ドラマ「マルコ・ポーロ」シーズン1(5.ハシャシン)
2014年アメリカ
監督:ジョン・ファスコ
キャスト:
マルコ・ポーロ…ロレンツォ・リチェルミ
フビライ・ハーン…ベネディクト・ウォン
賈似道…チン・ハン
チャブイ皇后…ジョアン・チェン
チンキム皇太子…レミー・ヒー
百の眼…トム・ウー
ビャンバ…ウリ・ラトケフ
ユースフ… アムール・ワケド
ハサン=イ・サバーフ(山の老人)…マノ・マニアム
前話からの続きの場面。マルコとフビライがニコロとマフェオの処分について話していると、突然フビライに毒針が打ち込まれた!
黒ずくめの賊がこんな宮廷の奥深く、フビライの私室に侵入、襲いかかってきたのである。そこに難なく入ってくる百の眼も充分危ないヤツという気もするが、マルコが咄嗟にフビライをかばって賊との間に入ったために、彼とフビライの側室の子ビャンバが間に合った。この二人がすごく強くて賊を倒す。
ビャンバってチベット語じゃん。チンギスの時代にも、ジャア・ガンボみたいにチベット語の称号が付いてる人もいるけどさ、当時のモンゴル語にはそんなにチベット語の語彙って入っていないのでは? アメリカのドラマにしては外国の文化を理解しようとする姿勢は評価できるんだけれど、全体的に使われてるモンゴル語がどうも現代モンゴル語くさいんだよな。いや、モンゴル語知らないんだけどさ。時代考証的にどうなのか、専門家のご意見をお伺いしたいところ。
さて、この刺客どもはハシャシン……いわゆる暗殺教団(アサッシン)で、彼ら自体に主義主張はなく、誰の依頼でフビライを狙ったのかは全くわからない。でも、エピソード2を覚えている皆さんなら、ここでマルコと一緒にピンと来るはず。アレです(←ネタバレなので伏せる)。マルコはビャンバとともにその心当たりを確かめに行くことになる。
もちろん、ドラマの中でも言ってるとおり、この頃、暗殺教団ってフレグに滅ぼされて久しく、実際はないんだけど、そこは『東方見聞録』にでているオイシイ話を洩れなく盛り込んだエンターテインメントってことで、山の老人ハッサン=イ・サバーフまで出てきちゃう(笑)。もっとも、それもマルコの幻覚なのかもしれないけどね。
ところで、お話しとは関係ないけれども、欧米、特にアメリカがイスラム過激派のテロに対するイメージって暗殺教団のイメージと重なるのではないのか、だから我々から見ると過剰と思える程敏感に反応をするのでは?と思えて興味深かった。
フビライの側近のユースフって実在の人物なのかな? 元のことはよく知らないのでわからないのだけれど、あるいはマフムード・ヤラワーチをモデルにした架空人物かもしれない。こういう地位の高い人が自ら刺客を尋問(というか拷問)することってあるのかなー?と疑問に思うと同時に、その絵面がよくあるイスラム過激派を敵役にしたアメリカ映画の悪の首領そのもので、アメリカ人のムスリムに対するイメージってこんなかい!?とあきれるやら納得するやらで、そういう面も垣間見られてなかなかおもしろい回だった。
ドラマ「マルコ・ポーロ」他のエピソード・シーズン1:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
番外編:百の目
シーズン2はこちら
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