ドキュメンタリー「ロシアのキツツキ」
2015年UK/ウクライナ/アメリカ
監督:チャド・グラシア
出演:フョードル・アレクサンドロヴィチ
チェルノブイリ原発の近くにそびえ立つ巨大なバックネットのような構造物。
「ゾウの檻」を平たく伸ばしたようにも見えるそれはDUGAレーダー。ソ連時代にはタ、タ、タ、タ、と一定の周波数で意味不明な怪電波を出し続けていたために、「ロシアのキツツキ(Russian Woodpecher)」とも呼ばれていた。
フョードルは4歳の時チェルノブイリ原発事故に遭遇し、両親から離れて疎開せざるを得なかった。チェルノブイリの惨事の本当の原因は何か、本当の責任者は誰かを調べるうちに、この構造物の存在が事故と関係があるのではないかと考え始める…。
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何だか電波っぽい話になってきたぞ、怪電波の話だけに…。と、眉に唾つける勢いで見ていくと、これって芸術家の直感で、論理的ではないけれどもある意味、本当にヤバイものを嗅ぎつけているのかも知れない、とも思えてくる。
でもまぁ、我々から見れば陰謀論じゃないの、との思いは拭えないし、R指定がかかってるのは、その辺の判断基準を持たない未熟な人間は見るべきでないからだろうか。ともかく、百聞は一見にしかずでその辺は見た人にしか判断できないから何とも言えないのだけれど。
以下、予断なく見て自分の判断を下したい方は読まない方が良さそうな感想を一つ。
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何の役にも立たない巨大プロジェクトで何億ルーブルを無駄にしてきた事を誤魔化すために、チェルノブイリ原発をわざわざ爆発させたっていうのは、ちょっと信じ難い。だってさ、でかけりゃでかいほど良い・ギガントマニアのソ連の時代の巨大プロジェクトって、ほとんどがそんな感じのクソ事業だったじゃん。いま、廃墟だの残骸になってるソ連時代の遺物なんて幾つもある。そもそも国民には秘密にしてるんだから、ことさらに揉み消す必要なんてなさそうなもんだけどねぇ。
…でもそういうのは、西側の人間の見方なのかもな。ソ連を知らない世代だと、フョードルやその家族たち、監督までがなぜこんなに脅えるのか、たぶん感覚的には理解出来ないんじゃないかな。まぁ、結局は他人の国のことだもん、想像でしかわからないんだけどさぁ。
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