映画「トランセンデンス」
2014年アメリカ
監督:ウォーリー・フィスター
キャスト:
ウィル…ジョニー・ディップ
エヴリン…レベッカ・ホール
マックス…ポール・ベタニー
ジョセフ…モーガン・フリーマン
ブキャナン…キリアン・マーフィ
ブリー…ケイト・マーラ
AIが極限まで発達して、ある時点で人類全部の知能全部を合わせたより賢くなる。その時点をシンギュラリティ(技術的特異点)という。シンギュラリティは2045年にやってきて、それ以降の歴史は現在の生身の人類の脳では予測できないほど発展する……と言われている。
ちうか、今の時点でもAIは十分人より賢いじゃん!
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カリスマ的AI研究者ウィルが、シンギュラリティ……ウィルの術語で言えば「トランセンデンス」についての講演をしている最中に、全米で同時多発テロが起きる。このテロは、AIが人間を越えるほど発達してしまうことに反対するアンチ・シンギュラリティの過激派によるもので、ウィルの同僚たち多数が犠牲になる。もちろんウィルも主要な標的の一人。
講演会場からでたところで、ウィルもテロリストに撃たれてしまう。幸いにして致命傷には至らなかった、と思われた。しかし、弾丸には放射性物質のポロニウムが仕込まれていて、ウィルの体は放射能に蝕まれていた。彼に残された時間は2~3週間。
ウィルを失いたくない妻のエブリンは、同僚の科学者ケーシーの遺稿を元に、ウィルの記憶や思考のすべてをスキャンし、スーパーコンピューターPINNにアップロードしようと試みる。
しかしそれこそ、テロリストが阻止しようとしていた「自我を持ったコンピューター」の出現に他ならない。テロリストたちは、これを破壊しようとウィルたちの隠れ家を襲撃するが……。
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マインドアップローディングによって電脳空間に保存されたモノに意志はあるのか? それはオリジナルと同じ人格なのか? 肉体が滅んでも「人格」が電脳空間にあるなら、人は不死になるのか? ……「攻殻機動隊」風に言えば、「そこにゴーストはあるか?」が問われている映画……のハズ。
まぁ、アニメ「キューティーハニー」の空中元素固定装置よろしく、あらゆる元素を合成できるナノロボットを操り、壊された施設、ウィルと「繋がっている」人々の肉体までも再構築していくビジュアルの方が目を引く。でも、テーマ的にはそれは付随的なことだよね。ド派手なシーンとエンターテインメント性が不可欠なハリウッド映画では、なにかしらのアクションなしには済ませられないのかもしれないけどさ。
で、アメリカの映画なので、ウィルとつながった多くの人たちの「個」の境目が浸食されて自由な意志が奪われることは、「悪」として最後は打倒されてしまう。しかもその結果は、電気も何もかもストップして、ネオ石器時代みたいになっちゃった。
これ、ハッピーエンドじゃないよね? あるいは、AIが人間より賢くなることに漠然とした不安を覚える人たちに、むやみに抵抗して21世紀版ラッダイト運動なんて起こすとこうなっちゃうよー? と脅しつける映画だったりして。考え過ぎか。
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