映画「カリキュレーター」
2014年ロシア
監督:
ドミートリィ・グラチェフ
キャスト:
エルヴィン・カン…エヴゲーニィ・ミロノフ
アンナ・クリスティーナ…アンナ・チポフスカヤ
ユスト・ボルグ…ヴィニー・ジョーンズ
マティアス…ニキータ・パンフィーロフ
大尉…キリル・コザコフ
計算機っていうか、計算づくの男エルヴィンと、直感で彼について行く事に決めたクリスティーの逃避行。ロシアらしいブラックユーモアあふれるSF。飛行機?宇宙船?が折り紙っぽいツクリしてるところが目を引く。
最後にネタバレ書いちゃうので、まだ見てない人はスクロールしないように(笑)。
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人類が宇宙に進出し、天の川銀河外の惑星にも移住するようになって千年。一応、人の住める惑星とされるXT-59惑星は、危険な生物がうじゃうじゃの沼に覆われている。そのため、人の住む都市は超管理社会で、人の職場や結婚まで全てシステムが決定している。
そんな息苦しい社会に嫌気がさしたクリスティーナ(クリスティー)は、システムによって犯罪者と認定され、都市の外、沼を渡った300km先にある希望の島へ追放されることになってしまった。クリスティーは、これはむしろ自由になれるチャンスだと喜んだが、沼には人を食う動植物が満ち、「追放」は「死刑」にも等しい極刑だった。
前科もあるワル、北極オオカミの二つ名を持つユストが、追放される人たちを仕切り、希望の島を目指そうとするが、クリスティーは一目見て自信たっぷりのエルヴィンに付いて行く事に決めた。
実はエルヴィンは、システムにとって重要な人物だった。システムに反逆したので追放されたのだ……。
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ヴィニー・ジョーンズは旧ソ連諸国で人気あるのか? 前にカザフスタンの映画でも見たぞ。ロシア語は全然話せない割には主要人物でセリフ多いんだよな。というわけでアテレコになってる。ヴォイスオーバーじゃないところが今風か(笑)。
自由のない超管理社会に反発して、苦労して苦労してその体制を倒しては見たものの、一新した社会は、以前より完璧に人間を管理するひどい体勢になっちゃったというお話。
それって帝政ロシアからソ連へ、もしくはソ連から現在のロシアへの痛みを伴う変革を皮肉ってるんだろうな。ソ連時代のSFみたいだナ。
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