見えたり、極秘開発が不完全に漏れ伝わったり、ドイツのような状況で記録が失われてしまうと、実はあれはこうだったんではないか、とか実験が中止されたのは、何か制御できない酷くまずいことが起こったのではないか、との憶測を呼び、ホラーじみた話がまことしやかに語られていくのはよくあることで、しかもそういう話こそがおもしろかったりする。
そういう都市伝説好き・怖い話し好きのツボを気持ちよく刺激してくれる話作りがすっとアクションに入り込ませてくれるんだなぁ。
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