映画「ブレスト要塞大攻防戦」
2010年ベラルーシ/ロシア
監督:アレクサンドル・コット
キャスト:
サーシャ・アキモフ…アレクセイ・コパショフ
キジェヴァトフ…アンドレイ・メルズリキン
フォーミン…パーヴェル・デレヴャンコ
ガヴリロフ…アレクサンドル・コルシュノフ
1941年6月21日。「その時」が刻々と迫る平和な土曜日。ベラルーシ西南にあるブレスト要塞に住む人たち…国境警備隊や赤軍、その家族たちも夜には映画がある、とみんな楽しみにしている。
軍楽隊に所属している少年サーシャ・アキモフも、好きな女の子アーニャとどうやったら一緒に過ごせるかとあれこれ考えている。
だが、その頃既に密かにドイツ軍はソ連領内に侵入を始めていたのだ。
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この導入部の平和な光景との落差。一つ一つをよく覚えておくと、それら(人、事、物)がしつこいまでに丹念に潰されているのがわかる。しかも、現在のブレスト要塞をストリートビューで見ると映画そのまんまだし、建物の崩壊の重量感等とてもセットとは思えないんだけど、どうやって撮ったんだろう? …と感心するほどのすごいリアリティ。
それだけに、赤軍兵士バタバタ死に過ぎだよなぁ、と思った。
ソ連がドイツの奇襲攻撃を受けたまさにその事が主題だからしょうがないと言えばしょうがないのかもしれないけどさぁ。土嚢で道をふさぐような感覚で車の侵入が阻まれるくらい死体が折り重なってるのは無残だ。
ドイツ軍は整然と迫ってくるのに、
「オレに続け! ウラァァァ!」
ってのは無茶だろ。
こいつら(ソ連含む)捕虜の扱いについて国際法守るようなタマかって思ったら案の定、、、な結末だったので、結果的には玉砕しか選択肢はなかったにしても、だ。
いかに兵士が消耗品であっても、もっと大切に使おうよ、と心配してしまった。
後退は許さない、突撃! 突撃!! 突撃!!!で死なせちゃうような使い方じゃ、資源がすぐに尽きちゃうよ。練度も増さないから常に新入りばっかりになちゃうってのも何だかまずい気がするし。日本のブラック企業じゃないんだからさ。
コミッサールが字幕で「将校」となっていた点にはちょっと引っ掛かった。
違うでしょ。あえて訳すのなら政治将校? 政治委員? むしろコミッサールのままの方が良いと思うんだけど。「パルコーヴニク=コミッサール」と呼んでいるところでなんかおかしいと思わなかったのかねぇ? ただの「将校」じゃあ、最後のへんの
「オレがコミッサールだぁ! おまいらの大嫌いな共産党員のユダヤ人だぁ! アヒャヒャ」(←いやそうは言ってないぞ)
ってセリフの意味がよくわからなくなっちゃう気がするんだけど。
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