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2017年3月13日 (月)

映画「残穢 ―住んではいけない部屋―」

残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―

2016年日本
監督:中村義洋
キャスト:
私…竹内結子
久保さん…橋本愛
田村さん… 山下容莉枝
平岡芳明…佐々木蔵之介
三澤さん…坂口健太郎

 離れた場所、別の時代の事件と思われていた事柄が、調べていくうちに繋がっていく。複雑で特異な形をしたピースが、バチバチッとはまって巨大な全体像を形作る。

 実際にあったできごとに興味を持って調べていると、こういうことがよくある。ピースがぴたりとはまる時の爽快感を一度味わってしまうとやめられない。……という所に歴史好きと実話怪談マニアに通じるものがあるのかもしれない。

 読者の体験した実話をもとにした怪談を連載している小説家の「私」が、「久保さん」という読者の投稿してきた体験談を追っていくうちに、「話すだけで祟られる。聞いても祟られる」という怪談を生み出した深い怨念を掘り起こしてしまう……。

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 久々に書く感想がホラーかよ、と自分ツッコミを入れつつも、おもしろかったんだからしょうがない。じわじわくるホラーが好きな人にはお勧め。
……いや、「ホラー」とはちょっと違う。怖い昔話みたいな感じかな。子供のころ、「まんが日本昔ばなし」を見てトラウマになった話がある人にお勧め。またあの恐怖が甦ってくるよ。

 ここにはオバケらしいオバケはあまり出て来ない。怖いのは人の情念というところがいい。いいというかじわじわくる。虫の知らせのようなのとか、気の触れてしまった人たちは実は見てはいけないものを見ていたから……というところは、幽霊を信じない人でもあまりにも強い人の情念が見せたものとして理解できるんじゃないかな。
 むしろ、無残な死に方……この話の場合はほとんど人災による……をした人たちが、人を呪うことくらいしかできずに消されてしまった表の歴史……「正史」の方が、怖いでしょ?

 最後の男性陣の二人の体験は、ホラーっぽくてせっかくのイヤな後味を微妙なものにしている。漫画チックで笑っちゃうんだけど、あれがなかったら、確かに、あまりにも怖すぎた。あれはある意味、自主規制だよな。

 歴史好きの自分にとってのクライマックスは、作家・平岡芳明さんが登場した喫茶店でのシーン。なにやら、似たような名前の怪談作家がいたよなあ、とにやにやしながらも、彼が話す、
「実話怪談集めている同士が話すと、似た話知ってるってなることあるでしょ……(中略)……全く別の話だと思ってたのが、たぐっていくと根が同じだったってのがある。そういうのは業が深い」
という所にすごく共感した。歴史でもそういうのあるある。だから、時代違い、地域違いでも歴史好きが集まる場というのは、得るものが多くて楽しいんだよねぇ。

 そして、「あれ?」と違和感を持ったところは、大切にすべきだ、というのは改めて思った。
 その時点ではその違和感の理由について論理的に説明できなくても、一般的な説明を鵜呑みにせずに調べていけば、案外核心が出てくるというのは、歴史でも実話怪談でも同じみたいだね。

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