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2016年8月28日 (日)

モスクワに新しい観光名所ができる?

 モスクワ・クレムリンのスパスカヤ塔のすぐ内側にあった14番館取り壊しに伴い、発掘調査が行われているけど、そこでモスクワ最古の銘文が刻まれた礎石が出土したそうな。

モスクワ・クレムリンにおける新たな考古学的調査
(ロシア科学アカデミー考古学研究所・ロシア語、写真多数)

 ここにはもともと、1365年にアレクシー府主教が基礎をおいたチュードフ修道院があった場所で、ソヴィエト時代の1929年に破壊され、その上に14番館が建てられていた。
 14番館が取り壊されることになったので、2015年12月から発掘調査も行われていたわけだ。14番館もロシア革命後最初にクレムリンに建設された建物で、長らく最高会議幹部会が置かれていたということで、冷戦期を経験してきた者にとっては歴史的な建造物に思えるのだけれど、このたび完全に解体された。

Kremlin administration building 14
<14番館:背後にスパスカヤ塔がちょこっと見える>(wikipediaより

 何で英語でクレムリ「ン」と言うのかは知らんけど、クレムリというのはロシア語で城塞という意味。もともとこのモスクワ川に臨む高台の上に築かれた城塞(クレムリ)がモスクワの起源だから、あそこは掘れば何か出てくるわけ。しかも、文献史料からクレムリンの中でもあの場所がもっとも最初に建造物が建てられたことになってるから、期待値は高まっていた。

 で、期待通り/リンク先の写真の通りの興味深い結果が出た。
 文献通りであるなら、あの礎石に刻まれた銘文は、モスクワ最古の銘文ということになる。
 まぁ、草原者的に興味あるのは、13世紀半ばに激しい火災の跡があるって点だね。元記事(大元ウルスの記事という意味ではないぞ)には「バトゥの略奪?」なんて疑問符付きで書かれていて、それ直に見たい!って目が輝いちゃう(笑)。

 ニュースでもプーチンがこの発掘現場を視察する様子を流していて、ここを地下博物館にするよう任せたっていうことだから、そのうち、クレムリン内に新しい博物館が出来るかもね。

プーチン視察の様子(RT)

 余談だけど、アレクシー府主教っていうのは、ロシア映画「オルド」でスハーノフが演じてた主人公(一応)だよね。
 1365年っていうとあの映画のあとになるのかな。馬でトコトコ去るシーンで彼の出番は終わるけど、モスクワに帰ったあとこういうことやってたのかぁ、と妄想しながら遺跡見物をしたら楽しそう。

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