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2014年12月29日 (月)

映画「ガガーリン 世界を変えた108分」

ガガーリン 世界を変えた108分

2013年ロシア
監督:パーヴェル・パルホメンコ
キャスト:
ユーリィ・ガガーリン…ヤロスラフ・ジャリン
セルゲイ・コロリョフ…ミハイル・フィリッポフ
カマーニン将軍…ヴラジーミル・ステェクロフ
ゲルマン・チトフ…ヴァジム・ミチマン
ヴァレンチーナ・ガガーリナ…オリガ・イヴァノヴァ
ニキータ・フルシチョフ…ヴラジーミル・チュプリコフ

 これ、よく映画にできたなー、と感心した。

 と、いうのも、すべてが順調にいったからガガーリンは生還できたわけで。
 ヴォストークは緊急事態がなければ、宇宙飛行士のやる事はほとんどないわけだから、ドラマとしてはそのものずばりを描くのは単調で盛り上がりのないものになってしまいそうなもの。

 アポロ13、もしくははやぶさみたいに、とても乗り越えられそうもない重大なトラブルを知恵やあきらめない精神で克服した方が、感動的な物語として作り易いはず。

 だけど、そのほぼノートラブルの飛行を真っ正面にとらえ、周辺の物語に逃げず、「事実に基づく」と謳いつつ創り放題な最近の映画みたいになっていない真摯な姿勢に感服した。
 いや、コロリョフとかガガーリン父や妻ヴァーリャの話は挟みこまれているけど、フラッシュバックで垣間見る程度。

 ガガーリンがズビョーズダチカってイヌを抱き上げて宇宙の感想を聞くシーンがあったけど、ガガーリンの前に宇宙を体験したイヌたちのことは、今でも旧ソ連の人ならみんな知ってるものなのかな?
 宇宙に行ったイヌとしてはライカが有名だけど、ライカは地上に帰ってきてないのに比べ、ズビョーズダチカは生還してるから、宇宙まにあには意外と名が知られてたりして。

 宇宙の風景もきれいだったけど、地上も広々としたカザフスタンの大草原等々見られて良かった。

 地面を削って作られたバイコヌール宇宙基地が、最近のソユーズの打ち上げで見た様子と随分違って、ミサイルのサイロみたいで生々しかったな。打ち上げシーンは大変感動するが、フルシチョフのセリフでにおわせている通り、国家の威信等の見栄もあるんだろうが、実用的な軍事技術でもあるから、いくらでも金をかけられたって事なんだろうな。

 フルシチョフがそこはかとなく下衆に描かれていて、イメージ通りだ!と笑えた。でも、こういう少々がさつなおっちゃんが第一書記だった(字幕では「書記長」となっていたが正確でない)からこそ、あの時代は夢多き(あるいは、夢に浮かされた)時代だったのかもしれないな。そして今のソユーズもそうだけど、この時代に多少無理して頑張って基を築いた技術が今も使われているのをみると、夢って我々が思っている以上に大切なのかもしれないなー。

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