あのゴキブリロボットは今
一年くらい前にロシアがゴキブリ型のスパイロボットを作ったと話題になった事があったけど、あのロボローチはその後どうなった?
……あ、「ゴキブリ」なんて、できれば字も見たくないので、ここでは「ロボローチ」とマイルドな名前で呼ばせてもらいま。すぱいだーまっ(意味なし)。
元ネタはこの辺→カント記念国立バルト大学「ロシア連邦教育・科学相ドミートリィ・リバノフ、カント記念国立バルト大学訪問」
このロボローチを作ったのは、ロシアの飛び地・カリーニングラード市にあるカント記念国立バルト大学(BFU)化学・生物学研究所。科学者・学生の実習の一環として作られ、そもそも軍事的な目的ではないんだと。
たぶん、昆虫に詳しい人はこの↓画像を見てぴんと来たとは思う。
※見たい人はこの辺にアレの画像があるので自己責任でドウゾ
このロボローチのモデルにされているBlaberus Craniiferは、南米原産でロシアには棲息していない。この時点で、諜報活動用ツールとの意味づけは嘘だとわかったはず。ロシアはゴキブリ天国とはいえ、大きさは日本のチャバネゴキブリくらい。そんな中にこんな巨大なアレが歩いていたらニュースになって諜報活動どころの話ではなくなってしまう。
↑「死人の頭」という怖ろしげな名前の付いているBlaberus Craniifer:スミマセン。モザイクかけさせていただきました。細部まで鮮明な写真はこちらのWikipedia(英語版)をご覧下さい(閲覧注意)。
本当は体長9㎝にもなるオオメンガタブラベルスゴキブリ(Blaberus Giganteus)をモデルにしたかったけど、カリーニングラードでは入手できなかったのでこれを使ったそうで。
そもそも一連の記事の元になった思われる2015年9月24日インタビューによると、このロボローチは、限られた期間・予算でどれだけ本物に似せたロボットが作れるか、という一種の技能コンテストで作られたロボットのようだ。
※でもそれで、南米の巨大Gをモデルにするのはちょっとずるくない?
「ゴキブリとは言ったが、ロシアのとは言ってない」
って屁理屈じゃん(笑)。
このプロジェクトの指導教官・同大学のマクシム・パトルゥシェフ化学・生物学研究所所長によれば、人の手足のような大きさの限られているところに精密な機器を組み込む、という課題を解決するとき、凝り固まった見方でなく柔軟な発想ができるようにという演習的な意味合いもあったとの事。
戦争などで四肢を失った人のための義手義足だと、大きさや重さに制限があるし、人によって必要とされる機能はさまざま。問題解決のためには型にはまらない発想・創意工夫がいるんだろうね。
でも、正直、ロボローチで培われた技術でできた装置を自分の体に組み込まれたら、あんまり気分の良い物でもないような気がするけど。怪人ゴキブリ男にでも改造されてしまうんじゃないかとか(笑)。
で、2016年2月の同大学視察で、ロシア連邦教育・科学相ドミートリー・リヴァーノフは、他のプロジェクトと一緒にロボローチを見たんだってさ。ミニコンパネで操作してみて、
「これは量産すべきだ。子供が喜ぶ」
との考えを述べたとか。
まぁなぁ。オモチャくらいにしかならないよなぁ(笑)。
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